雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

本と映像の森 234 大岡信さん著『百人一首』講談社文庫、1980年

2012年12月01日 04時58分53秒 | 本と映像の森

本と映像の森 234 大岡信さん著『百人一首』講談社文庫、1980年

 百人一首については 本と映像の森 230 林直道さん著『百人一首の世界』青木書店、1986年2012年10月24日 05時25分16秒 | 本と映像の森 で取り上げました。

 雨宮家でもぼくの小さい頃は、お正月になると、百人一首の「カルタ取り」ではなくて「坊主めくり」をよくしました。今でも、雨宮家には百人一首のカルタが2つもあります。

 大岡信さんの本を推薦しているのではなくて、ちょうどぼくの部屋にあったので、紹介します。

 地震と津波のことを調べていたら、百人一首のある歌が、津波のことを、それも具体的に詠んでいると書いてあったので、紹介します。

 清原元輔さんの歌「契りきな かたみに 袖をしぼりつつ 末の松山 波越さじとは」

 歌の意味は、あなたと堅い約束をしたのだから、もし私が心変わりをしたら、あの有名な「末の松山」を波が越えていくでしょう、ということ。

 この「末の松山」は、この本でも、宮城県の多賀城の付近の有名な名所で「海辺に近いのに、けっして波をかぶらないという伝承があった」と大岡さんは書いています。

 ところが、この歌の作者の清原元輔さんは、あの清少納言の父親で、905年に生まれ、990年に83才で亡くなりますから、多賀城の付近を大津波が襲った、あの「貞観の大地震」のことを聞いているはずです。

 つまり「末の松山」を波が越えていった、リアルなニュースを作者が知っていたはず、ということで、この歌の深さも違ってくると思います。

 


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