未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




次世代スパコン、世界一奪還へ3社と共同開発 理化学研
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/business/K2007061300790.html

 世界最速の座の奪還をめざす次世代スーパーコンピューターについて、開発主体の理化学研究所はNEC、日立製作所、富士通の3社と共同で開発に取り組むことを決めた。
 当初は、NEC・日立連合と富士通にそれぞれ初期設計をさせ、どちらかに絞り込む計画だったが、新素材や新薬の開発など幅広い利用を進めるためには、3社共同での開発が最適と判断した。得られた技術を3社が共有できる利点もある。

500万ドルのスパコン「Cray Y-MP」も今では赤ちゃん家具…
http://www.gizmodo.jp/2007/06/500cray_ymp_1.html#more

この椅子は本物のスパコンです。1988年当時500万ドルした「Cray Y-MP」(解説)を改造し、シリコンバレー在住パム&ポール・コスタさんご夫妻が息子エジソン君のためにあつらえました。発明の父トーマス・エジソンがテーマの赤ちゃん部屋に置いています。

なぜ今、スパコンなのか。

1990年代の半ばまでは、リストのトップ20を見ても、半数近くは日本製のスパコンが占めていたのに対し、90年代末から米国製に徐々に押され、2002年以降はほとんど上位からは姿を消した。地球シミュレータが一時的に首位にはなったものの、衰退の流れ自体は止められなかったと言っていいだろう。

見えてきた次世代スパコン「京速計算機」、再び世界一を目指すその意義(マイコミジャーナル)

用途が違うのは承知の上で書くが、googleは、大量のPCを組み合わせることにより、80億以上のウェブ ページから、一瞬にして必要な情報を取り出すと言う、離れ業を成し遂げている。

一般市民のコンセンサスを得るための、分かりやすい指針。という側面もあるのだろうが、単に「速い」というだけの一義的な指標に頼った開発を続けてばかりいては、今後の世界が要求する多様なニーズに対して、遅れを取るばかりではないのだろうか。


「これですか?」
「ええ。ジェットエンジンを2基搭載し、マッハ1.27で疾走します。現時点で、地上最速です。」
「これ、スパコンですよね?」
「ええ、もちろんです。当然のことながら、演算速度も、現時点で世界一です。」
「なぜ、スパコンにわざわざジェットエンジンなど?」
「演算速度で世界最速を誇っていられる期間は、ほんの一瞬です。退役後も子供に愛されて穏やかな日々を送ったクレイに対し、どこからも引き取り手のなかった地球シミュレータの老後は、哀れなものでした。私は自分の作り出したマシンが、そんな悲惨な目に遭うのには、耐えられません。地上初の『超音速スパコン』として、長く人々に愛してもらいたのです。是非、御社の『スパコンイラストレイテッド』で取り上げて頂けないでしょうか?」
「残念ながら次号は、ロボットに変形する『トランスフォーマースパコン』の特集が決定しています。」
「そんな子供騙しの企画ばかり報道しているから、まじめな開発に対する風当たりが強くなるんじゃありませんか。」
「それを言うなら、御社の『超音速』機能には、どんな意味があると言うのです?」
「放熱効率を高めるためです。」
「それだけですか?」
「搭載するに、十分な必然性を持った機能だと、自負しておりますが。」
「ベクトル機・スカラー機・専用計算機など、異なるアーキテクチャを持つユニットを、シミュレート対象のモデルに応じてダイナミックに最適配置する。という、重要な技術基盤の解決策とし開発されたのが『変形』という機能なのですよ。」
「なんとなく、こじ付けっぽく聞こえますけどね。」
「その次の号で特集予定の『スーパーガリガリ君』は、常温超電導素子の冷却材に食品を採用し、チップ内蔵のスティック部分をリサイクルすることによって超低コストを実現した、『食べられる使い捨てスパコン』として、異彩を放っています。もはや、『速い』というだけでは、何のニュースバリューもありませんよ。」


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