*「空爆で逃げ惑うシリアの子供たち」(9)
… 空爆の恐怖に子供たちが泣き叫ぶ。
日本は「有志連合」の空爆にたとえ間接的にでもかかわるべきではない。
非力な子供を殺すことより大きな罪はない。悪行を積み重ねれば、必ずその報いを受ける。
https://news.vice.com/…/activists-want-the-us-to-warn-syria…
―――↑写真と文はフェイスブックより借りました。
『自由と民主主義』への絶望…。
人は簡単に絶望したりしない、と私は思います。
と言うのは、私自身、日本の現状を見るにつけ、
しばしば絶望感に襲われるのですが、
砂漠化する心を撫でつけ、治め、(さあ、絶望している場合じゃない)とか
自分を鼓舞して何とか日々を過ごしているからです。
それなので、下の志葉玲さんの記事の中で、
「テロの根源にあるのは『自由と民主主義』への絶望」という言葉に触れた時、
そうした気持ちになるまでには、
本当によほどの事態に遭遇し続けてきたのだと想いました。
「テロ壊滅」と声高に叫ぶ有志連合とその仲間たち(アベ首相、即ち日本も含む)が、
誠実に歴史を振り返るという作業をし、それをもって話し合いの席につくことなど、
過去に一度でもあったか、はなはだ疑問です。
自分の都合でいたずらに「テロ」集団を育成したり、切り捨てたりしてきた
アメリカをはじめとする列強が、
声高に「自由と民主主義の名においてテロを許さない」と言うとき、
「いや、テロ国家はまずお前やろ」と、突っ込みが口から漏れ出ます。
しかし、そんな有志連合の仲間入りを果たしてホクホクしている安倍を
首相にいただいているのが、私という日本人です。
私は日本人であるということの恥をずっと胸に抱いて生きてきましたが、
これ以上、更なる恥の更新だけは、何とか食い止めたい。
そう思っています。
それにしても、そんなに時間がありません。
―――志葉玲 | フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)2015年11月17日 7時30分配信
ISを空爆するより、Facebookプロフをフランス国旗化するより、大事なこと―パリ同時多発テロ
今回のテロを受けて、安倍首相を含む各国の首脳は、次々にテロの根絶を誓う声明を出している。だが、あえて言おう。今後、世界各国がシリアのラッカや、イラクのモスルへ猛空爆を行ってISの拠点を殲滅したとしても、IS指導者バグダディやISの幹部らを皆殺しにしても、テロは根絶できない。まして、Facebookが公式で呼びかけている、プロフ画像をフランス国旗の色にするキャンペーンも、パリのテロ被害者に共感するという点では意味はあるにしても、テロをなくすためには、何の意味もない。
何故、テロが起きるのか。IS的な過激思想に走る人間が出てくるのか。その根源には、「自由と民主主義」への絶望、そして憤りがある。空爆された市場で、猛烈な爆撃で地面ごとえぐり取られた民家跡で、血と膿と消毒薬の匂いただよう病院の中で、悲しみ、憤る中東の人々の、心が千切れるような絶叫を、私は何度も聞いた。
「これが、自由なのか!?民主主義なのか!?」
イラクや、アフガニスタン、パレスチナ、そしてシリア・・・中近東の罪のない民間人を何人殺そうが、「自由と民主主義を愛する」国々の人々がその責任を問われ、裁かれることはない。「自由と民主主義を愛する」国々は一方で、人々を抑圧し、その権利を奪いとっている国々を支援している。そのダブルスタンダードへの絶望と憤りこそ、IS的な過激思想が広がる最大の要因だ。だから、仮にISの指導者らを殲滅したとしても、その過激思想を引き継ぐ者達が現れ、テロを繰り返すことになる。
テレビで戦争のことを報じていると、途端に視聴率が下がり、戦争の現実である凄惨な映像は「視聴者からクレームが来るから」と放映されないか、何が写っているかわからないくらいボカシが入れられる-そんな日本のメディアばかり観ている人々には、おそらく想像がつかないだろう。多くの場合、中近東の国々では衛星テレビで、各国の状況が日々報じられている。そう、中近東の人々はそれこそ、毎日の様に同胞達が虫けらのように殺されているのを日々観ているのである。或いは、彼ら自身の目で文字通り目の当たりにしているのだ。そんなことを、第一次中東戦争(1948年)以来、中近東の人々、イスラム教徒の人々は、ずっと、繰り返し経験しているのである。
私の知る中近東の人々の多くは、暴力を嫌う、平和的な人々だ。だが、そんな彼らでさえも、やはり欧米諸国の「自由と民主主義」のダブルスタンダードには、辟易している人々も少なくない。まして、この間の「対テロ」戦争で、理不尽に家族や親族を奪われた人々の一部から、欺瞞に満ちた「自由と民主主義」と決別し、過激なテロリズム思想に走る者が出てくるのは、止められないことだろう。パレスチナで取材していた時、現地の人々から聞いた話が耳に残っている。「自爆テロ犯の若者は、自爆する前から心が死んでいる。全てに絶望している。だから、自分が死ぬことも他人を殺すことも躊躇しない」。
米軍による空爆下のイラク首都バグダッド取材時に出会った、イスラム義勇兵達のことも忘れがたい。「俺達はイラクの同胞を殺そうとする米国と戦う。そのために全てを捨てて各国からイラクに来た」。これから戦地で命を落とすことになるかも知れないわりには、義勇兵達の顔は晴々としていたことが印象に残る。米国から見れば、彼らはテロリストだが、彼ら自身は命を代償にし得る彼らの「正義」があるようだ。もっとも、彼らのうち、ISに参加した者もいると思われ、それは私の気を重くさせるのだが。
今後、世界各国が協力して、例えIS自体を殲滅したとしても、中近東やイスラム諸国の人々の苦境が続く限り、IS的な過激思想は、国境を超えて広がる。新たなIS的な組織、或いは個人の単独犯が現れ、結局テロを根絶させることはできない。では、どうすればいいのか。世界各国が目先の利益を優先するのではなく、本当の意味での「自由と民主主義」を実現するために努力することだ。ISのような過激思想が支持されるような要因を排していくことだ。多分、それは非常に困難なことだろう。欧米諸国だけでなく、パレスチナ占領を続けるイスラエルや、国家として人権意識があまりに希薄なロシアや中国もその政策を見直すことが求められるからだ。しかし、それでもやらなくてはならない。
許されざるものは、テロだけではない。戦争や占領、そして抑圧と差別という構造的な暴力も含め、全ての暴力を許してはならないのだ。「自由と民主主義」を標榜する国々こそが、暴力ではなく話し合いや法によって物事が解決するということを、率先して示していかないといけないのである。そして、イラク戦争を支持し、安保法制が強行採決された日本において、それは私達自身が直面する課題でもあるのだろう。
(了)
パレスチナやイラクなどの紛争地取材、脱原発・自然エネルギー取材の他、米軍基地問題や反貧困、TPP問題なども取材、幅広く活動する反骨系ジャーナリスト。「ジャーナリスト志葉玲のたたかう!メルマガ」 http://bit.ly/cN64Jj や、週刊SPA!等の雑誌で記事執筆、BS11等のテレビ局に映像を提供。著書に『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共編著に『原発依存国家』『母親たちの脱被曝革命』(共に扶桑社新書)など。イラク戦争の検証を求めるネットワークの事務局長。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shivarei/20151117-00051529/
――――――以上全面掲載させていただきました。
↓下もフェイスブックの写真と文です。見たくないとかいう問題じゃないです。
ピンポイント爆撃など、所詮こんなものだ。アメリカは無人爆撃機要員に、民間人を雇うという。無人爆撃機で首相官邸を狙ってくれ。
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