新・本と映像の森 3 秋月龍珉『誤解された仏教』講談社学術文庫、2006年 20220212
251ページ、定価880円。原書1993年柏樹社。
著者は臨済宗と禅の正当な道を極めた方です。
その著者が書いた現代仏教の根底的批判は衝撃的です。
まず仏陀は何を悟ったか。「私には死後の人生はない」「輪廻転生はない」ということを悟った。
つまり仏陀が生きていたころのインドはヒンズー教全盛で、魂は輪廻転生して他の人間や動物や上の神々の世界に転生するのが常識だった。
でも仏陀はそういう自分の輪廻転生はないと悟った。「仏教は無霊魂論である」(第1章)、「仏教は無神論である」(第5章)
つまりは唯物論にも等しいですね。
そして2番目に、秋月さんは現代日本の仏教では、「仏教は本来、葬式・法事に関わらない」(第3章
)、「死者を「仏」と呼んではならない」(第10章)と主張する。
3番目に、もっとおもしろいのは、「「梵我一如」説は仏教ではない」(第6章)「正しい仏教は土着思想と対決する」(第8章)「仏教は「神秘主義」ではない」(第9章)ということ。これがむしろ核心だろうと思う。
今日触れられなかった後半部分も含めて、もっといろいろ考えたい。
251ページ、定価880円。原書1993年柏樹社。
著者は臨済宗と禅の正当な道を極めた方です。
その著者が書いた現代仏教の根底的批判は衝撃的です。
まず仏陀は何を悟ったか。「私には死後の人生はない」「輪廻転生はない」ということを悟った。
つまり仏陀が生きていたころのインドはヒンズー教全盛で、魂は輪廻転生して他の人間や動物や上の神々の世界に転生するのが常識だった。
でも仏陀はそういう自分の輪廻転生はないと悟った。「仏教は無霊魂論である」(第1章)、「仏教は無神論である」(第5章)
つまりは唯物論にも等しいですね。
そして2番目に、秋月さんは現代日本の仏教では、「仏教は本来、葬式・法事に関わらない」(第3章
)、「死者を「仏」と呼んではならない」(第10章)と主張する。
3番目に、もっとおもしろいのは、「「梵我一如」説は仏教ではない」(第6章)「正しい仏教は土着思想と対決する」(第8章)「仏教は「神秘主義」ではない」(第9章)ということ。これがむしろ核心だろうと思う。
今日触れられなかった後半部分も含めて、もっといろいろ考えたい。