新・本と映像の森 196 アーサー・C・クラーク『地球幼年期の終わり』ハヤカワ文庫
福島正実訳、1979年発行、2011年35刷、415ページ、定価本体840円、原書1952年刊行
原書は1952年だから、まだ最初の宇宙飛行士ガガーリンが現れてもいない。物語は人類最初の宇宙飛行がおこなわれる瞬間、宇宙から大円盤の部隊が地球へ降りてくる。
地球人とは声の放送だけで接触して姿を表さない宇宙人を地球人は「オーバーロード(上帝)」と呼んだ。
第1部「地球とオーバーロード(上帝)たち」の主人公は国連事務総長ストルムグレンとオーバーロード(上帝)の「総督」カレルレン。むろんカレルレンの正体は明らかではない。2人の交渉と交流を中心にストーリーは進む。
地球人は核戦争の危機を乗り越え、オーバーロードの優れた科学技術の影響で繁栄への道をすすみ始める。
第2部「黄金時代」はオーバーロード飛来の50年後、オーバーロードが初めて姿を現すところから始まる。
そしてサブストーリーとして1市民ルーパート・ボイスのパーティ。そこに集まったジョージ・グレッグスンと妻ジーン、ルーパートの義弟ジャン・ロドリックスとオーバーロードの何かを調べているラシャヴェラク。
136ページ、そこから本当の物語が進み始める。
オーバーロードの姿を見た人類はどう思ったのか。オーバーロードは地球の何を監視しているのか。オーバーロードの地球へ来た真の目的は何か。
これを良質の映画にして欲しい。
それと小説の終わり方、人類の未来にボクは違う道があると思う。ネタバレはしないので、それは別のところで。