新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

頑張っている人に、「頑張って!」とはいえない

2011-03-19 11:04:45 | Weblog

追加でもう一つ。

 

 東日本大震災の被災者を救援するため、日本赤十字社医療センター(東京)から宮城県に派遣された平塚圭介医師(35)が18日、時事通信の取材に応じた。現場で目にしたのは、経験したことのない惨状と感謝の心を忘れずに必死に生きる人々の姿だったいう。
 平塚医師は地震発生2日後の13日から16日まで、同県石巻市の石巻赤十字病院で診察に当たった。最初に目に飛び込んできたのはフロアにあふれる約500人の被災者の姿。「本当に悲惨としか言えない状況で、桁違いだった」。床に横たわる人、ジャージーに革靴の男性―。津波で運ばれて来たヘドロや汗のにおいが鼻をついた。
 まず、正面玄関のひさしの下にテントをつくり、自力歩行が可能な軽傷患者の診察を始めた。中には点滴などで使用するベッドを四つ置き、常時10人以上を受け入れた。時折、救急搬送のヘリコプターの音で、患者の声すら聞こえなくなった。
 明るい話題もあった。孤立化した地域から助け出された子どもが、わが子を捜していた両親と病院で数日ぶりに再会した。周りの歓声を聞きながら、泣くまいと涙をこらえた。
 一番つらかったのは、診察が終わって患者を送り出すとき。「この人たちはどこにも連れて帰ってもらえないんだ」。そう思うと胸が張り裂けそうになった。寒さもこたえた。日赤のユニホームの上に防寒着を着込んで対応したが、テントとはいえ屋外での診療。患者だけでなく、医師らの体力も奪った。「一番必要だったのは暖房器具と燃料」。そう振り返る。
 「こんな遠くまで来てくれてありがとうね」。平塚医師は、診察を通じて幾度となくお礼を言われたという。こちらも何か言って励ましたい。だが、「頑張って」とはとても言えなかった。「ここにいるから、いつでもいらしてくださいね」。そう言うのがやっとだったという。 
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頑張っている人に頑張ってとはいえない。その通りだと思います。
また、日本人…というか、日本という国の特徴なんでしょうけど、こちらの記事
 【ワシントン時事】東日本大震災の被害や福島第1原発事故が連日、トップニュースで伝えられている米国で、被災者の忍耐強さと秩序立った様子に驚きと称賛の声が上がっている。「なぜ日本では略奪が起きないのか」―。米メディアは相次いで、議論のテーマに取り上げている。
 CNNテレビは、2005年に米国で起きたハリケーン・カトリーナ災害や10年のハイチ大地震を例に「災害に付き物の略奪と無法状態が日本で見られないのはなぜか」として意見を募集。視聴者からは「敬意と品格に基づく文化だから」「愛国的な誇り」との分析や、「自立のチャンスを最大限に活用する人々で、進んで助けたくなる」とのエールも寄せられた。 
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国民に対する賛辞が上がる中、いろいろ政府に対しては言われていますね。
日本という国は確かに略奪などとはあまり縁がない国だと思います。それが多い国であれば「自動販売機」がこんなに(そこかしこに)あるわけがない

ただ、自動販売機をこれだけ設置できるような「安全」と「国民性」を持った国だとは思います。
いい面もあれば悪い面もあります。
ただ、この国民性は…「協調性」の高さは・・・再び協力して行くことでもう一度羽ばたく力となるでしょう。
きっと、また新しい何かを生み出し、新しい世界を作る力となると思います。
第2次世界大戦後の混乱の中、新生日本は歩み始めました
この世界でも最大規模の災害がおき、原子力発電所でも様々な危険が出てきています。
しかし、この危険を乗り越え、新しい何かを再び生み出していく。
例えば・・・原子力発電所・・・。複数の安全弁を持ち、世界で最も安全に作られていたという日本の原子力発電所ですら「自然の力」の前にはなすすべもありませんでした。
 
いずれ枯渇するエネルギー資源。それを補うためにつくられた原子力発電。
 
それを超える何かを生み出すことができれば、日本は再び浮上するのでしょう。
このような大きな混乱を再び経験した日本という国だからこそ、新しい境地に向かうことができると思っています
その中心にいるのはきっと今回の被災地で様々なことを体験し、克服した子供たちになるに違いないと信じています。
繰り返しますが、被災地の人々が復興して行くこと、そしてこれを機会に日本という国が再び羽ばたき始めることを信じます
被災地の人々の苦難の先にある幸福を信じて
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船頭多くして船山に上るでなければ良いのだけど・・・・

2011-03-19 10:41:38 | Weblog

さて、もう一個だけ続けます

 

この記事に関してです。

 

 菅首相(民主党代表)が東日本巨大地震と東京電力福島第一原子力発電所での事故を受け、自民党の谷垣総裁に原発問題担当相としての入閣を要請していたことが18日、明らかになった。

 谷垣氏側は拒否した。

 これに関連し、民主党の岡田幹事長は同日、国会内で開いた「各党・政府震災対策合同会議」で、閣僚の3人増員を柱とする内閣法改正を提案した。3ポストは原発問題担当と復興担当、被災者支援担当が念頭にあるとみられ、野党側も大半は増員には賛成する方向だ。

 谷垣氏への入閣要請は、首相周辺から関係者を通じて自民党幹部に伝えられた。谷垣氏側は「入閣は大連立と同じで、責任の所在が不明確になるだけだ」として拒否した。

 これを受け、首相は与党から新ポストへの起用を目指す意向だ。仙谷由人官房副長官や国民新党の亀井代表らの名前が取りざたされている。

 岡田氏は合同会議で、副大臣、政務官、首相補佐官を増やすことも提案した。
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3人寄れば文殊の知恵とも言いますが、船頭多くして船山に上る…とも言います。
このことわざ二つで大きく分かれるのは「船頭」はまさにリーダーです。リーダーシップを発揮する人が多くてはまとまるものもまとまらない
この非常時であればどちらかというと「強力なリーダーシップ」が発揮できる人が「多くの人の意見を聞き」、それを統括して決定し、物事を迅速かつ正確に行っていくことです
時間が遅くなればそれだけ後手に回ります
医療従事者が大きな意味を持つ医療現場も同じだと思います・・・・
先日、敗血症性ショックの患者が出たと言いましたが、その時に研修医の先生にいいました(普通の研修医の子です)。
「患者さんのVital、身体所見でほとんどプレショックであるのは確実。血液検査BGA、乳酸…その他でまだ血圧が下がっていない段階と言うだけにすぎない。この段階なら救命できるが、明らかになってから動き出しては助けられるものも助けられない。」
この時に言ったか言わなかったかは忘れましたが良く言うことは
「医者という職業でもっとも重要なことは、症状・身体所見だけで患者の状態をかなり把握できる能力。その段階から検査を行うことでより確実に診断に近づける。コンピューターがどれだけ発展しても、診断能力は高い能力の医者にはかなわないと思う」
致命的な段階に入る一歩手前に動き出すことができれば、どうしようもなくなることは少ないと思います。
自分で言うのもなんですが「原疾患」がコントロール不能になっている患者さんを除いて、合併症での死亡率はかなり低いと思う。
ただ、うちの場合は緩和ケアも同時にやっているのがきついのよね。
閑話休題
ということで、今回は自民党などの野党に協力を要請しています。この協力要請は非常に良い姿勢だと思いますが、その代表を中に取り込むことで
メリット
「自民党の協力のもと速やかに対策の基本法案ができる」
「自民党と民主党両方がかかわっているから、政治的な問題では民主党のメリット」
デメリット
「いろいろなことが決まりにくくなる可能性」
ですかね。
だれでもこれは良い話だろうと思うことに反対することはないでしょう。反対することで野党の評判などを下げますので、僕は今のままで「協力する」姿勢を続けていけばよいのだろうと思いますが、
えいやっ
ということが、野党を入れてしまうとやりにくくなる
そういうことなんだと思います。
野党を取り込んでもそれができるリーダーシップを発揮できる人材であれば、それもまた…でしょうが、自分の党内をまとめきれない人がそれをやってしまっては迅速性がより下がってしまうでしょう
だから、人材により適材適所、的確なやり方があるのだろうと思います。
さて、朝食から少したって少しおなかがすいてきました。
昼食+マッサージなどに行こうかしらと思っています。
では、また。
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地震の影響

2011-03-19 10:21:12 | Weblog

こんにちは

この3連休は休暇を頂いておりますが、もともとはどこかに行きたいと思っていましたがいけそうにもありません。仕方がないですけどね。

 

東北の地震のニュースや様々な影響はまだ1週間たっても続いていますね。離れている関東圏内でこれだけ混乱しているのだから、現地はどれほどかと思うところです。

 

ただ、これをきっかけにいろいろなことが発展して行けばと思っています。

 

さて、この地震は医療に関してもいろいろなところで影響が出ています。

 

有名なのは「チラーヂンS」ですね。福島にある工場も保管所もダメージを受けて、他の代替医薬品もないのでさしあたり供給を一人30日までの処方で…と言ってますが・・・。

 

他にも僕らの場合は末梢血幹細胞採取で保存に使用している「CP-1」という製剤がアウト。さしあたり5月いっぱいまでは今あるものの使用期限内ですが…それ以降どうなるか。DMSOを作成して使用するという話も出ていますが・・・・。

また、僕は今現在バンクドナーを5人の患者さんで調整していますが、そのうちの若い子のドナーさん・・・。進んでいたのは東北の人で・・・これまた仕方がないのですが・・・。

 

いろいろな影響が出ています。今日予定されていた退職・栄転の記念パーティも中止。

MRさんが調整に来ていたCMLやMMのシンポジウムなども中止。

 

来月開催予定の日本医学会も中止。

日本内科学会はどうなるのか?

 

いろいろ影響が出ています。

さらに日曜日に続き、木曜日も当直(また、初診担当)だったのですが、救急搬送されてきた患者さんが福島にいたというだけなんですけど…この状況なので混乱しました。

 

理論的に問題ない・・・とはみんな分かっているが、何もしないわけにもいかず放射能測定してから…・搬入

実は自分で使ったことはなかったのですが、使い方を勉強できました。これで以降はいざとなれば僕が自分でやってしまいますが、病院の体制として勝手にそうするわけにもいかず。

 

というか、県の対応もおかしいのですよ。

救急隊→保健所(県衛生?)「福島にいたそうです」

保健所「○○医大の搬送してください」

 

保健所→僕「ということで、患者の受け入れをお願いします」

・・・?

ということで、たまたま遭遇した院長にどちらかというと行政の対応に関して突っ込みと+αをしようとしたら

「君は昨日の話を聞いてなかったのかね?そういう時は○○部をすぐに呼んで診てもらえば良い」

・・・いや、急患って言っても今回は一次救急だと思ったから対応をゆっくりにしたけど、生きるか死ぬかだったら待っているひまないから・・・・

それに言いたいのは何でもかんでもうちに運ばせるな…と言いたいだけで・・・。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

そんなことを思いながら、昨日も空いた時間で論文を書き(一つ目と二つ目を両方書きながら)、22時ころ帰ってきました。

 

さて、今日はどうしよう・・・?

とりあえず、節電のため家ではないところで過ごしてみよう。

 

それでは、また。

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