政治倫理審査会で裏金、政治資金問題の不正疑惑が晴れるなんて
庶民は誰一人思っていないと思うが、
開くと言ったり(ちゃんと説明責任果たしたというアリバイ作りのため)、
いや撤回すると言ったり(非公開が原則なのに公開なんてムリだとか)、
経過もグチャグチャだ。
当初「私の知り得ること、知っていること、すべて正直にお話ししたい」
と言っていた西村コーネン前経産大臣が、
「テレビカメラは嫌だ」と駄々をこねて28日開催が急遽中止された。
結局、岸田首相が公開出席を表明して2/29、3/1に開かれることになった。
しかし岸田首相なんかが会に出席して
いつものコンニャク答弁で無駄に時間を取るぐらいなら
安倍5人衆のうち最大の裏金2728万円を入手した萩生田光一や、
5年で50億円(1カ月当たりの平均値8333万円)の政策活動費を受けた二階俊博に
政倫審に出席を指示するほうがよほど有益だったろうに。
なにしろ現自民党総裁なんだから。
まあ、あのヘタレは二階や萩生田に「出席しろ」なんて電話もできないだろうけどね。
© 毎日新聞 提供
高木毅前国対委員長は非公開を希望していた一人だが、
岸田首相が公開出席を発表したら
「やっぱり説明責任とか、国会の状況を見るとオープンでやるべきだな、ということは思っていた」
と簡単に身を翻すフットワークの軽さ(笑)。
この高木毅は「パンツ泥棒」「パンツ高木」として有名だが、
それは若く未熟だった頃の過ちだったと生温かい目で見る人もいるだろう。
もっと看過できないのはこの人のおやじ高木孝一だ。
高木孝一は、敦賀市議を2期、福井県議を4期つとめた後、
1979年から95年の16年間、敦賀市長として市政を牛耳った地元政界のドンだが、
市議、県議時代に敦賀原発誘致の旗振り役を担い、
市長時代、敦賀原発の2号機建設を推進した筋金入りの原発推進派だった。
私が十数年前に知って衝撃を受け、パソコンに保存したのが次の発言だ。
1980年代はじめ、あの能登地震の地、志賀原発の建設計画が持ち上がったとき、
志賀町に出向いて講演を行った際のものだ。
「(原発誘致で)その代わりに百年たって片輪が生まれてくるやら、五十年後に生まれた子供が全部、片輪になるやら、それはわかりませんよ。わかりませんけど、いまの段階ではおやりになったほうがよいのではなかろうか」
敦賀原発ではこの少し前に、コバルト60とマンガン54が漏洩するという
重大事故が起こり、さらにそれを隠蔽するという
「事故隠し」が大きな問題になっていた。
そんな状況で「子供が片輪になっても」などと発言する人物が
パンツ高木氏の父親だ。
また、次のような言葉もある。
原発推進派の考えを端的に表すものだろう。
「原発をもってきさえすれば、あとはタナボタ式にいくらでもカネは落ちてくる。早い者勝ち!」
言い換えれば「子や孫はどうでもいい、金、かね、カネだ!」と言っているに等しい。
もし、今回の能登地震で志賀原発が稼働していたら…と、
日本中の人々がぞっとしたはずだ。
原発については、この高木おやじの発言と今回の能登地震とを見比べて判断したい。
・・・さて、こんな人の子どもが高木毅で裏金の人だ。
高木孝一発言の参考書:『日本の原発、どこで間違えたか』(内橋克人/朝日新聞出版)
〈付記〉政治倫理審査会メンバー25人(うち自民15,立憲5,公明2,維新・教育2,共産1)
泥棒仲間が泥棒を審査する構図丸見え。これを日本語で「茶番劇」という。