AN現代針灸治療

ANとは「にただあつし(似田敦)」のイニシャルです。現代医学的知見に基づいた私流の針灸治療の方法を解説しています。

痔疾の針灸治療 ver.3.0

2023-09-15 | 腹部症状

本内容は、令和5年10月15日奮起の会「下部消化器症状」で使用する現代針灸実技テキストからの抜粋になります。

1.痔疾の基礎的原因

肛門部における炎症を起こす攻撃因子が、肛門周囲の免疫力を上回った場合に痔となる。攻撃因子としては排便異常とくに便秘があり、免疫力低下因子としては疲労・ストレス・冷え・飲酒などがある。痔核・痔瘻・裂肛が、痔の三大疾患になる。

基本的訴え:内痔核→出血、外痔核→排便時痛、裂肛→排便時痛、痔瘻→痒み
※痔を「ぢ」と書くのは誤りで、正しくは「じ」である。「痔」は肛門静脈腫瘤ことで、それ自体は健常者にもあって疾患を意味しない。


2.痔核(いぼ痔)

1)病態生理(肛門上皮滑脱説)

痔核とは、血管が拡張・蛇行した静脈瘤様病変で、大便の摩擦により静脈瘤の支持組織が滑脱した結果が内痔核だとする。現在主流の学説である。

※旧説:血管起源説

人間は直立するので、静脈環流は四足動物より悪くなる。とくに直腸~肛門管の静脈(上・中・下直腸静脈)には静脈弁がないため、粘膜下の内痔静脈叢が鬱血し、静脈瘤を形成しやすい。排便痔の肛門周囲の静脈叢伸縮→静脈血管の弾性消失→静脈鬱血(血栓)という機序。排便時のイキミにより、直腸下部と肛門にある静脈血流が一時的に止まり、これが静脈瘤ができる原因となるという説。しかし今日では、肛門部の静脈瘤は誰にでもあり、それは便のストッパーとしての役割を果たしていることが明らかとなった。


2)分類と症状


痔核は歯状線を境として外痔核(少数)と内痔核(大部分)に大別され内痔核の方が圧倒的に多い。歯状線から内側は腸粘膜なので知覚はない。ゆえに内痔核は痛むことはないが、圧迫されにくい部なので出血は止まりにくい。内痔核は1度(軽度)~4度(重度)に細分化される。歯状線から外側は陰部神経の知覚支配なので、外痔核は痛むが、圧迫される部位なので出血は止まりやすい。 

※脱肛とは直腸や肛門の一部が肛門外に脱出することで、内痔核が進行して、それを覆っている粘膜ごと肛門外に脱出した状態である。
※アルコールを飲むと痔が悪化するというのは、静脈腫の血流が良くなり、腫瘤が拡大するため。かつて上直腸動脈から肝臓に行く静脈血液量が問題視されたが現在は否定されている。

3)現代医学的治療



①内痔核


1度:温罨法や鎮痛座薬治療


2度:内痔核硬化療法。注射薬であるALTA(商品名:ジオン注)を内痔核に注射して、核内に流れ込む血液量を減らして痔を硬くし、直腸粘膜に癒着固定させる。注射は内痔核(知覚がない)部    に行うので、痛むことはない。2~3日の入院が必要。


3度以上:結紮切除術。腰椎麻酔下で、内痔核に注入動脈を根元の部分でしばり、痔核を放射状に部分的に切除。1〜2週間程度入院が必要。

※昔の内痔核の手術は、ホワイトヘッド手術といい、痔核だけでなく、周囲の肛門上皮も全てリング状に取り除いてしまうものだった。この手術は非常に痛いため、患者に怖れられていた。  後遺症として腸の粘膜が、かなり手前まで下がってくる脱肛状態となり後遺症も問題だった。
 

②外痔核:硬化療法が使えないので、局所麻酔して痔を切開摘出。 


2.痔瘻

1)病態生理

肛門小窩(歯状線の凹んだ部分)に糞便が付着

→炎症を生じて肛門周囲に膿が溜まり非常な痛みと発熱(=「肛門周囲膿瘍」状態)
→膿疱が破れて後、管状の空洞(瘻管)ができる
→この瘻管から細菌侵入し炎症を惹起する。

2)症状:肛門掻痒感、下着が汚れる
3)現代医学治療:管の入口と瘻管を結紮する手術以外にない。針灸不適応。


3.裂肛(切れ痔)

1)病態生理

排便の際の肛門部外傷。とくに硬い便をいきんで排泄する際に生じやすい。破れるのは歯状線と肛門縁間にある1.5㎝くらいの部位。

 排便時刺激による会陰神経の興奮
 →内括約筋の痙攣
 →これがトリガーとなりさらに陰部神経興奮し続ける。

2)症状と現代医学的治療

排便時の激痛と出血。排便後もしばらく続く痛み

外傷程度が軽い場合は便を軟らかくしておけば自然治癒する。
しかし硬い便を繰り返し出すと同じ部位が何回も切れ、肛門潰瘍となり肛門が狭くなり、このためさらに切れやすくなるという悪循環が生じる。この場合には潰瘍部分の切除が必要。


4.痔核の針灸治療
痔疾で針灸が有効なのは、痔核と軽度の裂肛のみだだろう。そして軽度の裂肛であれば針灸に来院しなくても何とかなるから、実際には痔核治療のみであろう。痔瘻は針灸は効果ない。

1)肛門周囲圧痛点からの刺激 (国分壮・橋本敬三共著「鍼灸による速効療法」医歯薬1965年4月)
 痔核は肛門周囲に分布する静脈鬱血を改善させ、併せて肛門挙筋(陰部神経運動支配)の過緊張を緩め、肛門付近の皮膚を知覚支配している陰部神経興奮を緩和する方針で行う。
 
①鬱血した痔静脈に対する直接刺激
仰臥位でズボンとパンツを膝あたりまで下ろすよう指示。患者は大腿を持ち上げ、術者は肘で患者の下腿後側を押さえてこの体勢を保持。術者はゴム手袋を装着して、患者の肛門周囲を押圧し、硬結圧痛(=静脈腫瘤のあるところ)を発見。このシコリめがけて太く長い針で刺入する。するとズキッと響くが、抜針後の痛みは大幅に軽減する。要するに痔静脈の鬱血が改善される。
灸治療では、有痕灸は使わない。太い線香や蚊取り線香、たばこ灸などで肛門周囲のしこり部を加熱する。ある程度火を近づけると、ポカポカして気持ち良く感ずるが、さらに火を肛門に近づけるとアチッといって驚くので火を遠ざける。これを5~6回繰り返す。 
   
②患者心理的に肛門周囲の痔核を触診することがしづらい場合、仙骨骨外端に長強穴をとり、そこから外方3㎝。直刺で2寸ほど深刺する。肛門挙筋中に入る。この刺針は肛門静脈叢にも影響を与え、静脈鬱血を改善さえる作用もある。普通は10分間程度置針する。
 

2)孔最の灸

①澤田流孔最の取穴 
前腕長を1.25寸と定めた時、尺沢の下3寸。標準孔最の2.5寸上方。孔最のツボ反応は痔核の位置によって上下に移動する。指先の按圧感によって、その最高過敏点の硬結を取穴する(代田文誌)。

②適応
痔痛・痔核・痔出血・痔瘻・裂肛。脱肛には効かないこともある。灸治が適する(代田文誌「鍼灸治療基礎学」より)。

③孔最刺激の肢位(三島康之「今日から使える身近な疾患35の治療法」より)
痛みを我慢する姿勢は、歯を食いしばり、上下肢を含め全身に力を入れた状態になる。昔の排便スタイルはでは、膝を相当窮屈にまげた姿勢で、手は自然と結ばれ、前腕は屈筋に力が入った姿勢で、前腕屈筋群では、孔最穴あたりから手首に向かって一番力が入った状態になる。この体位で孔最を刺激するとよい。

④左右の沢田流孔最の移動反応(小島福松:痔疾、現代日本の鍼灸 医道の日本300回記念)
左右孔最の調べて、圧痛や硬結の多い方が患部である。まず硬結を目標に5~7壮施灸する。そしてその灸痕は、翌日になれば必ず移動している。毎日移動している硬結を求めて、その中心に施灸する。そのうち硬結の移動が止まる。この時が治癒の近づいた時である。痔痛が除かれても孔最の穴の移動している間は血齲したとはいえない。だいたい2~5週間くらいを要する。3ヶ月要した例もある。

 

 


ボアス圧診点について ver.1.2

2023-09-10 | 経穴の意味

1.ボアス圧診点は胃・十二指腸潰瘍の反応点として広く知られている。ボアス圧診点の位置は、原著によればTh10~Th12椎体の左側になっている。
上部消化器の所属デルマトームはTh5~Th9だが、圧痛点は押圧して求めるものなので、ミオトームの問題と解釈すれば、ほぼ合致していると考えるべきだろうか。
それにしてもボアス圧痛点は「椎体の左側」という漠とした説明であって、これを起立筋上すなわち背部兪穴ラインで、棘突起の外方1.5寸の処だと解釈する者は多いと思う。

2.一方、意舎は胃倉は、ボアス圧診点の外下方にある。沢田流では胃痙攣(今日でいう胆石痛)の治療点として有名な穴であり、本穴の刺針で強力な鎮痛作用をもたらすことが多い。
ボアス圧診点と意舎・胃倉に共通するのが腰方形筋である。腰方形筋は第12肋骨を起始としているので、上記部位の圧痛反応は、腰方形筋の緊張を診ているのだろうか。
すなわち、胆石痛→交感神経興奮→脊髄→交通枝→体性神経興奮→腰方形筋緊張という内臓体壁反射である。とするなら、棘突起の外方3寸が正確なのかもしれない。

 ※代田文雑誌は、胃倉(Th12棘突起下外方3寸)を日常繁用だとし、胃痙攣、胆石疝痛に著効があると記している。また意舎(胃倉の上方1寸)の効能も、胃倉と殆ど同様だとしている。胃痙攣(現代でいう胆石痛)'の場合の圧痛点は、この意舎よりも五分ほど内下方に寄った筋間に現れることが多いという。(「鍼灸治療基礎学」より)

 

3.右ボアス圧痛点

ボアス圧痛点は左側が有名だが、右にもあって、「右第9、第10胸椎横棘突起の外方3㎝をボアス胆嚢点とよび、胆道疾患で出現する」という。ただしこの資料は中川嘉志馬著、守一雄改定「触診と圧診」金原出版、1955(絶版)によるもの。「石川太刀雄著内臓体壁反射」には<Th12すぐ右側>となっている。このあたりが不明瞭だったので海外のネット検索して確かめることにした。
ちなみに書籍「触診と圧診」は絶版ながら、鍼灸師が読むべき本。古書で発見したら購入をお勧めする。私は当時、新宿の紀伊国屋書店で1700円で購入した。

 

4.再びボアス徴候について

  LIFE IN THE FASTLIANEによれば、イスマール・イシドール・ボアス (1858 – 1938) はドイツの消化器病学者であった。
欧米でのボアス徴候は、胃十二指潰瘍よりも,、むしろ
胆嚢疾患の方を中心に記載されていた。


急性胆嚢炎時のボアス徴候

Th10 ~Th12 棘突起の右側の領域にある点の圧痛領域。正中線から右に 2 ~ 3 横指の位置から横方向に、後腋窩線に向かってのびる圧痛点。
上記の「触診と圧診」の本の内容は正しく、棘突起の直側ではなく、横突起あたりがら広範囲で圧痛が出てくることを知った。なお別の海外文献によると、この背部圧痛点の斜め上方の棘突起からの脊髄神経後枝の走行上の反応であって、Th7~Th8棘突起直側(いわゆる背部一行)を刺激すると効果的なことが予想される。


胃腸潰瘍時のボアス徴候

Th10 ~ThT12 左側にある圧痛。脊椎のすぐ左側、Th 12 脊椎に近い圧痛点。
※胃潰瘍でのボアス圧痛点は、棘突起の外方3㎝くらいで起立筋の最大隆起部をとると思っていたが、これは間違いで棘突起の直側を診ることを知って驚いた。鍼灸治療ではTh10 ~ThT12棘突起直側への刺針が有効になると思われた。


乳根・膻中・中庭・歩廊のツボ名由来

2023-09-06 | 経穴の意味

両乳間を結んだ胸骨体中央に膻中(任)をとり、その下1寸には中庭(任)がある。
中庭の外方2寸に歩廊(腎)をとり、歩廊のさらに外方2寸に乳根(胃)をとる。
以上の経穴の中で歩廊以外は、基本的ななツボであり、取穴の基準点ともなっている。

1.乳根
乳根の穴名由来は、自明なの省略する。左乳根は心尖拍部(=虚里の動?)であり、古典では胃の大絡として認識されたと考えている。これについての説明は、筆者のブログ参照のこと。

胃の大絡と脾の大絡の考察 2023.6.9
https://blog.goo.ne.jp/ango-shinkyu/e/f1b72a840a5c85aa0f5a2b07a07414f0


2.膻中
「膻」とはヒツジのように生臭いのこと。膻中は乳頭の間にあるので、仰臥位で寝ている時などに乳頭から母乳が漏れ出て、膻中に溜まりやすいことから命名した。生臭いのは溜まった乳汁の臭いだろう。


3.中庭

中庭のすぐ上には胸骨体が隆起している。胸骨体は深部に心臓があって非常に重要な場所なので、その高貴な場所に続く庭という意味になる。これが外庭ではなく中庭としたのは。胸骨体から外れたとはいえ、左右肋骨弓間にあり下には剣状突起があるので、ここはまだ宮殿の敷地内という認識だろう。

 

4.歩廊
歩廊穴のツボ名由来についていろいろな参考書を開くも、しっくりくるものがなかったので、自分で考えてみた。
歩廊は、もとは建築用語で、二列の柱をつなぐための細い通路という意味がある。現代では工事現場の足場のようなものであり、歩道橋(少々立派すぎるが)もこのたぐいになる。

歩廊穴は肋骨軟骨縁にあり、左右歩廊の内側は陥凹して下にが剣状突起がある。
また左右歩廊は腹直筋停止部により連結している。このことを踏まえると次のような位置関係が得られるだろう。以上、歩廊の由来を簡単にまとめると、左右の肋軟骨が腹直筋停止で連絡している部位といえると思われた。

 

 

 

歩廊の例


腸症状に対する遠隔治療穴の原理

2023-09-02 | 腹部症状

※本ブログ内容は、令和5年10月15日、針灸奮起の会「内科症状の現代針灸」、<第2章、中・下部消化器症状の現代針灸>の原稿から抜粋したものです。

1.下腹部臓器の体壁反射表の見方
    
  
①内臓は交感神経と副交感神経という2つの自律神経で制御されている。どちらが優位であるかは定まっており、胸腰系内臓は交感神経優位、頭仙系内臓は、副交感神経優位になる。
  
②上表の見「虫垂・上行結腸:Th9~Th11(+)前、骨盤神経(-)」との意味は、Th9~Th11デルマトーム交感神経優位であり、体幹前面に反応は出現する一方、副交感経支配は優位ではないことを示す。

③ Th9~Th11デルマトーム交感神経反応は、皮膚のザラツキ、冷え、発汗などの皮膚所見となり、診察上見逃されやすい。しかし交感神経興奮がある閾値を超えると体性神経に刺激が漏れ出すので、体性神経デルマトーム反応である皮膚の痛みやコリなどの所見として反応が出現し触知しやすい。

④体性神経デルマトームとは末梢神経皮枝分布のことで、神経が深層から浅層へ現れる部に反応が現れやすい。そえは背部では起立筋、腹部では腹直筋上にコリや痛み反応として現れる。この皮枝をつまむと、皮下筋膜が癒着している部ともいえる。 

⑤なお、交感神経デルマトームと体性神経デルマトームは体幹では同じ分布としてよいので、実際には交感神経デルマトーム図は使われず、体性神経デルマトームで代用されている。

⑥「虫垂・上行結腸」「小腸(空腸・回腸)・大腸(横行結腸・下行結腸)」の体壁反応を図示すると次のようになる。

 

⑦交感神経反応は、体性神経反応に漏れ出すと説明したが、体性神経の神経の主要枝を刺激るので、腹部内臓では、Th12より上位ではでは肋間神経が興奮となり、L1~L3は腰神経叢反応として腰部と大腿前面に反応が現れる。
たとえば血海はL3デルマトーム上なので、血海には小・大腸の反応が現れる。梁丘はL4デルマトームで、仙骨神経叢領域(L4~S3)となるが、これも腰神経叢反応の誤差範囲なので、小・大腸の反応が現れるとしてよいだろう。


  


⑧ 冒頭の表で「S状結腸~直腸 L1~L2(-)、骨盤神経反応(+)」とは、交感神経反応として鼠径部に現れることになるがこの反応は優位はなく、副交感神経優位なので、仙部副交感神経反応として、八髎穴に反応が出現する。
骨盤神経を含む副交感神経反応は、体性神経反応のように圧痛硬結は現れない。下図では骨盤内体性神経刺激点として多用する陰部神経刺針や陰部神経刺激目的の中極刺針もつけ加えた。

今回のブログは内臓治療について記しているわけだが、内臓に響かせる針というのは、体性神経の知覚成分を刺激した結果といえるだろう。内臓を自分の意志である程度コントロールできる部分は、運動神経コントロールとしての呼吸運動(横隔神経)と尿便我慢(陰部神経)の2つしかない。これに内臓に響いたような感覚が得られる肋間神経が加わる。

 

 

 

2.柳谷素霊による胃カタルに対する梁丘刺針の技法
  
梁丘穴は胃痛に効き、血海が婦人科で血に関係する病に効くという話を耳にすることは多いが、実際の針灸治療に使えるほど効果が高いのだろうか。効く確率は実際は意外に低いのではないかという気持ちもある。効かせるには、コツがあるのかもしれない。柳谷素霊著「胃カタルの鍼灸法」柳谷素霊選集下よりの中で、梁丘の刺針ついて書かれている箇所がある。以下引用文。


胃カタルとは現代の胃炎に相当するが、とくに嘔吐を繰り返すものをいう。

大腿外側の大腿直筋の外縁で、下肢を伸ばしてウンと力を入れると凹むところに梁丘を取穴。下方から上方に向けて、大腿直筋外縁下に針尖が入るような気持ちで斜刺する。この時、患者には息を吸わせ、なるべく手足をキバるよう力を入れさせて刺入、針を進ませるのは吸気時行い、呼気時には針を留め、または力を抜く(呼吸の瀉法)。このようにして徐々に進め針響きが腹中に入ると患者が訴えれば、病の痛みが次第にうすらいでくる。腹中に響かない場合、弾振(ピンピンと針柄をゆっくりと弱く弾ずる)すれば、やがて疼痛は軽減する。