橋下徹元大阪市長は
「沖縄県知事次の一手はこれだ」(PRESIDENT Online)
という記事で、
都合でコロコロ変えない一本筋の通った論理が必要だと述べています。
(なるほど)と私は思いました。
”「自分の利益になろうと不利益になろうと、この論理を使うんだ」
という「フェア」の態度こそが、
相手を動かすために必要不可欠かつ重要なポイントとなる。”
と言うのです。正論です。
しかし、次に橋下さんは朝日・毎日両紙の
自分の出直し市長選で得た得票に対する「過小評価」と、
今回の県民投票の結果の「過大評価」に論理の一貫性がないと
いう方向に話を導くのですが、ここに来て
(あれれ?へんだぞ、その数値データの使い方)
と思わざるを得ませんでした。
ちょっと橋下さんの文を読んでみてください。
”211万4978人の有権者のうち23.59%が投票。投票数のうち87.51%の37万7472票を獲得して僕は大阪市長に再選された。確かに僕の出直し市長選挙の投票率は過去最低だった。
しかし、そこを批判するなら、今回の沖縄県民投票の投票率も52%ほどで約半数の県民が投票していない。
そうなると僕の出直し市長選挙の投票率も、今回の沖縄県民投票の投票率も目くそ鼻くそレベルで、僕の出直し市長選挙は棄権した人が多いので民意が反映されていないというのであれば、沖縄県民投票でも同じように民意が反映されていないと批判しなければならないはずだ。
それに僕も、出直し市長選挙で37万7472票の票を得た。歴代大阪市長が獲得した票に遜色のない票数だ。他方、今回の沖縄県民投票での反対票は43万4273票だ。
なぜ大阪市民の37万7472票は軽視され、沖縄県民の43万4273票はそれだけ尊重されるのか。
僕の出直し市長選挙での再選は市民に支持されていないというなら、沖縄県民投票でも同じように言わなければならないし、県民投票の民意を重視するなら、出直し市長選挙で僕が再選された民意も重視すべきだ。(略)”
え?と思ったところはありませんか。
私はまず、「僕の出直し市長選挙の投票率も、今回の沖縄県民投票の投票率も目くそ鼻くそレベル」
という超大雑把と言うか乱暴な括りに驚き呆れました。
表に整理してみるとこういう感じです。
|
全有権者数
(人)
|
得票数
(票)
|
全有権者に対する投票者の割合(%)
|
全有権者に対する得票の割合(%)
|
全投票者に対する得票の割合(%)
|
大阪市長選
|
2,114,978
|
377,472
|
23.59
|
17.8
|
87.51
|
沖縄県民投票
|
1,109,300
|
434,273
|
52
|
39.1
|
72
|
投票率・・・大阪市長選:23.59%(4分の1未満)
沖縄県民投票:52%(過半数)
4分の1未満と過半数のどこが目くそ鼻くそなわけ??
そして、全有権者に対する得票の割合も
大阪17.8%、沖縄39.1%で、倍以上の差があります。
ちなみに、国民投票の法律では
全有権者に対する得票の割合を問うのではなく、
全投票者に対する得票の割合で決まるので、
それに従ってみれば
今回の沖縄県民投票は、
72%という文句のつけようのない数値なのです。
全有権者に対する得票の割合を見ても、
知事が従わなければならない割合の
4分の1(25%)を十分に越えた数値(39.1%)を
はじき出している今回の県民投票は、
橋下元大阪市長や
政府におもねるホンドの多くのメディアが
けちをつけるようなちっぽけなものではありません。
歴史に残る価値のある結果だと私は思います。
あの手この手の様々な妨害があったことを考えれば
なおさらです。
↓読谷村のコスモス(MAYUMI SHIROMAさんの写真をお借りしました)