大晦日、日本ではNHK紅白歌合戦を観て過ごす家庭が、まだ多いと聞きます。
私はその日本的「習慣」から外れて幾星霜も経ちます。
(わざとらしい盛り上げ方のショーだ)と確か高校生くらいの時思った記憶がありますので、
その頃には、「みんなが観るからみる・みんながするからする」ことから逸脱していたのでしょう。
中国では大晦日は2月7日の春節前夜になります。
今日は一学期最後の授業日で、
3年の日本文学史の講義、2年の日本語会話の試験をしました。
その話はまた後日書くことにして、
今日は一年の締めくくりに相応しいと思う記事を載せます。
山東省は戦時中から1946年2月まで父と母が住んだところです。
私の推定では1939年から1941年(か1942年)まで兵役についていた父ですが、
その父が中国で残虐な行為をしたのではないかと、
私は高校生の頃からずっと心配でした。
以前、まだ元気だった母が、
「父さんは兵隊では宣撫工作隊だった。中国語が上手だったから」
と話したとき、どれほどホッとしたかわかりません。
少なくとも、直接手を下さなかった可能性が高いと思えたからです。
しかし、山東省に来て戦争当時を彷彿とさせる地名を見つけたり、
ここ菏澤でも日本軍による性犯罪があったのを知ったりすると(下)、
もはや、ホッとすることなど許されない気持ちです。
日本軍がなぜ普通ではありえないほど酷い鬼畜生に成り果てたのか、
沖縄で米軍が戦後70年間で繰り返してきたことと重なり、
戦争に駆り立てられた人間の変化には、本当にぞっとします。
菏澤 | 馮庄 | 43.10.18 | 衆目注視の中で25歳の婦女を輪姦、陰部にコーリャン 殻を挿入、最後は刺殺 |
(中国戦線における日本軍の性犯罪-山東省・湖北省の事例- 笠原十九司)
http://www.ne.jp/asahi/tyuukiren/web-site/backnumber/06/kasahara_seihanzai.htm
笠原十九司さんの業績を否定し、
「彼のやっていることは伝説を事実だと強弁することであり、彼の発言はファンタジーだ」
という主張もあるようです。⇒yamamoto8hei.blog37.fc2.com/blog-entry-186.html
つまり、日本軍はそんなにひどいことをしていないと言いたいのでしょう。
下に実際に兵士として山東省に出兵した人(田村豊さん)のなま証言があります。
多くの元兵士は、あまりに酷いことをしたのでとても語れず、それをいいことに
日本軍の残虐行為はなかったと主張する傾向が強まっている日本ですが、
田村豊さんのように、人間の良心を振り絞って証言してくださる人が続くことを
心から願います。
歴史の事実は政治の都合で捻じ曲げたり、なかったことにしてはならないのです。
ウソの歴史は学ぶ価値などありません。
来年が少しでも良い年になりますように!