未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




水がないところで水泳ができる機械、ちゃんと動いてるんだか動いてないんだか不明(動画)
http://www.gizmodo.jp/mt/mt-tb.cgi/7239

水泳というのは水に入るから楽しいのだ、ということを痛感させてくれます。
これは水がなくても泳げる機械。「American Inventor」というテレビ番組で紹介されたものだそうです。
ただひたすらに不愉快そうなエクセサイズ、呆れ顔で見守るコメンテーター、必死の形相の紹介者、全てが完璧です。

ある意味、完璧な映像だ。ワザと作ろうと思っても、演出では、とてもここまでのレベルの表現はできない。
必見である。この番組自体も、とても面白そうだ。

私が子供のころ、歯磨き粉のチューブの蓋は、ネジ式で止めるものであった。(絵の具のチューブのようにね。)

ある時、会社の後輩が、「歯磨きの蓋、開けたり閉めたりするのって、結構面倒なんですよね。あれ、なんとかできれば儲かるんじゃないかと、考えてるんですけど。。。」

「そんな夢みたいなこと考えてないで、仕事しろよっ。」と、言う以前に、「そんなこと、不便に思ってるのは、世界中でお前だけだよ。」と、思ったものだ。

だが、今では、歯磨き粉の蓋は、皆一様に、ワンタッチで開閉出来るものに変わっている。

彼に先見の明があったとまでは思わないが、ハッキリと思い知らされたのは、私には絶対に思いつかなかったであろう。と言うことだ。

「必要は発明の母」と言うが、些細なことではイチイチ不便だと感じない人には、発明のチャンスが少ないのは確かであるようだ。

このデバイスについても、世の中の殆どの人にとっては、笑い飛ばす対象でしかないであろう。(それとも、また、そう思うのは私だけなのであろうか?)

だが、いつの日か、世界のどこかには、このアイテムの存在を切望する人が、現れるのかもしれない。


「これです。」
「何かね?これは?」
「『水がないところで水泳ができる機械』です。」
「本当に?」
「ええ。21世紀の初頭に、米国の発明家が制作したもののようです。」
「今まで、聞いたことがないぞ。」
「ええ、私もです。当時では、この発明の真価が理解されなかったようで、この試作機が公表されたのみで、製品化には至らなかったようです。」
「良く、探し出したな。」
「ネットライブラリーから偶然この記事を見つけ、その後の記録を追って行った所、とある好事家の倉庫に眠っているのを突き止め、特別に貸し出して頂きました。」
「先見の明があった。と、言うワケかね?」
「ええ。当時でも、最先端の感覚を持った人々が集まるサイトでは、話題になっていたようです。」
「21世紀初頭であれば、まだプールがあったのではないのかね?」
「これの製品化に失敗した最大の要因は、どうやら、その辺のようです。当時はプールはおろか、海や湖でも日常的に泳ぐことが可能であったため、誰も必要性を感じなかったようですね。」
「そうか、まだ防護服なしで、屋外を歩き回っていた時代なんだな。」
「ええ。『家庭で水泳の練習ができる』というアプローチで、製品化を試みたようですが、『そんなの、実際に泳いだ方が早いだろ?』と、一蹴されていたようですね。」
「贅沢なものだな。その時に誰かが、近づきある脅威に対して、ちゃんとした警鐘を鳴らしていれば、こんな世界にはならなかったかも知れんな。」
「お試しになりますか?」
「えっ?できるのかね?」
「ええ。会長のことをお話し致しましたら、特別に許可して下さいました。」
「流石だな。良くやったぞ。では、早々試してみよう。」

 ・・・

「・・・いかがです?会長っ?だっ、大丈夫ですかっ!!」
「・・・は、早く、降ろしてくれ。。。」
「救急車、呼びますか?」
「いや、大丈夫だ。」
「残念ながら、使用感は、イマイチだったようですね。」
「イマイチなんてもんじゃないだろ。危うく死ぬところだったよ。『泳ぐ』と言うことが、どんなに素晴らしいことか。長い間、そればかりを夢見て、地球環境の回復に生涯をかけて来たが、こんな結末で終わってしまうとはな。」
「ええ。本当に『泳ぐ』体験は、きっと素晴らしいんでしょうね。」
「つくづく悔やまれるのは、その時代に私が生まれていれば、これの製品化と普及に、全精力を傾けていたに違いない。ということだな。」
「普通に泳ぐことが出来るのにですか?」
「ああ。そうすれば、世間一般の人々に、『大自然の中で、思う存分、泳ぐことができる。』と言うことが、どんなに素晴らしいことであるかを、実感してもらうことができたのにな。」

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