バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

ふるさとのなまりなつかし、か。

2012-06-18 10:21:30 | 旅行
 大宮まで東武線、そこから長野新幹線に乗る。自由席車両だと時間によっては高崎辺りまで新幹線通勤の人で込み合う。それ風の人がドサッと降りると,次ぎは軽井沢で一団が降りる。その多くはリゾート客。降り立った人たちは一様にゆったりホームを歩く。誰一人としてせかせか改札に急ぐ人はいない。そんな一行を見送ると,車内は一気に緊張がゆるみ、空気が変わる。空いたからというだけでなく、ここから先は皆同県人という安心感がそうさせる様に思う。
 大宮駅でいきあたりバッタリで乗った夕方の新幹線は最初の停車駅が軽井沢だったから、通勤客の利用は少なく、大宮でぼちぼちの空席があった。荷物ビッシリ入ったコロコロは重い、大きい。邪魔にならない様に通路側の席をとり、足の前に置く。前の席は子連れ一行が4人掛けボックにしていた。子連れ集団はマナーが悪く辟易することが多いから他の席に移ろうかなと思ったけど,1時間程度のことだからとそのまま本を読み始めた。案の定少々うるさい。公共の場では静かにするという当たり前のしつけをしない人が増えたな、でもおばさんのおしゃべりも同じかなどと考え事をするでもなく、本を読むでもなく、その家族の会話を聞くつもりなくも耳に入ってきた。時おり甲高い幼児の声が混ざるものの、その会話は微笑ましいものだった。同乗者達も同じ様に,自然と視線はその家族に注ぎ,口元が緩んでいた。
 車内アナウンスが軽井沢停車を告げ,列車がホームに滑り込む頃にその一行は降り支度を始めた。「次ぎ降りるよ」などと子ども達を促す大人の言葉はないまま、子ども達すらも手慣れた様子で荷物を片付け通路に並んだ。別荘族か、と思う。幼児は車内の人に向かい「バイバイ」している。皆でこの家族を見送ろうとする空気に包まれたその時、通路の向こうから一人の女性がやって来た。通路をふさぐ家族連れに「邪魔だからどけ」と言うばかりのいらついた表情。察した母親が通路を空けると、家族連れを押しのける様にして、その空いた席にドサッと座った。さらには後ろを確認するでもなく、いきなりリクライニング最大にした。ムギューッと。ビックリしたのは私。おもわず「ちょっと」と声が出る。グイッと力を込めて椅子を押し返して、足とリクライニングに挟まれた荷物をはずす。が、その傍若無人な女性は無反応。この出来事で車内は一瞬にして凍り付いたように感じた。互いに顔を上げ辺りを見回していた人たちが,一斉に視線をはずしたのだから。
 軽井沢から先は和む。皆でさっきの家族の余韻を楽しめたところを、この一人の女性がぶちこわしてしまった。この人も長野県人なんだろうか。
 
 車内アナウンスは上田駅到着を告げる。さっきの家族連れみたいに、ドアが開く寸前くらいに手慣れた風にスッと席を立ちたいところだけど、窓側の若い子が降りたそうにもぞもぞしたので早めに席を立った。このコロコロは重い。降りる時に手間取りそうだから、最後に降りようと戸口から離れたところに立つ。すると二人目に出口に並んだのは臨席の若者。先はあなたでしょ,と言わんばかりに脇に寄っている私の後ろに並んだ。すると次ぎの人もその後ろに。いよいよ列車がホームに入り,ホームの安全ドアがあいても
戸口先頭を空けたままなので、「ではここは最初に来た私が」と先頭に入る。これで順番のバランスがとれた。やっぱり、みな上田人だね。






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