AN現代針灸治療

ANとは「にただあつし(似田敦)」のイニシャルです。現代医学的知見に基づいた私流の針灸治療の方法を解説しています。

三陰交の治効理論と適応症、至陰・裏内庭・失眠との比較 ver.1.4

2020-11-25 | 経穴の意味

1.三陰交の適応と治効理由

三陰交は足内果の上方3寸の脛骨内縁を取穴する。足の三陰經である脾経・腎経・肝経の交会する部なので、三陰交と命名された。古来から産婦人科症状に対して、三陰交刺激が多用されてきたという。
※このような經絡走行からの説明が成立するとすれば、前腕屈筋側にある三陽絡は手の三陽経(大腸経、三焦経、小腸経)が交わる処なのに、治療穴としては比較的マイナーである理由は何故なのだろうか。

1)S2デルマトーム上にあること



デルマトームとしては八髎穴と同じような使い方ができる。
子宮体部はTh12~L2、子宮頚部はS2~S4、卵巣がTh10、卵管はTh11~Th12との脊髄分節が支配している。この観点からは三陰交や八髎穴(次髎や中髎)の産婦人科領域の治療対象は子宮頸部であると思われた。

 

2)伏在神経支配であること

三陰交のある下腿内側領域の皮膚は伏在神経が知覚支配している。伏在神経は大腿神経の終末枝で、大腿神経は腰神経叢(L1~L3)を構成する。
腰神経叢からは腸骨下腹神経や腸骨鼡径神経が出て、鼡径部や下腹部を知覚支配しているので、これらの痛みの際に刺激する用途がある。伏在神経は皮膚知覚支配なので、興奮性を調べるには、皮膚を撮診(皮膚をつまむようにして過敏点を調べる)を使うとよい。三陰交には、灸や皮内針などの皮膚刺激が適する。なお三陰交は筋肉は長指屈筋や後脛骨筋(ともに脛骨神経の運動神経)で脛骨神経が深部を走行している。
以上の検討から、三陰交を含む下腿内側の皮膚痛覚異常は、腰神経叢刺激を行うことが妥当であり、たとえば外志室穴からの腰仙筋膜深葉刺激(大腿神経刺激でもある)などを行う方法がある。

※上の2つの診察着眼点の利用法(初学者のために)

身体表面は、デルマトームと末梢神経分布という2種類の診察要因がある。今回の例ではデルマトームがS2、末梢神経分布が伏在神経ということになった。初学者にとっては、どちらを診察の基準におけばよいのか迷うかもしれないので捕捉説明したい。症状が脊髄を介して出現するものはデルマトームを基準とし、たとえば神経根症状や内臓症状がこれに該当する。末梢神経症状の場合はもちろん、末梢神経分布を基準とする。たとえば胸廓出口症候群や手根管症候群時の上肢症状や梨状筋症候群の下肢症状がこれに相当する。

ところで月経痛は一見すると内臓症状すなわちデルマトームを治療根拠とするかのように見えるが、実は体性神経症状である。一昔前のテレビCMで<頭痛・歯痛・生理痛にセデス>というスローガンがあった。セデス・ボルタレン・ロキソニン等は鎮痛剤で体性神経痛に使う(一方腹痛は内臓痛であり、腹痛改善には鎮痙剤としては古くからブスコパンを使う)。そして体性神経痛に対して鍼灸は有効なのである。腰痛や膝痛は体性神経痛の典型といえる。

2.三陰交刺激の適応

1)三陰交皮内針は、下腹痛を軽減する

月経痛の治療で、腰部反応点のみに皮内針治療をすると、たいていは腰痛・下腹痛ともに消失するが、なかには下腹痛のみ残存することがあり、このような場合には三陰交に皮内針を追加することで下腹痛は消失できると高岡松雄は記している。

尾崎昭弘らは、月経期女子の硬い内側の脛骨縁や腓腹筋上に痛覚閾値低下することを明らかにし、このような被検者の腎兪や大腸兪に刺針すると、経時的に上昇することが明らかにした。さらに腰部の圧痛は、三陰交刺針すると、大腸兪よりも腎兪の方が疼痛閾値が高まった。
<尾崎昭弘ほか著「鍼刺激により女子の下腿と腰部の疼痛閾値(圧痛)の変化に関する研究、明治鍼灸医学、創刊号:65-74(1985)>

 

 

2)三陰交には月経困難症の予防効果がある 

①機能性月経痛は、思春期の若年女性に多くみられる。子宮頚部の緊張が硬く強い場合、月経血を通すには子宮頚部を無理にこじ開ける結果、痛みが生ずる。このような場合、子宮頚部の緊張をとることができれば月経痛も改善するので、三陰交刺激が有効となることが多い。妊娠初期に三陰交刺激が禁忌とするのは、子宮頸部を緩めることで、堕胎につながることを危惧しているのだろう。

②日産玉川病院の遠藤美咲、奥定香代子らは20名の月経困難を訴える看護師に対し、週1回皮内針を交換する方法で、3周期の改善度を調べたところ、著効10%、有効45%、やや有効30%、無効15%となり、半数以上の者にして月経困難症を半分以下に抑えることができた。普段体調が良い者ほど効きがよく、治療前の月経困難症の程度が軽い者ほど有効性が高かった。(医道の日本誌)
 
③月経痛はプロスタグランジン産生による子宮頸部平滑筋の収縮によるとされるが、末梢神経ではS2以下の脊髄神経興奮が症状をもたらしていることが多いとする研究もある。針による月経痛鎮静作用は、子宮収縮の程度を弱めるのではなく、関連痛の鎮痛によるもので、脊髄神経の興奮緩和が針の治効理由である。ゆえに、陰部神経刺針点・中髎・中極などの刺激が効果的となる。
 

3.類似の穴との比較

1)至陰

足の第5指爪甲根部外側1分に至陰をとる。至陰はS1~S2デルマトーム領域である。子宮体部はTh12~L2デルマトーム、子宮頚部はS2~S4応が現れるとされる。すなわち子宮頚部と子宮体部の中間的存在で、ここでは子宮全体に関係すると捉えることにする。
至陰へ施灸すると、子宮動脈と臍動脈の血管抵抗が低下することが観察される。この現象は、子宮筋の緊張が低下したことを示唆している。つまり、至陰の灸は子宮筋の緊張を緩め、子宮循環が改善することにより、胎児は動くやすくなり(灸治療中に胎動が有意に増加することが確認されている)、矯正に至るのではないかと推察される。
 (高橋佳代ほか:骨盤位矯正における温灸刺激の効果について、東京女子医大雑誌、65,801-807,1995)


2)裏内庭

①足の第2指を深く屈曲させ、足指腹の中央が足底皮膚に触れた部に裏内庭をとる。内庭は急性食中毒による下痢・下腹部痛に効果があるとする説は広く知られている。裏内庭は主にL4~L5デルマトーム領域だが、裏内庭の外側にはS1~S2デルマトームがある。一般に肛門に近い病変ほど症状が激しくなるので、裏内庭は直腸~下部大腸の病変をカバーする。同じことは三陰交にも言え、子宮頸部平滑筋の緊張による痛みに効果あるのではないだろうか。

②食中毒時に裏内庭に施灸しても熱くは感じないので、熱く感じるまで(百壮ほど)、多壮灸をするという旨が伝わっている。しかし筆者が牡蠣の急性食中毒で腹痛下痢になった際、裏内庭に灸したが、数壮目からすでに熱くなったため、施灸中止した経験がある。


3)失眠

①不眠のことを中国語で失眠とよぶ。失眠穴は踵中央に取穴する。不眠症と踵骨とは現代医学的にどう考えても関連性はないようだが、頭蓋骨とは対極の部位に踵骨があり、足裏側から踵骨をみると、踵骨隆起に頭蓋骨のような半球様と滑らかさがあるので、整体観的に踵と頭蓋骨は関係があるかもしれする考えたかもしれない。何例か患者に失眠の灸を試み、効果ないので行わなくなったが、症例集積を読むと効果のあった例が提示されている。難しいのは、日中に治療室で失眠に灸を行い、その夜に睡眠効果を発揮するという時間差の問題がある。



②通常は温灸を行う。踵や手掌は角質層が厚いので、土鍋を火で温める時のように、施灸時の熱感が到達しにくい。施灸して最初は熱く感じないが、数壮後に突然熱くなるので注意が必要である。

③踵脂肪体萎縮症

失眠は、踵脂肪体萎縮(=踵脂肪褥炎)の際、歩行時痛が出現し、痛みのため歩行困難になりやすい。
脛骨神経分枝の内側足底神経踵骨枝が、踵骨底と床に圧迫されて痛むのが直接原因。踵のクッションである脂肪体が薄くなって弾性を失った状態。踵脂肪体減少の原因は不明。通常はテーピングにて薄くなった踵中央部の脂肪を盛り上げる施術が直後効果もあって、テーピングを続けることで自然と痛みは軽減する。 


④利尿作用

踵中央にある失眠穴に灸刺激すると尿量が増えることが深谷伊三郎(「お灸で病気を治した話」に記録されている。足ツボ療法では足のむくみがとれるともいわれているが、これも利尿作用と関係しているのだろう。ただし腎不全で下肢浮腫がある患者に対して失眠灸をしてみたが、やはりというべきか効果はなかった。
フェリックスマン著「鍼の科学」には、足部とくに踵部と泌尿器の関係が興味深いことが記されている。「尿道と足とは、おそらく同一または隣接したデルマトームに属しているのだろう。多発性硬化症患者の踵を鍼で刺すと、排尿が起こることを観察している」とある。多発性硬化症は中枢神経疾患であって、頻尿に傾くのは上位排尿中枢(延髄)の機能低下した結果、下位中枢興奮を制御できなくなった結果であろう。

 

 


胸郭出口症候群の針灸治療 ver.1.6

2020-11-23 | 頸肩腕症状

 胸郭出口症候群という診断は針灸師サイドではよくつけられるが、整形外科医はあまりつけたがらない。そのその理由をある整形外科医に質問すると、真の胸郭出口症候群であれば、絞扼部位を広げるような手術が必要な筈であり、安静や理学療法で改善するのであれば、その病態は軟部組織障害である。軟部組織障害であれば、通常の頸腕症候群の理学療法と同じなので、あえて胸郭出口と診断する意義はないとのことだった。

ただし針治療あるいはMPSの筋膜注射では、絞扼部位に対するピンポイント治療をしないと効果があまりないので、正しい治療のために正しい診断が必要となる。「正しい診断」とは、第1に頸腕症候群との鑑別、第2に胸郭出口症候群所属の頸肋・斜角筋・肋鎖・過外転症候群のどれかという判別である。これら4つの細分化された病名の鑑別は、教科書(国家試験問題はここから出題)的には理学テストで判別する建前になっている(本当は理学テストだけでの判別は限界がある)。

1.胸郭出口症候群の概要

1)定義
胸郭出口部における腕神経叢と鎖骨下動静脈の絞扼障害をいう。かつては頸腕症候群に分類されたが、現在では独立した症候群になる。

2)症状

上肢の痛み、上肢のしびれ・だるさなど。
①上肢の痛みは、ピリピリ、ジリジリといった灼熱様で末梢神経分布に従う。
※神経根症状では、デルマトームに従った知覚鈍麻が起こる。
②鎖骨下動静脈も圧迫されるので、上肢は冷えを伴うことが多い。
※神経根症状では、血管症状は伴わない
③ルーステスト(3分間挙上テスト)陽性

2.胸郭出口症候群の分類

2.胸郭出口症候群の分類 

絞扼部位により、次の4つに細分化される

 1)頸肋症候群
第7頸椎横突起が延びて肋骨化した先天性奇形。低頻度。上肢やその付け根の上肢帯の運動や感覚を支配する腕神経叢は、頚神経から第8頚神経と第1胸神経から形成されるが、頚肋がある者は、第4頚神経から第8頚神経根から形成されることが多い。
腕神経叢の神経絞扼障害が生じる。鎖骨下動脈が絞扼されるか否かは場合により異なる。鎖骨下静脈は圧迫を受けない。

 



2)(前)斜角筋症候群
斜角筋裂隙(前斜角筋、中斜角筋、第1肋骨で囲まれた部位)を腕神経叢と鎖骨下動脈が走行している。前斜角筋緊張のため、これらの神経と動静脈が絞扼された状態。鎖骨下静脈は絞扼されない。
 モーレーテスト(+)、アレンテスト(+)、アドソンテスト(+)


3)肋鎖症候群
鎖骨と第1肋骨の間隙から、腕神経叢と鎖骨下動静脈が出て、上肢に向かっている。この間隙が狭くなることにより、神経血管絞扼障害を起こした状態。低頻度。エデンテスト(+)

4)過外転テスト(小胸筋テスト)
小胸筋と肋骨間の間隙を腕神経叢と鎖骨下動静脈が走り、上肢へと向かっている。上腕外転時に、小胸筋の烏口突起停止部で、腕神経叢と鎖骨下動静脈が絞扼された状態。ライトテスト(+)


3.胸郭出口症候群の針灸治療

上肢症状が知覚鈍麻でなく、知覚過敏であり、上肢痛のみ訴え、で頸痛がない場合には、胸郭出口症候群を疑う。理学テストはルーステスト以外はあまり信頼性がなく、ルーステストは実施に時間がかかるので、圧痛点の所在から診断し、即治療とする方が実際的であろう。

なお1980年頃から、胸郭出口症候群の98%は、神経系圧迫の問題であって、血管圧迫の病態はわずかだとする認識に変化した。脈拍の消失を診るテスト(ライトテストやアドソンテスト)の有用性は否定されている(健常者でもよく陽性になる)

私の経験によれば、胸廓出口症候群の中の、前斜角筋症候群が大半であり、たまに過外転症候群も来るといった印象である。前斜角筋症候群の診断のためには、モーレーテストを使用し、過外転症候群の診断には、中府穴圧痛の有無を調べる。ともに神経圧迫テストで、該当部を圧迫すると筋緊張を感じ、やや強く押圧すると上肢に電撃様の神経痛が放散することで確定診断している。

1)前斜角筋症候群

前斜角筋症候群では、前斜角筋部(天鼎穴に相当。刺針には高い技術が必要)に刺針して置針10分を行う。頸を健側に精一杯回旋さたせると斜角筋か伸張された状態になり、この状態で刺入すると、上肢症状部に響きを与えやすい。

※天鼎位置:学校協会教科書では、喉頭隆起の高さの胸鎖乳突筋中に扶突穴をとる。扶突の後下方1寸で胸鎖乳突筋後縁に天鼎穴をとる。しかし斜角筋や腕神経叢を刺激するには、中国式天鼎の位置の方がよい。中国式では、甲状軟骨と胸鎖関節の中点の高さで、胸鎖乳突筋の後縁から下方1寸とする。すなわち中国式は教科書と比べ、2寸ほど下になる。

斜角筋のストレッチ方法についてトラベルは上図のような方法を紹介している。しかし筆者は天鼎刺針時の体位は、側腹位の方法がやりやすいと考えているので、患側上の側臥位にし、患側の腕を腰に回す(五十肩検査時の結帯動作のように)。また鼻を下になっている肩になるべく近づけるように指示するといった方法をとるようになった。この体位をさせることは、斜角筋をある程度ストレッチ状態にする目的とともに、天鼎刺針時に患者の肩関節が邪魔にならないようにするという目的もある。

 

2)過外転症候群

過外転症候群であれば中府穴から直刺し、大胸筋を貫き、その深部にある小胸筋部硬結まで刺入して置針10分を行う。なお症例によっては天鼎と中府ともに圧痛がある場合があるので、両者に置針10分することもある。小胸筋の反応をみるのは必ずしも容易ではないが、患側上肢を挙上させ、手掌で頭頂を触って固定した状態にさせると小胸筋はストレッチされているので、圧痛の有無を判断しやすい。圧痛点に刺針すると上肢症状部に響きを与えやすい。

※中府位置:中府は教科書では第2肋間で前正中から外方6寸とある。実際には気胸を避けて小胸筋を刺激する目的で、烏口突起の内方1.5㎝、下方1.5㎝を刺入点として直刺するとよい(深刺しても気胸の心配がない)。最近では、前記の中府穴ではなく、烏口突起の頂から1寸内方から直刺した方が、上肢に針響を与えやすいことを発見した。


3)追加すべき治療

側臥位にて頸椎一行からの深刺置針10分を行うと、さらに成功率が高まることを感じる。前記の頸椎の前枝だけでなく、後枝の治療も必要となる場合が実際的には多いようだ。それ以外の治療(たとえば患側上肢症状部に対する刺針)は必要がない。


 


鍼尖点検器の自作 ver.1.1

2020-11-22 | 雑件

1.曲がりやすかった銀鍼

今から40年前頃まで、針灸専門学校の実技教育では銀鍼が普通に使われていた。一本50円~70円くらいした。銀は腰が弱く、刺入する際の重心を間違えると、すぐに”く”の字になってしまったので、鍼体を曲げずに刺入するだけでも結構難しかった。しかし反復練習というのは、それなりに意味あることで数ヶ月の練習で同学年の大部分の者は、スムーズに刺入できるようになった。当時はステンレス鍼が普及して間もない頃なので、多くの鍼灸師はステンレス鍼で患者の治療にあたっていた。ではなぜ針灸専門学校で銀鍼で練習したのか、それは現在の鍼灸国家試験の前身である都道府県試験で実技試験では銀鍼の寸6#3を使うという決まりがあったからだ。銀鍼では滅菌ができないだろうと思われがちだが、実技の際には自分で購入した鍼は相手に渡し、それを自分の身体に刺させることで、感染の問題をかろうじてクリアーしていたつもりだが、徹底はされていなかった。

とはいえ、銀鍼は縫い針のように綿を敷いた針箱に並べて保管していた。鍼灸学校入学して最初の鍼実技の時間に、衛生的に問題のあることが理解できた。鍼灸医療とはずいぶん不衛生なものだと強く思った。しかし慣れとは恐いもので、この不衛生であることも気にならなくなった。正しくは気にたら先に進めないと思うようになった。銀鍼の鍼体を簡単には曲げなくなる程度に刺針技術が上達すると、同じ鍼を何回も使うことになるので使っているうちに鍼尖が摩耗し、どうしても切皮痛が起こるようになった。こうなると普通は破棄するが、こだわりのある治療院では銀鍼の鍼尖を顕微鏡で点検しながら砥石で研いだりもした。面倒なことだったが、それも鍼灸上達の修行とみなされていた。ちなみにステンレス鍼の場合、硬いので研ぐことはできなくなった。

銀鍼には、鍼のあたりが軟らかいという治療上の良さはあるが、オートクレーブでの滅菌ができない(鍼体が酸化して黒ずみ、もろくなる)という致命的欠陥があったので、ステンレス鍼を使う時代に移行する必然性があった。四十数年前のこと筆者が鍼灸学校に入学して間もなく、煮沸消毒でなく、オートクレーブで鍼を滅菌しなければならないと啓蒙され、日本鍼灸師会推薦の鍼滅菌用のオートクレーブが発売された。当時15万円程度したことを記憶している(現在の金銭感覚では40万円程度になるだろう)。製品は価格を抑えたものらしく、注水・減圧・乾燥はすべて手動式で、スタートスイッチを押した後も減圧バルブを開き、扉を少々開いて乾燥させねばならないなど手間がかかるものだった。鍼灸師は当時から低所得者が多く、15万円というのは突拍子もない金額だった。セイリンのディスポ鍼も発売開始されたが1本40円で、通常のステンレス鍼は1本50円だったので、頑張ってステンレス鍼をオートクレーブ滅菌後に再使用するというのがスタンダードなやり方となった。
ステンレス鍼を再利用して、鍼体が一定以上曲がってしまえば破棄することになるが、問題となるのが鍼先の変形で、ステンレスは硬いので再使用できるか捨てるかの判断を効率良く実施したいと思うようになった。


2.塩ビパイプ継手を使った鍼尖点検器の自作
鍼尖点検器の自作、といっても塩ビパイプを買ってきてラップを張るだけのことである。
今から40年程前、鍼尖点検器という製品があった。木製で太く短いパイプのような形だった。片面にサランラップを張り、チェックすべき鍼を単刺していく(回旋はしない)。
サランラップを使ったのは、サラン樹脂でなければく音がでなかったためであった。他の他のラップはビニールのよう伸びてしまい、鍼がパリッと貫通できなかったからだ。しかし今日では他社製のラップも品質向上して使用に差し支えなくなっており、当家でたまたま使っていたのはクレラップだった。

短時間に次々と鍼の良し悪しを判定できる良い商品だったが、現在市販されていないようである。その代用として筆者は塩ビ管にラップを巻いて鍼先点検している。塩ビ管はいろいろ試してみた結果、だいたい次の写真のような大きさに落ち着いた。この製品は径の異なるパイプの継手として使うものだが、単純の筒状のパイプでも構わない。ホームセンターで入手で、値段は200~300円程度。

3.鍼尖点検器の使い方
 
①未使用や新本同様の鍼であれば何の抵抗もなくスッと抵抗なくラップを突き破ることができる。
②わずかに鍼先か変形した鍼の場合、ラップを破る時、ツッという小さな音が生ずる。
③さらに鍼先の変形が少し進行した鍼であれば、ラップを破る時、プツッという音が出る、と同時にラップが下に押しつけられる。出る。
④鍼先の変形がさらに変形した鍼であれば、下に押しつけるように力を入れて、大きなラップを突き抜ける音と共にどうにかラップを貫通することができるようになる。

このようにあえて分類してみると、面倒に感じるかもしれないが、少し慣れると誰でも直感的に判断できるようになるだろう。

なお当院では③④を使用不可として廃棄処分にしている。

ラップを巻いた状態

 

 

鍼尖点検中の様子


東西自然科学史 ~ 全ての物は、何からできているのか? ver.1.1

2020-11-11 | 雑件

以前、道教と錬丹術(あるいは錬金術)についての下記ブログを発表したが、予想外に高評価が得られた。そこで今回は、なぜ錬丹術といった発想が生まれたかについて、ギリシャ自然哲学の歴史から順を追って説明する。科学技術史は、彼らが何を考えたかということよりも、どのように考えたかという方が重要である。  ※2020/3/7 ブログ 「道教によって影響をうけた古代中国の生命観 Ver.1.6」

引用文献
①るーいのゆっくり解説「錬金術とは一体何なのか?」YouTube動画 
②ヨースタイン・ゴルデル著「ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙」NHK出版
③ジョセフ・ニーダム著「東と西の学者と工匠 下巻」河出書房


哲学が誕生する以前、ギリシャは他民族国家で、民族ごとに異なった神話があり、互いに内容は矛盾していた。しかし紀元前2600年頃には、この世界は何からできているかを考え始めるようになり、これが哲学の始まりとされている。この回答として最も発端となるのは、万物のものは単純な物質が起源だとする説があり、これはギリシャで誕生した。


1.ギリシャの哲学者タレス(紀元前624-前546頃)

①万物は水がすべての起源。水を冷やすと氷に、温めるとまた元の水に戻る事実。自然界の水の循環(海→水蒸気→雲→雨→海) 
②物質は絶えず変化を繰り返すが、決してなくなったりはせず、新しく無から生まれるこ とはない。
③すべての物質はただ一つの「もと」からできている。水や石や金属や生物も 同じものからできている。


2.ギリシャの哲学者アナクシメネス(紀元前1570-前525) 

タレスと同様、全ての物は一つの物質から成り立ってると考えた。
①空気ないし息(プネウマ)が万物の元素で、これらが圧縮や膨張させることでいろいろな物質に変化するのではないか。
②水は凝縮された空気。雨が降る時、大気中の水分が水滴になる。
③火は薄められた空気。畑に生える作物を観察し、土と空気と水と火は命が生まれるためにあると考察。


3.ギリシャの哲学者エンペドクレス(紀元前490-前430)

①万物のもとを、一つの物質に限定するのは無理があるとし、万物のもとは、「火、空気、土、水」の4つであるとした。これらが様々な割合で混ざり合うことで、すべてのものがつくられる。
②一本の木切れが燃える時は、まさに解体が起こっている。木ぎれの中でパチパチとはぜた音やジージーといった音の主は水分である。何かが煙になること、それは空気である。もちろん炎も見える。そして火が消えた後に残るのは灰つまり土である。


4.中国の鄒衍(すうえん)の五行説(戦国時代 紀元前305年頃-前240年頃)

①古代中国の自然哲学の思想。万物は火・水・木・金・土の五元素からなる。
②五種類の元素は「互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する。これは西洋の四大元素説(四元素説)と比較される思想。
③陰陽説は古くから存在したのに対し、五行説は陰陽説よりも後から出来たのだが、当初から陰陽説と一体であり、陰陽五行説といわれる。


5.ギリシャの哲学者デモクリトス(紀元前460-前370)

①「原子論」を主張。万物をつくるもとは無数の粒になっていて、一粒一粒は壊れることがない。それ以上壊すことのできない粒を、ギリシャ語の壊れないものとの意味から、アトムと名付けた。 
②いろいろなアトムがくっついて塊になることで種々の物質ができあがる。組み合わせて色々な物質ができるという点では、現代でいう分子のことをさしている。つまりデモクリトスは紀元前にして原子や分子の存在を言い当てた。
③この原子論は、神の存在を否定するような理論だったため、人々に受け入れられなかった。この原子論は、哲学者アリストテレス(紀元前384-322)により否定された。
どんなものだって打ち砕けば小さな粒になる。壊れることのない粒なんでありえない、と考えた。この考えは民衆に浸透していった。


6.ギリシャの哲学者アリストテレス(紀元前384-前322)

①エンペドクレスのいう万物のもとである火・空気・土・水という4物質も一つの「もと」からできているとした。つまり「もとのもと」があるとした。
②「もとのもと」に2つの性質を加えることで「火、空気、土、水」の4つの元素になると考察。この2つの性質とは、温度(熱と冷)と湿度(乾燥と湿)を組み合わせることで、この4つの元素が現れるとした。これをアリストテレスの四元素説とよんだ。
③アリストテレスの四元素説は次の図で表すことが多い。この説はヨーロッパの常識に訴えかけることがあって19世紀頃まで人々に影響を与え続けた。


7.アリストテレスの四元素説と錬金術の関係       

①アリストテレスの説では、もとのもとには2つの性質があり、これらは自由に変化させることができて、その混合割合により万物がつくられるとした。このことから、 他の金属を金に変えることもできるはずだと考えた。
②ナイル川の河口にあるアレキサンドリアには、エジプトで培われた技術があって、そこにギリシャの理論が導入され、錬金術が始まった。この錬金術は紀元後間もない頃になると、アレクサンドリアだけでなく、南米。中米・中国・インドなどにも少しずつ広がっていった。


8.中国の錬丹術(丹とは硫化水銀のもつ赤色のこと)

①中国は錬金術を使って人間の寿命を延ばすことに大きな興味を持っていた。
 具体的にいえば、中国の支配者たちは不老不死となるための薬を錬金術の手法で作ろうとしていた。これを錬丹術とよぶ。
②錬丹術では、辰砂(=硫化水銀HgS)が注目された。辰砂は赤色物質で、赤色顔料として神社の朱塗りや朱肉、器の加工などに用いられてきた。③辰砂を加熱することで水銀を得ることができることを発見した。硫化水銀は、加熱することで水銀と硫黄に分解される。 赤い石から液体の金属が生まれるという不思議な性質が注目された。
④中国では水銀を主成分とする液体を飲むことで、不老不死の効果があると信じられていた。方士(道教の修行者)は霊薬丹薬をもってきたとして、富裕層に売りつけた。金持ちは競うようにしてこれを買い求め、次々と水銀中毒となり死亡した。皇帝がこの水銀を飲んで、死亡していた。現代でいう水俣病。

※黒色火薬の発明
中国の錬丹術は、黒色火薬の発明にもつながった。KNO(硝石)は酸素のように可燃物である炭(C)や硫黄(S)を燃やすことができる。硝石は激しく燃え上がるという性質が発見され、これが火薬に応用された。
  炭(C)+酸素(O2)→二酸化炭素(CO2)+熱
黒色火薬は酸素のないところでも燃焼できるつまり瞬時に燃焼することで強い爆発力を生んだ。 (可燃物の燃焼には酸素を必要とする。物質の表面から燃焼するので反応は穏やかで爆発しない)


9.イスラムの錬金術師ののジャービル(721-815)

①ジャービルはアリストレテスの元素の考え方、中国の錬丹術などに影響を受け、あらゆる金属は硫黄と水銀によって作られているという考え方をした。この混ざり合う比率により金属の性質が変わってくが、とくに金は完全な比率で成り立っているとした。
鉛などの普通の金属を一度硫黄と水銀に分解し、それを金と同じ比率にして再度金属を作り直せば純粋な金を得られると説いたが失敗に終わった。
②ジャービルは化学分野では大きな功績をあげた。ガラス器具の性能や金属精錬の御術の向上など。たとえば塩酸や硫酸、硝酸の精製法や結晶化法を確率、濃塩酸と濃硝酸を3:1の比率で混ぜると金を溶かすことのできる王水とよばれる溶液を発見した。

 

10.スイスの哲学者パラケルスス(1493-1541)

①ヨーロッパの錬金術師は、賢者の石をつくりだすことを目的として研究を行った。賢者の石(=エリクサー、中国では仙丹)は、金属を金や銀に変え、あらゆる病気を治し、不老不死とする万能薬とも考えられた。
②16世紀にはパラケルススは「医化学の祖」とよばれた。パラケルススは錬金術の知識を積極的に医学に応用していった。以前、薬といえば植物からつくられるものだったが、パラケルススは梅毒に水銀化合物を用いたり、皮膚病に砒素化合物を用いたりした。

しかし依然として賢者の石をつくることはできなかった。人々は本当に賢者の石は存在するのかという考えを抱くようになった。


11.イギリスの物理・化学者ロバート・ボイル(1627-1691)

①ボイルは2000年近く信じられてきたアリストテレスの四元素説を否定した。それ以上小さくできないものが見つかれば、それも元素と認めなくてはならないと主張。これを「懐疑的化学者」という本にまとめた。これにより錬金術が否定されるに至った。
②これまでの錬金術を近代化学へと向かわせることにもなった。ボイルは「最後の錬金術師」とか「最初の化学者」と呼ばれるようになった。


12.フランスの化学者アントワール・ラボアジエ(1743-1794)、

①ボイルに続いて現れたのがラボアジエで、酸素を発見し、他に33種の元素を発見した。
金には固有の元素があり、他の物質からでは製造できないことがついに解明された。

 自然界に広くあるもの・・・・(光)、(熱素)、酸素、窒素、水素
 非金属・・・・・・硫黄、リン、炭素、塩素、フッ素)、(ホウ酸基)
 金属・・・・・・・・アンチモン、銀、ヒ素、ビスマス、コバルト、銅、スズ、鉄、モリブデン、ニッケル、金、白金、鉛、タングステン、亜鉛、マンガン、水銀     
 土・・・・・・・・・・(酸化カルシウム)、(マグネシア)、(酸化バリウム)、(アルミナ)、(シリカ)
※( )は、現在では元素として扱われていない。

②当時支配的であった四大元素説で「水は土に変わることがある」という説があったが、同年末から翌1769年にかけて、水をガラス容器に入れて101日間も密閉状態で沸騰させた後に正確に重さを測る実験を行い、「水は土に変化しうる」という説は正しくないことを示した。
水(H2O)は酸素と水素の分子化合物であることを発見したものラボアジエだった。
③ラボアジエは、近代化学の父とよばれた。

 


当ブログの目的

2020-11-01 | 現代医学的針灸の公開にあたって

                 「現代医学的鍼灸治療」に、ようこそ

 

これまで鍼灸を学び、迷いながら患者様のへ施術をおこなってきました、針灸臨床を始めて32年(令和2年現在)が過ぎた現在、自分なりの針灸治療も確立しつつありますが、中間報告の形でまとめることで、これまでの自分の成果を緒先生方に報告することにしました。発表するのは年令的(身体的・頭脳的に)に、余裕がなくなってきていることもあります。
結果的にですが、臨床5年経過あたりで、現代鍼灸を志すことになりました。現代鍼灸の治療は、端的にいえば論理的であることに尽きます。これまでのところ論理的に考えていこうとする鍼灸臨床理論は現代鍼灸以外にありません。なぜそのツボを使うのかとか、どうして鍼ではなく灸を使うのか、あるいはなぜその手技や体位で施術するのかなどに対し、自分なりの回答を与えました。究極の目標というより願望となりますが、現代鍼灸医学の理論体系づけにあります。

もう一つのテーマは、古典鍼灸特有の、非合理的な考え方をした理由を突き止めたいと思ったためでもあります。おもに自然の観察から人間の機能を類推したものなので、我々も古代人の気持ちに立ち返っての自然観察により、その謎も解けるのではないだろうかと考えました。古典医学そのものではなく、なぜそう考えたの方が重要なのです。

なお本ブログは、平成18年3月10日から配信開始しています。記事<「現代医学的鍼灸治療」にようこそ の日付は、3017年となっていて誤りではありますが、ブログ閲覧で最初になるようにしたためです。

当なお、本ブログのタイトルに続くVer.○○との表記ですが、当初はすべてVer.1.0(初回版)になりますが、その数は多く、Ver.1.0に限っては表記を省略しています。後日これに改修を加えることもあって、小さな改修には、小数点以下の数字を、大きな改訂の場合には小数点以上の数字を与えて区別しています。たとえば、Ver.2.1の場合、大きな改訂を1回行い、小さな改訂を2回したことを示しています。

ブログに対して、ご意見・ご感想を頂戴することは歓迎するところです。しかし今後匿名で私に回答を強いる質問等につきましては、今後返信しないことにしました。(平成30年2月15日)

 

本ブログの記事(文字+図表)のみを、Wordで印刷する方法

本ブログの記事を図や写真入りで印刷して残しておきたい。余計なものは印刷したくない。そんなときの印刷方法。

①インターネット上で、プリントアウトしたい範囲を左クリックしつつドラッグ(滑らせ)選択。すると、文字、図や写真が反転。
②選択した上で右クリックし、メニューの中の「 コピー 」をクリック。(インターネットは終了してもOK)
③Wordを開く。白紙を開いて、「貼り付け」をクリック。
④余白を狭くして,改行等も編集するなど、Word上で微調整し、プリントアウトする。
このWordファイルを「名前を付けて保存」すれば、ファイルとして保存することもできる。

※一太郎で行ってみると、文字だけは上記方法でプリントアウトならびにファイル保存できるのだが、図は保存できなかった。図に対してはマウスを右クリックし、「名前を付けて保存」を実行し、パソコン画面上に一度ファイルを作成し、さきほど保存した文書ファイルに図を挿入するようにするとよい。

 

系統的に現代鍼灸を学習するためのCDも販売中です。これまで数百名の先生方にお求めいただきました。
現代針灸臨床論Ⅰ5,000円、現代鍼灸臨床論Ⅱ6,000円で、ⅠⅡ同時購入では10,000円となります。


◎現代針灸臨床論Ⅰ  第16版(令和2年8月31日時点) 本文p323
整形外科・末梢神経障害・歯科  

第1章 頭痛 p23  
1節 針灸不適応の頭痛の除外   2節 針灸適応となる頭痛の概要   3節 頭痛の鑑別診断   4節 頭痛の針灸治療

第2章 頸腕痛 p32 
1節 頸腕痛疾患の概要  2節 頸肩腕症状の鑑別診断    3節 頸肩腕痛の針灸治療    4節 肩こり性 

第3章 肩関節痛 p26   
1節 肩関節の動きと作用筋   2節 結帯動作制限・結髪動作制限と治療   3節 肩関節疾患と針灸治療   4節 いわゆる五十肩
5節 アナトミートレイン

第4章 腰痛 p26  
1節 腰痛疾患の概要    2節 腰痛の不適応の判定    3節 効かせるための針の技法   4節 殿部痛

第5章 腰下肢痛 p32  
1節 腰神経叢症状   2節 仙骨神経叢症状と腰椎椎間板ヘルニア    3節 脊柱管狭窄症   4節 股関節疾患  

第6章 膝関節痛 p31
1節 針灸不適応の膝痛疾患   2節 膝関節痛の鑑別診断    3節 針灸適応の膝関節痛の針灸診療  4節 変形性膝関節症の針灸診療  

第7章 顔面症状 p23  
1節 顔面痛    2節 顔面神経麻痺   3節 顔面部の痙攣  

第8章 上肢部症状 p35 
1節 肘関節痛     2節  手関節痛・手指痛   3節 上肢の神経麻痺と神経絞扼障害  

第9章 下肢部症状 p36  
1節 下肢の常見疾患     2節 足部の常見疾患   3節  下肢の神経麻痺と神経絞扼障害  

第10章 歯科症状 p23   
1節 歯の基礎知識    2節 歯科の主要疾患    3節 歯科領域の針灸治療   4節 口内炎  5節 顎関節症   

第11章 総論的知識 p26   
1節  神経線維と運動制御     2節  MPS(筋膜性疼痛症候群)     3節『鍼治新書』の要点                 

 

◎現代鍼灸臨床論Ⅱ 第23版(令和2年8月31日時点)本文p371
内科・眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・産婦人科・皮膚科他    

第1章 上中腹部消化器症状  p37
1節 腹痛の代表疾患  2節 針灸院における診察手順  3節 内臓体壁反射と針灸治療パターン  4節 横隔神経と体壁反応   5節 胃疾患と針灸治療  
6節 肝炎患者の扱いと慢性肝炎の針灸治療   7節 胆道疾患と針灸治療  8節 膵炎と針灸治療        

第2章 下腹部消化器症状  p27  
1節 下腹痛と体壁反応  2節 針灸院での下腹診察と針灸治療   3節 下痢   4節  便秘    5節 下痢・便秘の針灸治療    6節 虫垂炎と針灸治療   7節 痔疾と針灸治療         

第3章 鼻科・咽喉科症状  p31  
1節 鼻の疾患  2節  咽頭の疾患  3節 喉頭の疾患   4節 くしゃみ・しゃっくり   5節 かぜ症候群

第4章 胸部症状  p26  
1節 胸痛の針灸診療  2節 動悸・息切れ  3節 咳嗽・喀痰の針灸治療  4節 気管支喘息の針灸診療     

第5章 末梢循環器症状   p32 
 1節 冷え症   2節 ほてり・のぼせ  3節 末梢動脈閉塞性疾患   4節 メタボリックシンドローム  5節 低血圧症

第6章 精神症状と全身症状 p40  
1節 不眠症  2節 疲労倦怠および貧血  3節 不定愁訴症候群・神経症・更年期障害   4節 肥満 

第7章 腎・泌尿・生殖器症状  p32  
1節 腎・泌尿器と体壁反応    2節 主な腎疾患    3節 疼痛を生ずる尿路疾患  4節 頻尿・尿失禁・排尿困難   5節 夜尿症  6節 ED          

第8章 産婦人科症状  p29  
1節 性周期とホルモン  2節 婦人科の主要疾患  3節 婦人科疾患の体表反応と針灸治療  4節 月経異常   5節 月経随伴症状と針灸治療    6節 不妊症   7節 産科の主要疾患   8節 乳房症状           

第9章 眼症状 p32
1節 眼の構造と機能    2節  代表的な眼症状と鑑別診断  3節 代表的な眼科疾患  4節 全身疾患の一部としての眼科症状  5節 眼科の針灸治療            
第10章 耳科症状  p38  1節 耳の構造と機能    2節  難聴・耳鳴の診察  3節 めまいの診察  4節  耳痛と針灸治療  5節  耳科疾患の概要   6節 難聴・耳鳴の針灸治療   7節 めまいの針灸治療    

第11章 皮膚科症状 p23  
1節 皮膚腫瘤   2節 アトピー性皮膚炎   3節 毛髪の異常

第12章 その他の主要疾患  p20  
1節  関節リウマチ   2節 脳血管障害   3節 パーキンソン病  
巻末資料:体性神経デルマトーム図


◎同梱の資料(令和2年8月31日時点)
1.經絡経穴学 37ページ
2.医学語呂1100(基礎、応用、東洋医学) 67ページ
3.東洋医学臨床論(中医学)P92ページ+舌診5ページ+腹診3ページ