2011年3月11日、東北を襲った地震と津波。
私は中国江西省南昌市の大学宿舎で中国人の同僚からその報を得ました。
翌3月12日は、
中国CCTVの英語チャンネルで
津波が市や町を飲み込み、福島原発が大爆発する映像を
何度も、何度も、何度も、見ました。
あれから8年経ちましたが、
この日本全体にとっての未曾有の大災害を
忘れないこと、風化させないことは
かなり難しいことだと自分を省みて感じます。
その原因は、私が日本で生活する時間の少なさや
目の前の日常に振り回されて
「意識低い系」に成り果てているということもありますが、
厚かましくそのことを横に置いて指摘したいのは、
ネットニュースやメディア情報で取り上げられることが
極端に減っていることです。
被害日本大震災・福島原発事故と言い、
沖縄米軍基地問題と言い、
日本全体にとっての大問題は毎日途切れることなく
私たちに知らせ、警鐘を鳴らすのが
テレビ・新聞・ネット等のマスメディアの使命でしょう。
私たちはその情報から、
ハッと気付くことがとても多いのですから。
ところが、その仕事をメディアはきちんと果たしているとは
到底言えません。
もはや政府にとって都合の悪いこと、政府不信につながることは、
伝えさせないように
当局が圧力をかけているとしか考えられないのです。
メディアは踏ん張って、自分の使命を果たして欲しいと思います。
今も5万人を超す避難生活者がいること。
福島で事故当時を生き延びながらも、
その後亡くなった震災関連死者が2267人に上ること。
・・・毎年3.11が来ると更新されて示される数字、
これを単なるデータとするか、
1つの数字から1人の生きた人間の姿を浮かび上がらせるか、
個人の想像力とメディアの伝える力、
その双方が問われている・・・・・・って、
こんなことも当たり前のことなんですが……。
ジレンマに陥る今日この頃です。