今頃、日本では選挙活動でくたくたになった心身を休めながら、
今回の選挙結果を分析し、次の行動に備えている方がたくさんいらっしゃると思います。
私も、外国にいて見える日本の選挙状況について
頭の中を整理整頓してみよう、
と思ったのもつかの間、これから12月はじめまで、
土日の休息日も返上して仕事をする羽目になってしまいました。
(もちろん今日も)。
一つは、山東省・和歌山県共催の「日本語スピーチコンテスト」に出場する3年生の特訓、
二つ目は、12月はじめの日本語能力試験対策の特訓です。
こうなってくると、もはやボランティア活動ですが、
これも私の「できることを、できる場所で」の一つです。
今日は選挙に行かなかったウーマン村本大輔という人の
興味深い記事を見つけたのでご紹介します。
(長いので3分の1だけ。全部読みたい方用に一番下にサイトを記載してあります)。
この若者の話は長いですが、途中で短気を起こしてしまいそうになったら、
今の非寛容的な社会風潮に染まっているかも、と思い返して
じっくりお茶でも飲みながら若い者の話を聞きましょう。
どうも村本さんは一生懸命、まじめに話しているのです。
そして、どうも棄権を呼びかけているのではなく、
投票率を上げるためには、その前に政治に対する興味を上げなければならない、
そのためには何をしなければならないのかを考えての行動のようなのです。
私などは、今回の選挙はもう日本国の形が崩れてしまう瀬戸際のものだ
という危機感がありましたが、
そうですね、選挙のこと、政治のことを、知らない人は
とても、とても、多いのですね。
「本当はみんな、投票にモヤモヤしてるんでしょ」 ウーマン村本大輔が選挙に行かなかった“ワケ”を語る
「非国民」か、「目立ちたがり屋」か。「投票に行かなかった」真意は・・・・・・2017年10月27日 18時40分 JST | 更新 2017年10月27日 20時12分
Kei Yoshikawa
インタビューに答えるウーマンラッシュアワーの村本大輔さん(2017年10月26日= 吉本興業東京本部)
「声を大にして言う。僕は今年は選挙に行かなかった」――。お笑い芸人「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さんが、衆議院選挙の投開票日の翌日にそんなツイートをしたところ、約6000回もリツイートされ、炎上した。
選挙権は、国会に送る自分たちの代表を選べる大切な権利だ。できれば有権者全員が投票にいってほしい。村本さんは「義務を果たしていない」「民主主義を否定している」などと、多くの批判を浴びた。
彼は「非国民」なのか、単なる「目立ちたがり屋」なのか、それとも...。吉本興業東京本部でハフポスト日本版の取材に応じた村本さんは「一票の重み、と言われてもピンと来ないし、本当はみんなもモヤモヤしてるんでしょ。正論ばかりだと、投票行かなかった奴に伝わらない」と約90分間、しゃべりつづけた。
■「すべらない話」から、政治に興味を持った
Kei Yoshikawa
——どうして「投票に行かなかった」というツイートをしたのですか。
それを説明する前に、少しさかのぼって、自分がなぜ政治の話をするようになったのかをしゃべって良いですか。
——はい。
AbemaTVの「AbemaPrime」というネットのニュース番組の司会など、ここ3年ぐらいで政治にかかわる仕事に呼ばれるようになりました。
これはもともと、東京に来てTHE MANZA Iで優勝(2013年)し、(フジテレビ系のトーク番組)「人志松本のすべらない話」に出させてもらって、その打ち上げがきっかけだったんです。
たまたま(同じフジテレビの)「ワイドナショー」のスタッフさんがいたんですね。「次、誰を番組に出すか」という話をしていました。
テレビに出たかったので「出してください」と頼んだんです。「しゃべれるの?そういう(政治的な)話」と言われたときに、とりあえず「しゃべれる」って言うしかないじゃないですか。本当は全く知らなくて、新聞を読んだことがなかった。
そこから勉強を始め、テレビで政治の発言をして、それをAbemaPrimeの人が見てくれていて、番組に呼ばれるようになりました。
■ウーマン村本流「政治の勉強法」とは
時事通信社 党首討論会で握手する希望の党代表の小池百合子東京都知事(中央)ら=8日、東京都千代田区 撮影日:2017年10月08日
今回の選挙も、(解散が決まってから投開票日まで)数週間で、朝日新聞、日経新聞、読売新聞を読みながら、堀潤さんなど政治に詳しいジャーナリストに電話をして「これどうなんですか?」と聞きました。
「番組でしゃべらないと」というのと、「投票に行かなきゃいけないな」というのが理由です。でも、調べれば調べるほど、わからなくなるんですよね。
例えば、僕は脱原発派です。そして、僕の地元は(大飯原発がある)福井県のおおい町なんです。「脱原発」を嫌がる地元の人もいる。原発で雇用があってご飯食べていけるから。3カ月原発が止まっただけで旅館が潰れたりするんですよ。作業員の人が泊まったりするから。
脱原発したいけど、「脱原発したらどうなるか」はどこにも書いていない。例えば日本が病気だとして、政治家が医者で、公約が薬だとすれば、脱原発が「がん」という病気だとしたら、抗がん剤で頭の毛が抜けるという副作用が、政治家の口から出ないし、公約にも書いていない。
■白票に意味はあるのか
Kei Yoshikawa
だから、それでいいのかな?って思って。はじめは(投票用紙に何も書かない)白票を入れようと思った。でも、ある政治家の人が「政治家は、自分に入った票は気にするけど、白票を見て『今回はこれだけあったのか!』とは気にしないよ」と言うんです。
ますます混乱して、色々な人に「今回の選挙、誰に投票する?」と聞きまくった。居酒屋で隣になった、おっちゃんにも聞いた。
ネットのような熱い意見を言う人はいなくて、ほとんどの人が「地域で自民党を応援してるから自民党に入れようかなぁ」とか「宗教的な理由で」とか「大学の時の尊敬する先生が、いいと言ったから」って。でも、それは「自分の一票」といえるのかな、と。
今、Instagramで「選挙行きましたか」といろいろな人に聞いて、撮って回っているんですよ。タクシーの運転手さんから、街中で会った人まで。
少なくとも周りでは、「一票の重みを」とか「大人だから選挙に行こう」などを、自分の言葉で具体的に論じられるような人が誰もいなかった。だから「投票に行かなかった」とツイートして、投票について考えたかったんですね。
■ウソの情報に踊らされても、一票に価値はあるのか。
Neil Hall / Reuters イギリスの国民投票でEUからの離脱を呼びかける人々
フェイクニュースについても考えてました。例えばイギリスがEU離脱を決めた国民投票の時も、「イギリスは膨大なお金をEUに払っていて、離脱すれば、国民保険に回せる。損をしている」という訴えがネットなどで流れ、あとで誇張だと分かった。
アメリカの大統領選では、ヒラリー・クリントン氏が、児童虐待の団体に関与しているというフェイクニュースが流れ、信じた人がその団体の拠点とされたピザ屋にライフル持って乗り込んだ。全部イメージで人が動いていたんです。
それで今回の選挙。(公示から投開票日まで約2週間しかないのに)短い間で、どうやって投票先を決めるのか。
たとえば「希望の党の小池百合子(東京都知事)さんは、すごい女の人なので、バリバリ活躍する世の中にしてくれそうな匂いがする」というイメージがあった。
でも、「排除」と言う言葉を発言したらテレビのコメンテーターが「あの人はひどい」と言って、するとまたそのイメージで希望の党に入れなくなるんですよ。
■本当はみんな「モヤモヤ」してるんでしょ
Kei Yoshikawa
僕が言ってることって間違っていることも多いと思います。でも選挙に行くのって、みんなモヤモヤしてると思うんですよね。
モヤモヤしてるけど、モヤモヤしたことを、「別にまあいいか」と思ってて投票に行ける人もいれば、「モヤモヤすることが気持ち悪い」から投票に行かない人という人もいる。
国際政治学者の三浦瑠麗さんがテレビで僕に、意識が低いのは「国民のせい」ということを言っていたんです(※注1)。
(※注1):2017年10月23日放映のテレビ朝日系「選挙ステーション2017(第2部)」で、村本が共謀罪要件を含む「テロ等準備罪」などに関連して「国民の(政治)意識の低さは、国民のせいですか?」と尋ね、三浦氏が「国民のせいですね。だってそういう国は滅びちゃうわけだから」と答えている。
立川志らくさんも「政治家を選ぶ権利はもはや義務に近い」とTweetしていました。
「投票をしないといけない」という意見は山ほど聞いている。でも、投票行かない人だってみんな、そういう理屈は色々聞いていると思うんです。でも、結局そういう人は、「投票行かなかった。やっぱり自分はダメですよね」ってなっちゃうんです。
政治は、公立の学校みたいなもの。アホにも賢い奴にも「平等に教えろ」と思うんですよ。今は、国会や政治に普段から興味がある奴だけで決めている。
学校で言えば、職員室に勉強を聞きに来るやつだけの学校になってはいけない。体育館裏でタバコを吸っているやつにも、「この学校のことだから」と、しっかりと先生が言って教えてやらないと。
■「愛ある一票」を投じるために
Kei Yoshikawa
――今回の衆院選の投票率は53.68%。たとえ投票したとしてても、村本さんの話だと「本当の意味での、一票の重みを考えていない人もいる」ということですね。どうやったらモヤモヤが消えて、「愛ある一票」を入れられますか?
僕らが、「自分は馬鹿だ」と言うことを自覚することから始まると思います。
「俺は知っている」という奴らがいるから、自分の無知を言いにくくなっているところがある。お父さんが子どもに、「俺もわからないし、お前もわからないと思うから、政治の話、国の話を一緒にしてみないか」「みんなわからないから、みんな一緒に考えていこうよ」みたいなことを言わないと。政治を知ってるってウソをついてもダメです。
Twitterとかで「選挙行け」とか言ってるやつも、どっか語りたいんだと思う。僕を叩くことで「僕は政治をこんな語れるんだ」ってことを見せたいという欲求があるんだと思います。もっと違う場で、周りにそう語ってくれたら、政治はもっと身近になりますよね。
僕が政治について話し始めてから、普通の芸人とか、普通に一般で働いてる人たちとかとの会話の温度差が出てきました。
お笑いコンビ「平成ノブシコブシ」の吉村崇は記者会見で、「(村本は)何か急に政治的な発言をしたり、いろんなことをやっているんですけど、ちょっとテンパってるなっていう気がしますね」とコメントしました。それはそう見えるだろうし、「評論」だから良いですけど、もっと芸人が当たり前に楽屋でしゃべれたらいいですね。
――政治のモヤモヤを解消するため、政策を勉強して、すべての立候補者の発言を逐一追って、一票を入れるとしたら、1年や2年かかるかもしれない。まずは今の知識で良いから「とりあえず投票しろ」という声もあると思います。
おっしゃるとおりで、僕もそう思う。でも、どこまでが「とりあえず」なのかが、わからないんですよね。
「テロ等準備罪」とか「安保法」とか、世の中に全然伝わってないじゃないですか。その「とりあえず一票」で「憲法改正があるかもしれない。いいのかな」というのが、どこかにあるんですよ。
たとえ白票を投じたとしても、その集計を見た政治家が本当に「クソ!」と悔しがって、壁を殴るのかと。そうじゃないと思うんですよ。
――でも、投票しなければ政権は変わらず、今の与党を追認する、利することになるかもしれない。
ほんとそうだと思います。そうなんですよ。それは正しいんですよ。でも、「正しいんですけど...」で終わっちゃうんですよ。
僕は家から100メートルぐらいのところに投票所がありますから。行こうと思えば行ける。
でも、「投票に行こう」という声が響かないんですよ。
もし、(政治家が)目の前に来て顔を近づけて、「おまえが投票しなかったおかげで当選したわー」って来たら、「しまった!!投票すればよかったわ」ってなると思います。
■「興味率」を上げたい
Kei Yoshikawa
――投票の棄権を「みんなに」呼びかけたいわけではないんですね。
そうです。結局は、選挙に行って欲しいんですよ。
――投票率を上げたいんですか。
(政治への)興味率をあげたい。
――興味率ってなんですか。
世の中って「とにかく投票に行こう」という真剣な呼びかけばっかりですが、そうじゃなくて「政治に興味を持とう」があって初めて「選挙に行こう」が成り立つと思うんですよ。「恋愛をしてセックスをしろ」と。今の「誰でも良いから一票入れろ」は「セックスをして大人になろう」になっている。
枝野さんとか安倍さんとか志位さんが、いろんな人が股を開げて「私たちに入れてください」と言う。それで周りが「誰でもいいからいれろ!大人なんだから!」みたいなこと言うわけですよ。そこには愛がない。
――「投票」をすすめる理屈として、「市民が勝ち取った権利だ」「行かないなら政治に文句を言うな」などがあります。こうした意見には説得されないんですか。
「投票に行け」って言う人たちは、無理矢理"不安"を作る。不満がずーっとあって、「解散総選挙、ヨッシャー!時代変えられるぜ!」と言う感じじゃなくて、政治家の都合で「はい、ここで解散。あれ、国民には不満あるかなぁ」みたいな。「子育て、確かに不満はあるかも...」みたいな。
政治家は政治家で、教育無償化やら脱原発やら保育園問題やら、自分の公約のアピールをしたがる。「さてさて。どれが票を取れるかな?」って急に商品を並べますよね。お祭りごっこに付き合わされてる気がする。
僕もねぇ、わからないなりに党首討論を見ました。がんばってテレビの前に座って、メモってね。
「あれ、おんなじような話を何回も聞いてるぞ」みたいな。違うチャンネルの党首討論を見ると、共産党がみんなに集中攻撃を受けていて、それで終わり。
「ちょっと、未来を語ってよ」と。「今の国難を語ってよ」と。「これがやばいから、こうしなきゃいけないんですよ」って言う話を聞きたい。
ーーーhttp://www.huffingtonpost.jp/2017/10/27/muramoto-wrh_a_23257991/
「そうだった、若者は成長途上なんだ・・・。」(ブルーはーとのつぶやき)