本と映像の森17 高畑勲解説『「ホルス」の映像表現』アニメージュ文庫、徳間書店、1983年10月31日初刷、定価379円+税=390円、212ページ
宮崎駿さんと高畑勲さんのコンビの始まりの一つが、1968年(昭和43年)公開の東映アニメ「太陽の王子・ホルスの大冒険」で、高畑勲さんの長編演出の第1作です。
このアニメに、宮崎さんもスタッフの1人として参加します。
高畑さんの解説は、アニメの映像を追いながら、冒頭の少年ホルスと銀色狼の格闘しーんから始まります。
ホルスは父親と住んでいた「村」を悪魔グルンワルドによって崩壊させられ、そこから逃げだした孤児です。
「太陽の王子」という表現は、エジプト神話の太陽神の息子で鷹の神・ホルスの名前からきています。
エジプト神話は、このアニメのストーリーとは関係なのですが、まあ少年ホルスの能力から言っても、悪魔と真っ向から対決する資格と決意のある人間ホルスを「太陽の王子」として表現したのか、と思います。
ホルスと対照的な主人公が、ホルスとともに別の村に入り込む少女ヒルダと、その村の少年ポトムでしょう。
ヒルダは実は人間の娘ですが、悪魔の妹と思い込まされています。
テーマは「村を守るのか」です。あるいは「村は守るに値するか」です。
ホルスもヒルダも、脳天気な「正義の味方」ではなく、悩める主人公なので、ぼくも感情移入ができます。
ホルスは、ヒルダの策動もあって村から追放されて、さまよいます。
ヒルダは「兄」の命令で、ホルスと村を2つに裂きますが、自分自身が2つに裂けていく少女です。
そういうストーリーの内容とともに、アニメ撮影の技術が微細に語られて、すごくおもしろい本です。
20年以上前の本なので、いま新刊で出ているかは不明です。
アニメ映画は、DVDで買うなり、借りるなりできると思います。
宮崎駿さんと高畑勲さんのコンビの始まりの一つが、1968年(昭和43年)公開の東映アニメ「太陽の王子・ホルスの大冒険」で、高畑勲さんの長編演出の第1作です。
このアニメに、宮崎さんもスタッフの1人として参加します。
高畑さんの解説は、アニメの映像を追いながら、冒頭の少年ホルスと銀色狼の格闘しーんから始まります。
ホルスは父親と住んでいた「村」を悪魔グルンワルドによって崩壊させられ、そこから逃げだした孤児です。
「太陽の王子」という表現は、エジプト神話の太陽神の息子で鷹の神・ホルスの名前からきています。
エジプト神話は、このアニメのストーリーとは関係なのですが、まあ少年ホルスの能力から言っても、悪魔と真っ向から対決する資格と決意のある人間ホルスを「太陽の王子」として表現したのか、と思います。
ホルスと対照的な主人公が、ホルスとともに別の村に入り込む少女ヒルダと、その村の少年ポトムでしょう。
ヒルダは実は人間の娘ですが、悪魔の妹と思い込まされています。
テーマは「村を守るのか」です。あるいは「村は守るに値するか」です。
ホルスもヒルダも、脳天気な「正義の味方」ではなく、悩める主人公なので、ぼくも感情移入ができます。
ホルスは、ヒルダの策動もあって村から追放されて、さまよいます。
ヒルダは「兄」の命令で、ホルスと村を2つに裂きますが、自分自身が2つに裂けていく少女です。
そういうストーリーの内容とともに、アニメ撮影の技術が微細に語られて、すごくおもしろい本です。
20年以上前の本なので、いま新刊で出ているかは不明です。
アニメ映画は、DVDで買うなり、借りるなりできると思います。