「海と風の宿」では新聞をとっていませんでした。
宿に到着して翌日、病院のオーナーから、
「あの、うちは赤字なので新聞代は今までお客さんが払ってくれていたんですけど、
ちゃんと届いていますか?」
と、意味不明な電話がかかってきました。
正直者の私は、
「私の長い長い人生において、お客が新聞代を払う宿屋に遭遇したのは、
生まれて初めてです。」
と、驚きを隠さず述べたところ、オーナーは宿屋が赤字だったから~、と繰り返し、
しかしながら、今後は自分が新聞代を負担すると明言したのです。
その翌日から毎朝、琉球新報が届くようになりました。
もちろん、お客さん方が、wifiが開通したことと新聞が届くようになったことを
大歓迎したのは言うまでもありません。
ほとんどのお客さんは辺野古の基地建設反対闘争に来ているのですから、
辺野古情勢や政府交渉などを日々チェックしたいのです。
紙の新聞を読む習慣が無くなって長い私ですが、
久しぶりに読むと、やはりいいものだと感じました。
WEBニュースは、一旦保存すると溜りに溜り、
その記事を探す気持ちすら萎えてしまいがちなのですが、
紙の新聞は切り抜いておくと、まるで本を読む感覚で再読できるのです。
紙に馴染んで生きてきたので、簡単には紙文化から離れることはできないなあ、と
再認識しました。
琉球新報も沖縄タイムスも、論調の違いは分かりませんが、
名護市からここに来るタクシーの中で、運転手さんから心に残る言葉を聞きました。
次のようなものです。
「沖縄の新聞は地方紙なのに、ずっと、政府を相手に舌鋒鋭く頑張っているけど、
本当は、それは本土の全国紙の仕事ですよ。
沖縄県の地方紙がこんなに連日頑張っていても、本土の新聞やテレビで
どれだけ沖縄の基地のことを取り上げてくれていますか。
ほとんど載せてくれていないでしょう。
もう、沖縄県民は辛抱し過ぎて、疲れて果てているんですよ。
地方紙には、地元のローカルな話題が欲しいのに、
沖縄タイムスも琉球新報も基地のことを載せるので精いっぱいで、
紙面の余裕がないですよ。
これだけ頑張っているのに、もし、今度日本政府に潰されたら、
沖縄県民は自棄を起こしますよ。
もう、何をやったってむださー、と絶望しますよ。
本土の人たちに、そんなギリギリの沖縄県民の心を知ってもらいたいです。
ぜひ、沖縄に来て、県民の声に耳を傾けてもらいたいですよ。」
確かに、琉球新報を読むと、産経、読売は言外として、
毎日、朝日も頭が下がるような気迫が感じられます。
しかも、琉球新報の取材に対してノーム・チョムスキー氏がメッセージを寄せていたり、
実にインターナショナルな繋がりを持つ大記事が多いのです。
明日はその新聞記事から一つ、ダグラス・ラミスさんの文章を
ご紹介します。
なぜ明日かと言いますと、今からお風呂の掃除と庭の草ぬきをするからです。
では皆様、御機嫌よう~。