未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




初のソーラー・セール宇宙船、ついに打ち上げへ
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050617301.html

天文学者たちは長い間、宇宙船が太陽光の生み出す圧力を利用することで、帆船が風の生み出す圧力を利用するのと同じように、自力で前進でき、宇宙を安価に航行できるとの仮説を立ててきた。コスモス1の唯一の使命は、この仮説を実証することだ。

これだけ燃費が良い乗り物というのは、他にはないだろう。
太陽光をエネルギーとする。どちらかというと、植物に近い方法で、宇宙空間を移動することができる。

将来、個人が自家用の宇宙船を持つようになった場合、大きな魅力となるだろう。


「もうすぐ、夜が明けるぞ。火星の夜景も見納めだな。」
「夜景と言うより、ただ暗いだけよね。もううんざりだわ。なんでこんな船にしたの?」
「パパはエコロジストなのさ。ソーラーセールは地球の環境に優しいんだよ。」
「これだけ離れてれば、核爆発が起きても、地球環境はびくともしないわよ。日が出れば地球に帰れるの?太陽に向かっては、進めないんじゃないの?」
「いや、ヨットは帆の角度を切り替えることによって、風上に向かってジグザクに進むことができるんだよ。ソーラー・セールでも同じことができるはずだったんだけど。」
「それで、ずっとそのハンドルを必死に動かしてたのね。でも、ダメだった?」
「これだけ帆が大きいと、船体がぐるぐる回るだけで、帆の向きは変わらないみたいだな。」
「他の方法もあるんでしょ?」
「あぁ。だからこうして、火星の重力でスイングバイしようとしたんだけど、思ったよりスピードが出てないんだよ。」
「帆がジャマになってるんじゃないの?」
「真空中では、抵抗は受けないのさ。」

 ・・・

「諦めて、JAF呼んだら?」
「ソーラー艇では、会員になれないのさ。ここから地球まで牽引してもらったら、いくらかかるか解らないから、とりあえず次まで行くぞ。」
「木星?」
「いや、土星だな。」
「どうして?」
「今は木星は、太陽の反対側にあるんだよ。」

 ・・・

「帆を、裏返しにしてみれば?」
「帆に、裏も表もないよ。」

 ・・・

「このまま火星が太陽の向こう側に行くまで、周回して待ってたら?そうすれば、この進行方向を維持したまま、地球に戻れるんじゃないの?」
「その頃には、地球も向こう側に行ってるさ。」

 ・・・

「反対側から、懐中電灯で、照らしてみたら?」
「それで動くくらいなら、照らしてる方が反対側に飛ばされちゃうさ。」
「じゃぁ、後ろに向かって、照らせば良いのね?」
「まぁ、気が済むんなら、やってごらんよ。」

 ・・・

「火星の天気予報、聞いておいた方が良いんじゃないの?」
「これだけ上空だと、雲も出ないし、雨も降らないよ。」
「もうすぐアステロイドベルトでしょ。『流星雨』が降るって書いてあるわよ。」
「そうだな。これだけ大きな帆が隠れるような傘は、積んでないしな。」

 ・・・

「今度買うときは、せめて『ハイブリッド艇』にしてね。」
「『Nジャマーキャンセラー』搭載モデルにするよ。」
「じゃあ、『フリーダム』がいいわ。」
「そうだな。翼が小さいから、機動性が良いかも知れないな。」

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