未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




完全自動制御の車が街路を走るレース『Urban Challenge』
http://wiredvision.jp/news/200706/2007062123.html

スタンフォード大学レーシング・チームの自律走行車『Junior』は6月14日(米国時間)、米国防総省の国防高等研究計画庁(DARPA)が開催する自律走行車レースの1次テストを無事に終えた。これで、1次テストを受けたチームの約50台の車とともに、市街の交通の複雑さに対応できるロボットとして認定されたわけだ。もっとも、小さな町の交通量に対応するのが精いっぱいかもしれないが。

エタノールより優秀なバイオマス燃料
http://wiredvision.jp/news/200706/2007062123.html

英国の科学雑誌『Nature』誌2007年6月21日号の中で、ウィスコンシン大学マディソン校の研究チームが、バイオマス由来の糖質を2.5ジメチルフラン(DMF)に転換するための2段階プロセスを紹介している。
DMFというのは、エタノールに似た液体燃料の一種だが、エネルギー密度はエタノールより40%も高い。

一昨年、5台の完走車を出した『DARPA Grand Challenge』が、舞台を都市に移して帰って来る。

僅か2年目で大量の完走車を出したこともあり、大幅なレギュレーションの見直しを行ったようだ。
この調子で技術が進歩して行けば、コンピュータ制御の自動車が街を走り回る日も、そう、遠いことではないような気がして来る。

だが、技術的には無人で走行することができるようになったとしても、実際に、コンピュータ制御で街を走れるようになるまでには、解決しなければならない法的・社会的な問題が山積している。

事故発生時の責任は、誰にあるのか。ドライバー(?)か、自動車メーカーか。

PL法を盾に、全ての事故の責任及び補償を、自動車メーカーに押し付けたのでは、とても経営は成り立たない。

だが、実際に発生してる事故は、飲酒運転や速度違反は論外としても、携帯メールや、疲れによる居眠り運転など、コンピュータ制御であれば簡単に防止できるような原因によって発生しているものの占める割合が多い。

とは言え、実際に死亡事故が発生してしまえば、世間からの批判は大きいであろう。

一度でも、死亡事故が起これば、即刻開発を中止しなければならないのか?

人間が運転するよりも、事故による死傷者数が減るのであれば、積極的に受け入れるべきであるのか?

基本的にはドライバーの責任の元、自動運転であっても問題がないと判断した場合のみ、自動運転が可能。万一事故が発生した場合には、自動運転モードに切り替えていたドライバーの責任である。と、言った方向に進むのではないかと思われる。

技術の進歩は著しい。

技術者の情熱により、現状よりも多数の人命を救うことができる技術が開発できたとしても、行政の事なかれ主義によって、それが葬り去られてしまうようなことがあってはならない。


「免許証と車検証をお願いします。」
「はい。」
「これ、自律走行車ですね?」
「ええ。」
「ドライバーは、どちらですか?」
「今は、オートパイロットです。」
「では、『ドライバーは車』。と、いうことですね。」
「ええ、そうなりますね。」
「ここ、『自律走行特区』を外れているのは、ご存じですか?」
「はい、良く知っています。先月より、条件付きで一般道も走れるようになったんですよね?」
「ええ。・・・これ、ハイブリッド車ですね。」
「はい。」
「今は、どちらで駆動していますか?」
「補助系です。」
「補助系というのは、内燃機関の方ですね?」
「ええ。コンピュータ制御ですので、バッテリーを温存しようとして、一般車よりは早めに、補助系に切り替わるんです。」
「燃料は、何を使用されていますか?」
「E85です。」
「バイオマスではなく?」
「ええ。」
「E85の成分をご存じですか?」
「エタノールとガソリンの混合燃料でしょう?」
「比率をご存じですか?」
「エタノールが85%ですね。」
「では、『飲酒運転』成立ですね。」
「じょっ、冗談でしょう?」
「区域外ですと、法律が未整備のため、飲酒運転になるんですよ。」
「ちょっと待って下さい!この車が酔っ払っているように見えますか?」
「ウォッカでもアルコール度数は50度くらいですからね。それを何リットルも消費していれば、酔わないはずがないでしょう。」
「人間ならば。ですよね?そこまでおっしゃるなら、アルコール検査をして頂けますか?」
「アルコール検査?」
「ええ。呼気に含まれる、アルコール成分を測定して下さい。」
「呼気って?」
「この場合は、廃棄ガスでしょうね。」
「そんなことをするまでもありませんね。全身真赤じゃありませんか。」

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