毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

南昌郊外超市の商品(その2)  2010/10/31   No.5

2010-10-31 14:42:36 | 中国事情
 スーパーの一階に下りていくと、プイ~ンと生臭い臭いがする。夏はかなり強烈な臭いだが、最近は気温が下がってきたせいか、私が慣れたせいか、あまり(くさ~い!)とは思わなくなってきた。
 一階フロアは、一時間ぐらいじっくり見て回ることが多い。これは何?どこの商品?どうやって食べるの?など、チェックしているとあっという間に時間が経ってしまう。ここで私のお気に入り食品ランキングを発表しよう。

第一位:激辛インスタント焼きそば(湖北省武漢産:2元/個 太めの麺もこしがあり、辛口調味料、辛口乾燥辣椒片、香菜などがバランス良く辛いが上手い!
第二位:ピーナツ風味豆乳粉(遼寧省大連産:1元/袋 コーヒーがインスタントしか飲めないので、他の飲み物を開拓したのがこれ。タピオカみたいな小さいつぶつぶが入っている心遣いも嬉しい。水でもお湯でも溶ける。これから寒くなるので重宝するにちがいない。
第三位:雀巣珈琲(ネスカフェインスタントコーヒー;広東省東莞市産:70元/200g 香りがどうのと言っている場合じゃない。コーヒーが飲めるということがどれほどありがたいか…。日本の物価と比較してどうこうも言うまい。毎朝1杯のコーヒーを飲んで、いざ出陣する生活を何十年もしてきた一日本人として、近所でコーヒー粉が買えることをひたすら感謝したい。
第四位:甜面じゃん(ティエンメンジャン;四川省自貢市産:7元?/500g 本場のティエンメンジャンがこんな安価で買える幸せに震えつつ、同じく四川省産の味付けピリ辛菜も共に求め、走るように宿舎に帰って、自分で適当に焼きそばっぽいのを作ってみた。美味しかった。作る者のセンスも良いのかも知れない、と少し酔いしれた。
第五位:冷凍湯圓(餡入り小粒団子;河南省商丘市産:6~7元?/kg 鍋で湧かした熱湯に入れ、1~2分茹でる。ダンゴが浮いてきたら、茹でたお湯と一緒に器に入れていただく。これは日本でも食べたことがあるが、こちらのはとにかく安い!!安くて値段も覚えていないくらいだ。甘くて美味しい! 餡には黒胡麻餡、ピーナッツ餡、桂花(木犀)餡、豆沙(小豆)餡、五仁(五種類の餡?)などいろいろな種類がある。私はまだ黒胡麻しか食べたことがないが、次々と試していく予定だ。

 さて、これまでのお気に入り食品はなぜか、江西省以外の食品ばかり。江西省には美味しい食べ物がないのか?と私もスーパーの中でいささか疑問に思った。基本的に江西省は農業中心の土地で加工食品はあまり多くはないようだ。せいぜい廬山産の伝統パサパサ茶餅ぐらいか~、と諦めかけたとき、“江西省産”の文字が私の目に飛び込んできた。な、何と何回も買ってお粥に入れたり、そのままおかずにして食べていた皮蛋(ピータン)は、地元江西省のものだった。しかも、江西省出身の学生が誇らしげに、「皮蛋はここが本場ですから~。」と言う。そうだったのか。やるときはやるなあ、江西省。まだ2ヶ月しか暮らしていないくせに、すっかり心は江西省人の私だった。更に最近になって、いつも日本で使っていたシナモン(ここでは桂皮または肉桂)も見つけた。これこそ地元南昌市産だ。会社名は「老百姓食品工場」。すごい名前だ。この名前に、江西省の特徴が如実に示されている気がする。残念ながら、この肉桂は粉末じゃなくて、桂花の木の皮がそのまま棒状で売られている。リンゴの甘露煮に棒を幾つかに砕いて入れたら、少し苦みが感じられた。でも、肉桂のせいじゃなく、一緒に使った氷砂糖が原因かも知れない。まだまだ追求せねばならない課題が山積みのブルーハートさんである。ちゃんちゃん。
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南昌郊外超市の商品(その1)   2010/10/30  No.4

2010-10-30 18:13:26 | 中国事情
 今日は、私が週に2、3回は行く超市(スーパーマーケット)「全家百貨」での買い物風景を紹介しよう。
 その2階建てのスーパーの入り口には、暖簾状の分厚いビニールが垂れている。入った脇の荷物預かり所で鞄や傘を預ける決まりだが、小さい財布入りショルダーバッグだけは自分の身につけて入る。
荷物を預けた後、私はいつもまず、ムービングウークで2階に行く。どこに何があるのかを毎回チェックするのだ。そしてつい、一つは無駄買いしてしまう。

 2階フロアは生活・台所用品、文房具、寝具、衣類などが並べてある。種類は少ないが贅沢を言わなければ、だいたい小物はここでそろえられることが、2ヶ月暮らして次第に分かってきた。1階は全て食料品売り場だが、なぜか2階でも食品(とくにお菓子類と酒類)が、かなりのスペースを占めている。

 この前は、ここで「廬山の伝統茶餅」(8元)を一箱買った。中には20個ぐらいの固い小餅が一つ一つ透明な袋に入れられてあった。取り出すと、ほとんどがパリパリに壊れて、元の丸い形は見る影もない。なぜ箱に入っているのにここまで破壊されるのか不思議だった。食べてみた。伝統の味というだけあって、涙が出るほど古代の味…。素朴と言えばそうだろうが、カチカチでパサパサ、そしてボソボソしている。日本の「干飯」という食べたこともない食品名が脳裏をかすめた。お茶に浸けてふやかして食べるのかなあと思い、やってみた。ドロドロになった…。とうとう何個か捨ててしまったが、10個以上は食べたので自分としては良くやったと思う。

 もう一つ、2階には粉ミルクがズラリと並んでいる。液体の牛乳売り場をまだ発見できなかったとき、(南昌には牛乳がないのかなあ。みんな牛乳の代わりに粉ミルクを飲んでいるのかも)と思い、小さめの400g入りのを買ってみた。というのは、粉ミルクとはいえ、赤ちゃん用のみならず「青年用」「中老年用」「スポーツ選手用」「女性用」など、多種多様の「奶粉」がそろっているのだ。当然私は「中老年用」を選んだ。生産地は江西省南昌市蛟橋鎮、会社名は「江西英雄乳業股份有限公司」。(なんだ、近所だ。これは地元産業を応援するのに役立つ)と良いことをしたような気にさえなって宿舎に帰り、早速お湯を沸かして溶いて飲んだ。というか、飲もうとした。カップを口に近づけたとたんにプ~ンと赤ちゃんくさい匂いがして、不吉な予感がした。でも一口は飲んだのだ。それ以上は無理だった。
(そうだ!インスタントコーヒーに混ぜてクリープの代わりにしよう!)次々とアイディアを生み出す自分を頼もしく思った。しかし、クリープやブライトは、その英雄印粉ミルクよりずっとあっさりしていて、コーヒーに無理なく溶けるように製品開発したものだということが、やってみてすぐに分かった。
 その粉ミルクは、現在冷凍中だが、何か良い使い道はないか模索中である。中国の中老年の方々は、こんなコテコテの赤ちゃん臭い粉ミルクを本当に美味しく飲んではるのやろか。実際飲んでいるところを見てみたいものだ。

 後日、しっかり者の3年生に尋ねると、「英雄ブランドなど聞いたことがないです。ええ~!江西省!!最悪ですよ。やっぱり乳製品は内モンゴルの“蒙牛ブランド”じゃないと~。」とのことだった…。江西省は何が秀でているのか、考え込んでしまった。
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2年生が宿舎に来た。      2010/10/24   No.3

2010-10-24 07:26:31 | 中国事情
 昨日の土曜日、日本語学習歴1年ちょっとの2年生たちが6人我が宿舎に遊びに来た。
女の子3人男の子3人。

 この大学の日本語学科クラスは1年から4年まで圧倒的に女子学生が多い。
4年男子の作文の中に、「他学科に比べ、日本語学科の暮らしは男子にとって、とても辛いものでした。私は入学後、周りが全部女性ばかりなので、毎日故郷に帰ることを真剣に考えました。1年生の時男子5人は授業に出ず、勉強もしないで遊んでばかりいました。…」というのがあった。その子は今、何とか卒業に漕ぎ着けようと努力している。及ばずながら私も放課後補習を買って出ている。他にも全く希望の学科じゃないのに大学側が決定したので仕方なく入ったという子もいた。「希望していないのに?」と聞くと「中国の大学はそういうことはよくあることです。」という。せっかく入った大学なのに、希望外の学部・学科に入れられたという理由で、入学後すぐに退学する子も毎年何人もいるそうだ。
 
 さて、珍しく3:3の同比率で登場した男女6人組だが、気を使って地元産オレンジ、林檎をたくさんお土産に持ってきてくれた。この気配りは、どの学生たちにも共通している。中国の付き合い方の礼儀をきちんと身につけて育っているんだなあ、と思う。
 まず入り口で、室内履きに履き替えてもらう。ここからすでに日本文化の紹介だ。ユミコさんの香を焚き、キョウコさんからの暖簾で出迎える。彼らもそれを(ほほう~)という表情で楽しんでいる様子。キョロキョロと好奇心一杯に部屋を眺める姿は、どこの国の子も全くおんなじ。セイコさんが送ってくれた明治チョコレート、トシオ氏が送ってくれた天津甘栗(何故わざわざ日本からこういうのを送るかな?!)を勧めると、中には「先生、私たちは子供じゃないから~。」と遠慮する女の子(小翠さん)もいたが、その脇からわらわらと手が出て「ん、おいしい~。」と熱心に日本?の味を堪能し、まもなく全部なくなった。
 お昼は定番のカレーライス(スエミさん、ナオ、ありがとう)。「これは何ですか」状態だった。一口食べた感想は「ん~、おいしい~。」(さっきと同じやん?!)
 でも、温かい料理であること、スパイシーであることなど、江西省の人々に受け入れられやすい料理ではあるだろう。ウルマートなど特別のスーパー以外では、中国以外の国の食材はほとんど見られない。(カレーぐらいは知っているのでは?)と当初思っていたが、南昌の一般の人々にとって知る機会は本当に少ない。いくらウルマートに売られていても、どうやって調理するか分からないので、誰も手を伸ばさないのだ。私が近所の超市で、中国固有の見たこともない食べ物らしき物を見て(いったいどうやって食べるのかなあ)と、タジタジとなるのと同じだろう。
 しか~し、私は買い物に行くたびに「これ何?」物品を必ず一つは買うようにしている。部屋に帰って中を開き、袋の写真と似ても似つかぬものが出てくることも(多々!)あるが、とにかく大きな楽しみの一つだ。

 小翠さんは、さっと私を手伝い、友人にも声をかけたり、指図したりする、飛びぬけたしっかり者だ。聞けば、やはり苦労人。両親共働きで、幼稚園も付き添いなしで一人で通い、3人きょうだいの一番上なので晩御飯の支度も小学生の時からしていたとのこと。一人っ子が多いのかと思っていたが、昨日の6人は兄弟がいる人が5人だった。中国の多くの親たちは、罰金を払ってでも複数の子供たちを育てているんだなあ。罰金は日本の円に換算すると、赤ちゃん一人につき数十万円相当だと聞いた。親たちの(ここは引き下がれない!)という強い意志が感じ取られた。
 小翠さんに命じられて、後片付けの皿洗いを一手に引き受けた順泉さん(男の子)は、にこにこと腕まくりをし、カズコさんに送ってもらったクレンザーで、ぴっかぴかに磨き上げた。

 さて、ここまで文を打ってきた私は、ここの暮らしがほぼ、みなさんから送られた物で成り立っていることを実感した次第であります。(ぺこぺこ)
皆様のお力をお借りしながら、これからも中国の学生たちへの日本紹介に尽力する所存でございますう~。
 うん?「君がすると日本への偏見助長につながるのでは?」とか聞こえたような。
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日本語学科授業風景 2010/10/16   No.2

2010-10-16 21:40:07 | 日記
 この9月から南昌市郊外の大学で日本語を教えている。
1年・2年は「日本語会話」、3年「日本文学」「日本語作文」、4年「商務日語」、と幅広い内容だ。個人的には3年生の授業を一番楽しんでいる。「日本文学」と「作文」のどちらも、大好きだから。
「日本文学」は芥川龍之介の「鼻」からスタートした。作者の文構成のわかりやすさに感謝しながら読み進んだ。今日は、中国の学生達が書いた「禅智内供への手紙」を何通か紹介しよう。

 その1〈劉○婷〉 内供さん、初めて「鼻」を読んだときは、内供さんの心が分からなかった。思ったのはただ、顔を洗うときどうするの?寝るとき鼻はどこにおいてるの?ネズミのいばりは、どうやって収集するの?…ことごとく浅薄な考えだ。内供さんのつらさは全然分からなかった。
 しかし、何回も読んだあと、私は少しずつ内供さんの苦しみが見えてきた。内供さんのこの鼻は、実はこの暗闇社会への皮肉だと思う。内供さんは鼻のためにどんなに頑張っているのか、世の中の人は、みんな無視して、ただ笑って笑って、本当に冷たいんだなあ。この社会は病んでいる。
 でも、内供さん、しっかりしなさい。もう大丈夫だ。現代に生きている私たちはあなたを笑わない。みんな内供さんのことに同情している。現代は医学も高いレベルに達してきた。だから内供さん、早く私の夢の中に入っていらっしゃい。私が医者に連れて行ってあげる。


 その2〈肖△梅〉 一筆申し上げます。山々もすっかり秋の装いになり、紅葉の色が燃えるようです。いよいよご健勝のこととお慶び申し上げます。おかげさまで、こちらはみんな元気です。
 私は○大日本語学科の学生です。私は芥川龍之介の小説から、あなたのことを知り、心であなたにいろいろな言葉を伝えたいんです。
 人生は二度ない。自分の楽しみのために生きていいです。他人の観点を気にしすぎる必要はないです。人間の心には互いに矛盾した二つの感情がある---一つは他人の不幸に同情する心、もう一つは利己主義です。それを全部消すのは不可能だと思います。だから、あなたは他人の態度をいつまでも気にすれば、憂鬱は永遠で、楽しいときはないかも知れなせん。人間は誰でも完璧ではありません。自信を持って頑張って生活しましょう。今日はここまでにします。ご多幸を心からお祈りします。 


 その3〈王□林〉 禅智さん、こんにちは。あなたの悩みは良く理解できます。私は自分の髪型が良くないということをいつも悩んでいます。(後ろの人は、私の髪を笑っている)という心の声はよくあります。でも、本当は私は気にしすぎでしょう。世の中、完璧な人間はいないと思います。
だから、自分の欠点を悩むことは必要ではないと思います。自分をやればいいんじゃないでしょうか。
 この世の中はそれぞれ、きれいな人もみにくい人もいる。でも絶対的にきれいな人と絶対的にみにくい人はいません。きれいな人というのは、彼(女)の容貌を皆が認めるということです。もし、人間の見る目が変化したら、きれいな人はみにくい人になるかも知れません。だから,自分の顔は自分らしいということを表しているだけです。人の目を気にするのは必要ではないです。もし、人の目を満足させるために、自分に嫌なことをするとしたら、それは自分を見失うということではないか。
 世の中の人間は大抵利己的です。他人の欠点を笑うということを、楽しむ人もいます。これは他人より自分がえらいという自己満足的な心理を充足させているだけです。自分は何もしないくせに、このような人はばかばかしい。
 自分の欠点を知る。これは必要だと思います。でも同時に、自分の利点も見つけなければなりません。自分の利点と欠点を知る。そして、生活を楽しむ。これが一番重要だと思います。



 まだまだ紹介したい文がたくさんありますが、今日はこれくらいにします。これを読まれたみなさんはどうお感じになるでしょうか。日本語を学び始めて2年ちょっとの若者達の文を毎日読んでいて、私はいつも嬉しくなります。真っ直ぐな心を表現するために、言葉はそんなにたくさんなくてもいい。率直にすぱっと言えば、心にこんなに響くじゃないか!なんて思うのは我田引水かしら?
そして、全ての学生の文に共通して感じ取れるのは、温かくて真っ直ぐな心をもっていること、人生を真面目に、正面から見つめようとしていることだとおもうんだけど。
自分の若かった頃とエライ違いやなあ…、とおもわず未熟だった昔がフラッシュバックしました。
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BLUEな気分を一掃!! 2010/10/15  No.1

2010-10-15 17:35:49 | 日記
 今日は金曜日。授業がない。
昨夜から水に漬けていた緑豆もやわらかく甘く炊けた。
良い日じゃないか、そう思うことにした。
さっき、こちらに来て初めて「ドラえもん」を観た。
全員、中国語を巧みに話していた。
声もよく似ていたが、さすがに大山のぶよさんの声は出せていない。
ドラえもんの名前はそのまんま、のび太は「ダーシャオ(←大小?)」と聞こえた(字幕がないので適当)。
(後で学生に聞いたら、「ダーション(大雄)」とのことでした)
でも、良いも悪いも丸出しののび太君には、いつもほっとする。
ドラえもんだってそうだ。あれだけいろいろな道具をポケットに内蔵させているのに、どうしてあそこまでおっとりのんびりしているのか。「きっと、のび太が自分で何とかするのを見守っているに違いない」と善意に取る人がいるが、ただぼんやりしたロボットだからなのでは?
 固いソファーに寝っ転がり、
アンアンアン、とっても大好き~どらえ~っもん~
とテレビに唱和してると、こちらをバルコニー工事の若者が見ていた。
ちょっと恥ずかしかったから、照れ隠しに立ち上がり、
(バルコニーはどうなっとるかね)みたいに腕組みしてごまかした。
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