アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

エノキグサ - トウダイグサ科(4)

2019-08-27 09:34:06 | みんなの花図鑑

葉っぱがエノキに似ているので エノキグサ だそうです。
イヌタデ(赤まんま)の花のような穂が雄花序。
その付け根に お椀のように少し丸くなった葉があり、その中にチョコンと緑の粒がありますが これが 雌花序。





雌花序を拡大して観察しています。
雌花序が乗っているお椀のような葉は 苞葉 といいます。苞葉の中に生まれる花序 というと、これはトウダイグサ属やニシキソウ属を特徴づける<杯状花序>の咲き方そのものです。





ただ、ちょっとちがうのは 杯状花序では ひとつの杯(カップ)から たくさんの雄花序と雌花序ひとつが生産されますが、ニシキソウのばあいはそこまで機能分化していません。






つぎに、これが 良く目立つ 雄花序です。(最初に言ったみたいに 赤まんまみたい)





ところで・・・なんですが、赤まんまのトップに 緑の球がついています。これはなんでしょう?





雌花なのです。雄花の穂の先にも 雌花が付いているんです。だれかさんは これをエノキグサのニューハーフ と呼んでいます。



アカメガシワ - トウダイグサ科(3)

2019-08-27 08:58:45 | みんなの花図鑑

アカメガシワの雌花です。撮ったのは昨日(8月26日)です。花期は初夏、とありますから、このアカメガシワは晩生です。





アカメガシワは 雌雄異株。この株は雌株です。赤いのは 雌しべの柱頭です。
再掲しますが、「(トウダイグサ科の)一つの重要な特徴として子房が3つの心皮が寄り集まって三室となっている点がある。つまり、中空の粘土で出来た紡錘形の塊を三つ寄せ集めたような形である。柱頭もこれに対応して三つに分かれる。」(wiki「トウダイグサ科」)






三室からなる アカメガシワの子房です。





つぎは、雄株の雄花


すぐ近くにあった 雄株の雄花です。




隣りの雌株の種子が飛んで 生えてきたのでしょうか。雄株と雌株が雑居していることはよくあります。




トウゴマ - トウダイグサ科 (2)

2019-08-26 17:39:17 | みんなの花図鑑

イソギンチャクの足のような赤いヒラヒラがキレイなのは トウゴマの雌花です。赤いのはイガグリみたいな子房の上についている柱頭です。こんな感じの雌花、どこかで見たことがありますよね?!





そう、アカメガシワの雌花が一時期、こんな感じになりますよね。
あとは、オニグルミの雌花も柱頭がこんな風で赤くキレイでしたよね。
(オニグルミは別ですけど、アカメガシワも トウゴマも トウダイグサ科なのです^^)

同じ花柄の下についている黄色い塊は 雄花です。トウゴマは雌雄異花。






雌花の柱頭のところを拡大して見ました。





受粉して 子房が果実になった姿です(赤い柱頭がありません)。果実は 熟して真っ赤になります。
種子は ひまし油の原料になります。
「学名のRicinusはラテン語でダニを意味しており、その名のとおり果実は模様と出っ張りのため、ダニに似ている。」(wiki「トウゴマ」)





雄花です。



ナンキンハゼ - トウダイグサ科 (1)

2019-08-26 17:22:10 | みんなの花図鑑
【メトロ・キャンドル】

ナンキンハゼがトウダイグサ科なのは ちょっと意外に思いませんか?
トウダイグサ科は 杯状花序で有名なトウダイグサ属(ユーフォルビア属)以外に、「約300属7500種以上を含む大きな科」だったのです。





'メトロ・キャンドル' はデンパークでは いちばんよくみられる斑入りナンキンハゼの木です。





【サマー・フリンジ】

'サマ・フリンジ'は 少し実がかわいい やはり斑入りの園芸品種です。





実付きのいいところでは 房みたいになってるところもあります。





実が無いなと思ったら、葉が紅葉してました。





【スノー・マウンテン】

園芸品種'スノー・マウンテン'の果実は 比較的大きいです。





(トウダイグサ科の)「一つの重要な特徴として子房が3つの心皮が寄り集まって三室となっている点がある。」(wiki「トウダイグサ科」)
たしかに、ナンキンハゼの実も3室からなっています。





「このようないわゆる三数性は単子葉植物には共通する特徴であるが、双子葉植物では多くない。植物に詳しい人やこの分野に勘が働く人はこのような雌しべや果実を持つ双子葉植物で分からないものがあれば、とりあえずトウダイグサ科を疑う。」(同上)
柱頭や子房の三室性ですか? ちょっと他の植物で調べて見ましょう。







ツユクサ - 自宅近く

2019-08-25 16:25:31 | みんなの花図鑑

朝、ゴミ捨てに行ったら、隣の畑にツユクサが・・・
家に戻って カメラもって 再度じっくり撮ってきました(^^
この花は 上を向いてますけど・・・





ツユクサの開放花は 通常このように横向きで咲きます。(ということは 閉鎖花があるということなんですけど、詳しくないので 割愛)





小花は 画像(の下の小花)のように 苞と呼ばれるつぼみのような葉の中に(苞が開いて)咲きます。





ツユクサの花の面白いところは 雄しべが3タイプ、小花についているところです。
3タイプのうち 1タイプは生殖用ではなく昆虫のエサ用なんてのもあります。
そして開花の時期により 自家受粉と 他家受粉のチャンスをもっています。
最初のチャンスは まだつぼみの状態のとき。苞の中にあるときで、長い雄しべと長い雌しべがくっついているので、ここですでに 自家受粉が行われていることが多いそうです。





上のほうの小花に見えるように、3つのタイプの雄しべは 異なる形をしています。
そのうち2種類は 葯(花粉を入れておく袋)が黄色っぽいです。
いちばん長い雄しべは 丸っぽくて、葯は 白っぽいです。
下の小花に 雌しべが写ってますが、雌しべの長さは 先ほどの丸っぽい雄しべの長さとちょうど同じくらいです。






先ほどの小花にもう少し近づいてみます。先ほどの 一番長い2本の雄しべ(白っぽい雄しべ)は 丸っぽいので O字形雄しべと呼ばれてます。O字形雄しべは完全に生殖機能をもった雄しべです。
そのつぎに 黄色い雄しべが1つだけありますが、これが Y字型おしべといって、生殖用と虫のエサ用の両方の機能を持つ雄しべです。






いちばん短い3本の ギリシャ文字のパイ(π)の形をした雄しべは 「X字形雄しべ」と呼ばれ、虫に食べられるための花粉のみを提供します。
右側に 紫色ののびているのが 雌しべです。





このように 長さを変えて3種類の 機能別雄しべをもっているので、目論見どおりいけば、花に来た虫は X字形雄しべの花粉を食べようとして O字形雄しべにつかまるので、足に生殖可能な花粉が付き、その足で 別の花に行き 同じ格好をすると、ちょうどその位置に雌しべの柱頭があり、受粉できる、ということなのですが・・・






まあ、すべて目論見通りにいく確率はそう高くは無いでしょうが、ツユクサは保険として 夕方萎むとき、O字形雄しべが 雌しべを巻き込むように 自らを巻き取るのです。これで未受粉状態の雌しべも 確実に自家受粉が可能となります。




ママコノシリヌグイ - 布土海岸

2019-08-24 21:38:28 | みんなの花図鑑

布土(ふっと)海岸の植物、第3弾は ママコノシリヌグイ です。






ハマゴウの紫花の群れの隣にありました。やや湿地になってるところです。
湿地のタデ科というと ミゾソバを連想するけれど、その仲間ということで、なるほど 浜の湿地が似合う気がする。






名前なんて記号だから昔みたいにひどく感情的にならないけど、ママコノシリヌグイなんて名前、発想がすご過ぎる! よほど 刺されたとげが痛かったんだろう。





韓国では「嫁の尻拭き草」と呼ばれる。(wiki)




花弁に見えるのは萼片で深く5裂し、花被の基部が白色で、先端が桃色。(wiki)




ヤノネボンテンカ - 布土海岸(美浜町)

2019-08-24 21:24:41 | みんなの花図鑑

布土(ふっと)海岸、浜辺の植物、第2弾は ヤノネボンテンカ。
ハマゴウの群れのとなりにひっそりと生えてました。





ヤノネボンテンカも浜が好きなのでしょうか? ハマボウのブログにヤノネボンテンカがよく登場します。





ヤノネボンテンカは 表からより 後姿のほうがキレイ。そう、教えてくれたのは やうとこせさんでした。





もちろん アオイ科だから、シベが可愛いのは 確かなのですけど・・・





裏側の蛇の目傘の骨のように伸びる赤い筋は、ちょっと 艶っぽくさえあります。




ハマゴウ(白花)‐ 布土海岸

2019-08-24 15:17:33 | みんなの花図鑑

布土(ふっと)海岸のハマゴウ。つづいて白花のほうです。自生地は防波堤側です。





白花のハマゴウは青紫のハマゴウに比べ、比較的珍しいらしく、みんなの花図鑑では わざわざ「シロバナハマゴウ」として独立させている。





以前は クマツヅラ科に分類されていた(現在は シソ科。)





萼は長さ3-4mmの鐘形で5歯がある。花冠は長さ12-16mmになる漏斗状で、5裂し唇形になり、下部の裂片が他の裂片よりはるかに大きい。雄蕊は4個、花柱は1本で花冠を突き抜け、柱頭が2裂する。(wiki「ハマゴウ」)





果実は球形の核果で、水に浮き海流に流される。 
砂が吹き飛ばされて何mも横に伸びた茎が露出する場合もある。砂に埋もれても負けずに伸びるのは海浜植物として重要な適応である。(wiki)

やうとこせさん、ありがとうございました )^o^(



ハマゴウ - 布土海岸(美浜町)

2019-08-24 15:03:25 | みんなの花図鑑

ハマゴウ(浜栲、Vitex rotundifolia)はハマゴウ属の常緑小低木で砂浜などに生育する海浜植物。(wiki)





加賀の海岸に4kmにわたる見事な自生地があるのはネットの記事を見て知っていましたが、まさか愛知県にも ハマゴウの自生海岸があるとは!
やうとこせさんがブログで紹介されましたので、私も行ってみました\(^o^)/





やうとこせさんが今回紹介されてたのは 白花のほうでしたが、すぐ近くに この青紫の色の小群落もありました。





枝先きに長さ4〜6cmの円錐花序を直立し、淡青紫色の花を多数つける。花序の軸には灰白色の短毛が密生する。花冠は長さ1.2〜1.6cmの漏斗状、上部はで5裂する。裂片は下側の1個が大きい。雄しべは4個、雌しべ1個。果実は核果、直径6〜7mmの球形で、下部は萼に包まれる。(松江の花図鑑(樹に咲く花)より)





茎は地面を這い、半ば砂に埋もれて伸びる。(wiki)