1.精液は余剰の先天の精である
精子は精液中にあり、精液は腎水中にある先天の精(=腎精とよぶ)から抽出されたものである。つまり精液は先天の精の一部であると古代中国人は考察したらしい。腎精の作用で成長を続け、腎精の量が一定以上になると精液を放出し、卵子と結合することで新たな生命を生むことができるようになる。やがて老化するにつれ、腎精の量が減少するので体力がなくなり、先天の精の消滅で死に至ることになる。
2.勃起
陰茎が充血して固くなるのは、肝の作用である。肝は血の一時貯蔵庫であるが、勃起の際は、肝にある血を放出し、血液循環量を多くして陰茎を固くする。むろん、血虚の場合には、肝の血を放出しても、陰茎を固くするまの血量増加には至らない。
3.病証
1)湿熱
内臓が湿熱(≒熱中症状態)になれば、本来の機能を果たすことができなくなる。とくに男性生殖器は、湿熱に弱いので外気に露出して、冷やされる構造になっている。要するに陰部が蒸れた状態になる。
2)命門火衰(=腎陽虚) (老化によるインポテンツ)
命門火衰は、インポテンツを生ずる最多病証である。老人になると、新しい生命を生む力(精子の放出)がなくなるのは当然として、自分自身を健康に保つための生命力さえ不十分になりがちである。これは先天の精の量の問題に他ならない。
上図に示すように、蒸し器を温める火力が少なくなると、腎水の温度もあまり上昇しない(=腎陽虚)。脾から新たな水を腎水に注ぎ込むと、余計に腎陽虚が進行するので、脾からの水の流入を制限せざるを得ない。しかしこの状態では腎水中に含まれる後天の精の成分が少なくなり、先天の精を滋養できなくなり、先天の精の量も不足してくる。
このような場合、自分の生命を守るため、先天の精を漏らすわけにはいかなくなる。
3)心脾両虚(体力気力不足で生じたインポテンツ、女性では更年期障害)
食物を蒸し器に入れると、そこから出てくるのは、蒸気と血液(脾にて食物中の脂肪から製造)である。気の不足は腎水減少や命門火の衰退による蒸気力低下によるもので、血の不足は脾の機能低下(脾気虚)、すなわち食物中の脂分から血を抽出できないことによるものである。血は五臓六腑を動かす燃料として利用されるが、ことに心に血が行かなくなると、心のもつ大脳辺縁系機能(本能と情動)が異常となるり、自律神経失調症状態になる。これが心脾両虚である。血の乱れから生じた自律神経失調状態とは、現代でいう更年期障害に一致するであろう。
※よく夢をみる原因→心血不足
身体の陰が陽を上回れば睡眠状態になる。したがって陰虚では寝つきが悪くなる。心が活発に働くのは覚醒時であり、夜間睡眠時には心が休息する。夜間睡眠時に、心が休息するのは、陰である血が心臓に多く行くからだが、心血不足の時は、心の陰が不足し、あたかも半覚醒状態となる。他の組織は夜間状態であるのに、心だけ覚醒状態に近くなるという意味は、夢をみるということである。
前記した心脾両虚でも、よく夢をみるという症状が出現する。
精子は精液中にあり、精液は腎水中にある先天の精(=腎精とよぶ)から抽出されたものである。つまり精液は先天の精の一部であると古代中国人は考察したらしい。腎精の作用で成長を続け、腎精の量が一定以上になると精液を放出し、卵子と結合することで新たな生命を生むことができるようになる。やがて老化するにつれ、腎精の量が減少するので体力がなくなり、先天の精の消滅で死に至ることになる。
2.勃起
陰茎が充血して固くなるのは、肝の作用である。肝は血の一時貯蔵庫であるが、勃起の際は、肝にある血を放出し、血液循環量を多くして陰茎を固くする。むろん、血虚の場合には、肝の血を放出しても、陰茎を固くするまの血量増加には至らない。
3.病証
1)湿熱
内臓が湿熱(≒熱中症状態)になれば、本来の機能を果たすことができなくなる。とくに男性生殖器は、湿熱に弱いので外気に露出して、冷やされる構造になっている。要するに陰部が蒸れた状態になる。
2)命門火衰(=腎陽虚) (老化によるインポテンツ)
命門火衰は、インポテンツを生ずる最多病証である。老人になると、新しい生命を生む力(精子の放出)がなくなるのは当然として、自分自身を健康に保つための生命力さえ不十分になりがちである。これは先天の精の量の問題に他ならない。
上図に示すように、蒸し器を温める火力が少なくなると、腎水の温度もあまり上昇しない(=腎陽虚)。脾から新たな水を腎水に注ぎ込むと、余計に腎陽虚が進行するので、脾からの水の流入を制限せざるを得ない。しかしこの状態では腎水中に含まれる後天の精の成分が少なくなり、先天の精を滋養できなくなり、先天の精の量も不足してくる。
このような場合、自分の生命を守るため、先天の精を漏らすわけにはいかなくなる。
3)心脾両虚(体力気力不足で生じたインポテンツ、女性では更年期障害)
食物を蒸し器に入れると、そこから出てくるのは、蒸気と血液(脾にて食物中の脂肪から製造)である。気の不足は腎水減少や命門火の衰退による蒸気力低下によるもので、血の不足は脾の機能低下(脾気虚)、すなわち食物中の脂分から血を抽出できないことによるものである。血は五臓六腑を動かす燃料として利用されるが、ことに心に血が行かなくなると、心のもつ大脳辺縁系機能(本能と情動)が異常となるり、自律神経失調症状態になる。これが心脾両虚である。血の乱れから生じた自律神経失調状態とは、現代でいう更年期障害に一致するであろう。
※よく夢をみる原因→心血不足
身体の陰が陽を上回れば睡眠状態になる。したがって陰虚では寝つきが悪くなる。心が活発に働くのは覚醒時であり、夜間睡眠時には心が休息する。夜間睡眠時に、心が休息するのは、陰である血が心臓に多く行くからだが、心血不足の時は、心の陰が不足し、あたかも半覚醒状態となる。他の組織は夜間状態であるのに、心だけ覚醒状態に近くなるという意味は、夢をみるということである。
前記した心脾両虚でも、よく夢をみるという症状が出現する。