9カ月半という長い期間をかけて調査された
兵庫県百条委員会の報告書が県議会で今日、採択されました。
調査は「(斎藤知事側が)公益通報者保護法に違反している可能性が高い」
「(亡くなった元県民局長による)告発文書のパワハラに関することは概ね事実」とし、
ただ事実を評価するに止まらず、
今後の県政へのていねいな提言まで書かれてありました。
例えば、こんな文も。
〈パワハラ問題への提言〉
・知事、副知事などの特別職を含め管理職等のアンガーマネジメント研修などを行い、風通しの良い職場環境が確立できているか定期的に検証する仕組みを取り入れること。
・チャットやメールについては、特に夜間や休日に指示をする際には、緊急性を要する用件のものに限るか、緊急性がないチャットやメールには即時の返信を必要としない、あるいは返信を求めないなど取り扱いを定めること。
・齋藤知事は、組織のトップとして、自身の言動が組織に及ぼす影響を常に意識するとともに、多様な意見に耳を傾けることで率先して働きやすい職場づくりに努めること。
私はこの文章の行間に、
人格破壊を狙うような卑劣で理不尽な攻撃に晒されながらも、
歯を食いしばって報告を完成させた奥谷委員長や丸尾議員、
そして、無念にも亡くなってしまった
竹内議員の顔が浮かんでなりませんでした。
そもそも二元代表制(知事・議会が互いにチェックし合う)を敷く
地方自治にあって、
百条委員会の報告は議会の「伝家の宝刀」に当たるものであり、
知事はこの報告を”死刑宣告”レベルの重みで受け取るのが
今までの地方自治であったと。
しかし、あの斎藤は、今まで通り「文書は誹謗中傷性が高い」と繰り返し、
「公益通報者保護法に違反している可能性が高いということは、
適法だという可能性もあることだ」とこじつけ、
不利益な取り扱いをしてはならないという通報者保護法を無視して
県民局長を停職3か月にしたことを
県議会に「撤回すべき」と示されたにもかかわらず、
「不服申し立ての機会があったのに県民局長はしなかった」
「もう確定している」
と、拒否しました。
彼は自分の意見と異なることには全く耳を傾けません。
亡くなった人へも攻撃の手を緩めるどころか、
今日の記者会見では今まで言ったことのない
「県民局長がわいせつ文書作っていた」とまで言い、
(註:わいせつ文書とは百条委が「小説か日記か分からない」と言ったもの)
自分を通報した元県民局長が、
何とかして不利益を被るようにエネルギーを費やしているのです。
記者会見の様子を動画で見ていると、
斎藤という人は人格的にとても小さい器しか持っていないと感じます。
しかし、記者会見の後の会場外には
中学生でも分かる民主主義の筋道を理解しない斎藤支持者たちが待っていて、
「斎藤さんがんばれ」だの「サインして」だのと知事を取り囲み、
斎藤さんはニコニコとそれに応ずるというシーンが繰り広げられます。
まさに、分断を作り出し、深めているのが斎藤という政治家です。
「政治は人民を成長・成熟させなければならない」
先日の県民集会で内田樹さんが述べたこの言葉の実践者を
私たち選挙民は選ばなければならないのですが、
もし、再び議会が知事に不信任決議を上げ、県議会議員選挙になったとしても
考える力が退化した県民が蔓延る今の兵庫県では
どんな議員が当選するか、まったく楽観できません。
☟下は菅野完さんの動画「百条委員会報告書を読む」です。
5:16頃に奥谷さんが挨拶する場面が映り、グッときます。
☟【百条委3月4日】最後の百条委を終えた後の記者会見・・・声を詰まらせ涙を流す奥谷委員長 丸尾委員・・・それぞれの委員の想い
☟ 兵庫県議会 文書問題調査特別委員会(百条委員会) 調査報告書 ☟
https://web.pref.hyogo.lg.jp/gikai/iinkai/index/tokubetsu/bunsho/documents/bunshohoukokusho.pdf
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