毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

駅前を通る人びとの表情がスゴイことになって

2024-07-06 23:18:40 | 街角

一昨日の夕方、地元の阪急駅前で署名活動をしました。

「来年予定されている大阪万博に学校から子どもを連れていかないで!」

というものです。

かねてより息子の店を使って食糧支援活動をしている新日本婦人の会の方に

一緒にやらない?と声をかけていただいたので、

カジノ誘致の地ならしとして大阪万博を無理くり強行する維新に対して

腹立たしい思いしかなかった私は、ほいほいと出かけていきました。

自宅から駅まで自転車で10分もかからないのでお気軽参加です。

3月28日のガス爆発以降も

日々平均1.5トン発生するメタンガスのみならず、

腐卵臭を放つ有害な硫化水素、

さらには要緊急対処特定外来生物に指定されているヒアリまで登場する

という惨憺たる事実もお構いなく

吉村大阪府知事は、児童生徒を100万人無料招待すると豪語して

(つまり万博成功のための動員、招待ったって全部税金でしょ)

大阪府下全校に「参加アンケート」を取りました。

6月初めの集計では7割が参加希望と回答したとのことです。

しかし、そのアンケートというのが狡くて、

「不参加」の欄がなく「参加」か「保留」かの二択なのですって。

さすが維新ならでは。

交野市はこの動員には参加させないことを決めましたが、

他の市は学校の判断にまかせたようです。

参加すると返事したある学校の校長は

「参加する」以外受け付けないという圧を感じたのでしかたなく…と。

この、強いものには従い、長いものには巻かれ、

間違っていると指摘もしない風潮こそ日本をここまで腐らせた元凶です。

 

夕方5時から40分ほど駅前でビラ撒き・署名活動をしていて

通り行く人々の顔がすごいことになっているのを発見しました。

まるで能面、あるいはゾンビなのです。

政治的なにおいがする活動には、今、人々はこのように反応するのか、と

今更ながら驚き、

有権者の5割が投票に行かない現実が、その顔の表情を見て納得できました。

でも、この表情は政治に対してだけでしょうか。

電車で通勤しているある友人が、

「電車通勤嫌だわ。みんな人でなしに見える」

「人身事故で遅れると放送された時、

『チッ、何でこの電車に飛び込むかな、次のにしてくれよ』とか

『携帯充電しないとアカンのにどうしてくれんねん』とか文句言ってる」と。

日本、凄いな。

かつて中国の大学で学生たちに

日本の家族が祖父母や親せきとともに暮らす大家族制から遠く離れ、

概ね核家族化していることを「日本人は冷たいですね」と批評されるたびに

「いや、それは社会を都市と農村に引き裂いた資本主義経済の為せる業であり

日本民族の持つ本質ではない」と反論していたことを思い出します。

今は「日本人は冷たい」と言われても否定し難いです。

 

明日7月7日、息子たちがその駅前で手作りイベントをするのですが、

能面の人々はまた違う顔を見せてくれるのでしょうか。

テキストの画像のようです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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読書会「玄冬会」

2024-06-14 22:24:51 | 街角

木漏れ日 同じ輝きは二度とない

 

2020年1月初頭、冬休みの一時帰国のつもりで中国山東省の大学から日本に戻ったのですが

コロナパンデミックによって移動できなくなりました。

仕事は6月までオンライン授業を続け、その後辞めました。

ほぼ同時期に息子の店を背負って立たざるを得ない事態になったためでもあります。

慣れない店の厨房に朝から晩まで12時間張り付く毎日が一年半以上続きました。

喜界島の俊寛さんよりはマシだと自分に言い聞かせていても、

今振り返れば、心身共に相当疲弊していたようです。

 

息子の体調が回復し始めた2021年の12月から息子の店で読書会を始めました。

この会は私にとって精神的な希望の光でした。

呼びかけに応じてくれたのは退職教員やブティックの元オーナーなど

私の大切な友人女性たちでした。

テーマは初回の〈『苦海浄土』を読む〉に始まり、

〈百人一首・お気に入りの一首紹介〉、

〈石母田正『物語による日本の歴史』を読む〉

〈『平家物語』〉〈『源氏物語』〉〈『樋口一葉』〉〈鴎外・漱石〉

〈お気に入りの詩・歌・絵本の紹介〉などなど

風の向くまま気の向くままに課題を決めてひと月かふた月に一度集っています。

高校生(いや、中学生?)レベルの内容かも知れませんが、

何十年もあくせく働いてばかりで

じっくり本を読む時間を取れず生きてきた私たちには、

そんなお気楽な内容の会でも十分楽しいもので、今でも続いています。

 

その会「玄冬会」の大切な友人の一人がこの6月9日に逝きました。

先月、総勢7名が病で遠出できなくなった彼女の家に集まり、

〈森崎和江の人・作品〉をテーマにいつものように各自各様の発表とお喋りをしたのです。

それが彼女に会う最後になるなどと露ほども疑わず…。

 

彼女は普段の会で、一つの方向に固執しがちな私の視点に、いつも

もう一つの見方を提示してくれる貴重なアドバイザーでもありました。

もちろん、彼女自身も一つに拘る場面もあって、

それに対して別の角度の観方を提示し考えを交歓するのは討論の妙なる面白味でした。

先月の例会で彼女は、

「売春婦という言葉は使われるが買春夫はない。買わなければ売ることもないのに。

自分の夫や息子が買春夫になっていないか考えてみるべき」と自分の視点を表明し、

「日本では余りに性をタブー視して暗い陰惨なものにしている。

幼い頃から男女の付き合い方を大人も子どもも、男性も女性も学んでいく必要がある」

とレポートを結んでいます。

LGBTQまで視野を広げていないにしても、

命が尽きる一か月前まで彼女は、社会正義を貫くために

可能な限り客観的・多面的に物事を見るという立場を堅持していました。

レポートは本を何冊も図書館から借りて読み、思索した内容でした。

この会の一週間後、彼女はホスピス医療を施す病院に入院しました。

 

最期まで、カッコいい女(ひと)でした。

私は私の最期まで、きっとあなたを忘れないでしょう。

Rest in peace...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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白菜値段高騰、キャベツ高騰、生活疲弊、それでも政府は消費税を止めず

2024-05-17 13:48:06 | 街角

 

上の写真は2日前、近所の業務スーパーのもの。

業務スーパーと言えば西日本では格安スーパーの代表に挙げられる食品小売店舗だ。

小規模飲食店を経営している息子はコロナ以降仕出し弁当の製造販売で糊口をしのいでいる。

その息子に写真を送ると、

「何とかメニューを工夫する努力をしてみる」とのこと。

長引く物価高騰で収益は確実に減っている。

これでは弁当箱のサイズを小さくするか、食膳量を少なくするか、

もしくは弁当代を値上げするかしかないと私は思うのだが、

息子は職人のプライドからか、そういうことを良しとしない。

弁当を買ってくれている作業所の人たちは量と品数の多さを何より喜んでくれるのだそうだ。

コロナ勃発でとことん困った店が、何とかやってこれているのは

作業所が仕出し弁当を注文してくれるようになったからで、

息子はそのお得意さんをとても大切に思っている。

ケチな私は心中(このハンバーグ大きすぎるんじゃないの)とかブツクサ言っているが、

まあ、元気になった息子が頑張っている限り、応援するしかない。

こんな時、消費税をなくしてくれたらどれほど現政権の株が上がるだろう。

しかし、あの人らはそんなことしない。庶民など人間だと思っていないのだから。

「政府に頼るな、まず自分たちで自助努力しろ」(菅首相)

「あなた方は貧乏になる自由と権利がある。成功者の邪魔するな」(竹中平蔵)

庶民はなぜこういう立場の政治家を支持するのだろう。意味わからん。

・・・・・・・・・・・・

新婦人の会尼崎支部東園田班有志は5月12日に17回目の「食のおくりもの」を行った。

「政府が十分な対策をしないからみんな困っている。困ったときはお互い様。

コロナ不況が収まるまで続けられたら…という思いで始めた」

と創始者の一人であるNさんは語った。

今、コロナの疫病は一応落ち着いたかに見えるが、

不況はさらに、どんどんエスカレートしている。

お金や物品の寄付で成り立っているこの活動だが、

米を寄付してくれていた農家さんが廃業するなど、

本当にいつまで続けられるか分からない状況だ。

有志の人たちも身体のあちこちが痛む中、それでも淡々と続けている。

コロナワクチン接種直後に亡くなったメンバーもいる。

 

それでも、弁当を受け取った女性が「本当に助かります」と言ってくれたと喜ぶ有志たち。

国民が這うようにして助け合っているからと言って、

政府はいつまでも調子に乗らないでもらいたい。

私は次の選挙で間違っても自民・公明・維新・国民民主・立民には投票しない。

(立民は泉体制がチェンジすれば考えないでもないけどさ)

 

↓贈り物の食品を袋詰めするメンバーたち。すっかり慣れた手つき。

↓頭痛を押して参加したメンバー。ちょっと痛々しい。

 

 

 

 

 

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10月1日食の贈り物(第14回)

2023-09-29 22:16:52 | 街角

⤴手作り感満載のこの看板は、「新日本婦人の会」地元有志作成のものです。

 

「新日本婦人の会」(略称:新婦人)東園田班有志は

はじめ主にコロナ禍で苦しむシングルマザー支援を目標にしていましたが、

話し合う過程で「不況に喘いでいる庶民同士、みんなで助け合おう」と幅を広げ

2020年末から息子の飲食店「DOLMEN & 遊」を使い、

仕出し弁当や米や野菜、食品などを無償配布する活動をしてきました。

息子の店としては仕出し弁当を新婦人の会に買っていただきつつ、

同時に社会参加できるという二重のありがたみに浴してきた次第です。

メンバーは仕事を退職した年配の女性が中心ですが、男性も参加していて

「命があったら次回も来ます」と冗談か本気か(笑)の挨拶が交わされます。

14回も続いているこの活動で

年配者の淡々と継続する力(りき)まないパワーも

今の地域社会をガッツリ支えているんだなあとシミジミ感じます。

自分も含め、ちょっと年寄り自慢です。

(て言うか、若い人たちの人数少ないから仕方ない……)

 

 

昨日書いた彼岸花が今朝、開花しました。

この花をこんなに近くからまじまじと見たのは初めてです。

故郷北海道にはない花です。

「白い花なら百合の花 

 黄色い花なら菊の花 

 悲しい恋なら何の花

 真赤な港の彼岸花 ・・・」

浅川マキさん、彼岸で元気にやっていますか。

此岸はねえ~、なんかねえ~ マキさんが恋しいですよ。

 

 

 

 

 

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6月19日「あの、お弁当ありますか」

2023-06-19 18:12:31 | 街角

↑写真は前回3月(第12回)の「食のおくりもの」の準備しているところです。

看板の右下に「必要な方はどなたでも ぜひお越しください」

と書いてあります。

 

2020年、第一回の「食のおくりもの」をする前のミーティングでは、はじめ

「お困りの方はどなたでも ぜひお越しください」

と書こうという案だったのですが、

その時、ある意見が出ました。

「『お困りの方』なんて書いたら、本当に困っている人は来られない。

誰でも来ていいんだと思えて初めて来ることができると思う。

それに支援者は、困っている人とそうでない人を見分けることなどできないし、

ふるいにかけることももちろんできない。

所得証明書を見せろなんて言えないし。

だから、『みんな来てください』でいいと思う。」

皆、それを聞いてそれもそうだということになりました。

 

13回も続けるうちにはいろいろなことがありましたが、

私は店の中にいるので次の事例は後で聞いたことです。

 

何回目かのその日は一家族?が6人、それが二家族で並んで一人一つずつ持ち帰り、

50食用意した弁当があっという間になくなってしまいました。

バーゲンセールでおひとり様一つ限りの商品を身内総動員でゲットする手法です。

弁当は無料サービス商品と同様に考えられたのでしょう。

でも、こんなことをしているうちに小さなこの園田の街に

「あそこでときどき、お弁当やらを無償配布しているよ。」

という評判がたち、おなかを空かせた子どもたちが

恥ずかしがらずに並んでくれたらいいなと思います。

 

別のある日は冬で、終日雨でした。

寒いし雨なので、少し余った弁当はボランティアスタッフが

500円で夕食用に買い、早めに活動を終えました。

その後、ボランティアのKさんたち二人が残り、店でコーヒーを飲んでいた時です。

5、6歳の女の子がひとり、傘をたたんで店に入ってきて、

緊張した面持ちで「あの、お弁当はありますか」と聞くのです。

一瞬、私はなぜか、キツネの子が町のお店に手袋を買いに行くお話が頭をよぎりました。

私は「終わったからもうないのよ」と言いました。

こういうとき、私の脳みそは融通も何もあったもんじゃないのです。

その時、カウンターでコーヒーを飲んでいたボランティアのKさんが、

「あ、あるよ、あるよ。ぼくのをあげる。これ持って帰りなさい。」

と言って、500円で夕食用に買い上げた弁当を女の子に渡したのです。

女の子はあくまでも丁寧体で、

「あ、いいえ、いいです。」と生真面目に遠慮しましたが

Kさんが上手に勧めると少しだけホッとしたような顔になり

「ありがとうございます。」

と持って帰りました。

本当に、外見は5歳か6歳ぐらいにしか見えないのに、

大人びた言葉遣いや様子でした。

(どんなおうちなのかな。それにしても、Kさん、グッジョブだったな)と思いました。

 

また別の事例です。

秋でしたが、雨が降った翌日、店に年配の男性が歩行器を操作して、

コロナのために開け放した入り口から

ガタピシと(凸凹があるので)不自由そうに入ってきました。

「昨日はお弁当の無償配布があったんだよね。

ぼくは来たかったんだが、歩行器の操作に両手を使うから

傘がさせない。だから来られなかったんだよ。」

聞けば80歳過ぎで一人暮らしの近所の方でした。

その時はランチもしていたのですが、

「ソーメンはないの?」と聞かれて、

「うちはソーメンはないです」と、また融通の利かない返事をしたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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6月3日 明日食糧支援13回目

2023-06-03 20:35:22 | 街角

〈簡単なご報告〉

2020年初頭以来のコロナパンデミックにより中国渡航を中止し、大学は退職、

それと軌を一にして、

飲食店を経営していた息子が病で店に出られなくなり、

及ばずながら私の厨房(穴ぐら)生活が始まりました。

・毎日々々の包丁遣いによる腱鞘炎発症(人生でこんなに大量の料理作ったことない)、

・カルシウム不足で簡単に右手首骨折(店に行く途中、自転車でちょっと転んだだけなのに)、

・店の残り物を食べているうちに異常な体重増加(最近ようやく減量しつつあり)、

・・・・・・

自分だけ世界から取り残された感がありましたが、

(いやいや、喜界島の俊寛さんに比べたら…)とか我が身を慰めているうちに

息子がなんとか回復して店に復帰したので、

今は店の会計だけ手伝っています。

厨房に入らなくてもいい解放感たらありません。

ほんま、病気治ってよかった(泣くほど嬉しい)。

一時はコロナのため、

仕出し弁当を専門にしてランチも夜パブも一切していなかったのですが、

最近は息子が週に一度、水曜昼だけランチ、金曜夜だけパブを再開したようです。

 

「新日本婦人の会」(平塚らいてう、岩崎ちひろ、野上弥生子などが創設)の

地元の活動グループが不況に喘ぐ庶民同士、助け合うという趣旨で

一昨年から店の仕出し弁当プラス寄付の米や野菜、食品などを

無償配布する活動をしています。

明日6月4日は13回目の食糧支援活動の日です。

もし、来られる距離でしたらどうぞお越しください。

私が美味しいコーヒーを点てましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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