李(渡辺)達夫さん・遅素媛さん夫妻の受け入れ体制がほぼ整ってきたのだ。
前提として、素媛さんの回復が早く、緊急入院しなくても診察を受けてから後に入院手続きをすることが可能になったことがある。
しかし診察を引き受けさせるだけでも、病院窓口の人はあれこれ医師に尋ねたり、上司に伺いを立てたり、と、すんなり引き受けた訳では決してなかったようだが、友人の一人が粘り強く聞いて大阪赤十字病院と富永病院から診察許可を取った。
別の友人は、診察時に通訳してくれる人を探した。「RINK(Rights of Immigrants Network in Kansai):移住労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク」が信じられないぐらい親切に相談に乗ってくれて、「よろしゅうおす。派遣しましょう!」と引き受けてくれたという。しかも何と無料で、しかも何と時間制限なし!どうやって組織を維持しているのか心配になるほどだ。
これまでの病院や役所の冷たい対応に慣れて?いた者にとって、地獄に仏とはこのことだ。
RINKといい、菜の花診療所といい、役所に頼らず自前で人権を守る力を持つ民間組織がある日本を、改めて見直した。
もう一つすごいと心から思うのは、我が「帰国者の友」の友人たちのがんばりだ。
普段は、例えば「十三の黄身ロール、最高やね~。」とか、「喜八州はやっぱりみたらし団子かな。」といったたぐいの会話がメインに飛び交うこの団体メンバーが、今、メチャクチャ頑張ってくれている。
病院の手配、区役所との交渉、介護タクシー予約、医療通訳探し、見舞金カンパ集め…などなど、やったこともない困難な行程を手分けして一歩ずつ前進してきた。
李さんたちが帰ってくる船の会社をネットでつきとめ、そこに電話して事情を話し、「車椅子の素媛さんですね。気をつけてみます。」という言葉までもらった。出迎えの体制も着々と準備中だ。
きっとみんな、自分のためだったらここまで必死にならなかったのではないだろうか。李さん夫婦を助けたい一心でやっていることだと思う。
今日は、私たちは微力ではあっても無力ではない、と実感した一日だった。
*このブログを読んで心配して電話やメールでアドバイスを下さったサバ君、岩崎さん、誠子さん、見舞金を送って下さった流星ハルカさん、ものすごく励まされ、助かりました。非常感謝!本当にありがとうございます。
見舞金カンパは、まだまだ続けています。どうぞよろしくお願いいたします。
今後、少し落ち着いたら今度は厚生労働省に対し、北京の病院代を出してもらうお願い?をしなければなりません。これはものすごく大きい課題です。ああ、仲間がたくさん欲しい…。