2月20日の社会民主党大会で、野党四党代表が挨拶しました。
私はいわゆる無党派層なので、
(どこかの党大会に他の党が挨拶する習慣もあるのかあ。
それにしても野党がここまでそろったことはあったのだろうか)と思ったのですが、
共産党の志位委員長が、
「旧日本社会党時代も含めて、共産党が社民党の大会で挨拶をするのは初めて」
とおっしゃっていたので、やはり、これは歴史的な出来事なんですね。
昨年からSEALD’sが言い始め、何十万もの市民もそれに唱和した
「野党は共闘」が、19日の野党五党会談としてついに実現し、
続いて20日の社民党大会での四党連帯の挨拶は、
私のような平和を愛する市民にとって何よりも嬉しい事件でした。
以下、各党代表の方がたの印象に残る言葉をピックアップしました。
党の掲載順は私の勝手です。
[生活の党と山本太郎となかまたち]小沢一郎代表
小沢一郎代表のマイクをセットする吉田忠智党首=20日午後、東京都千代田区・星陵会館
特に今日は社民党の20年目の節目にあたる年という大事な党大会だし、私としても、また党としても、社民党の皆さんには大変常日頃からお世話になっているので、今日はお招きをいただいた上は格調高いあいさつをしなければいけないと思い、口べたの私なのでメモをちゃんとつくって臨んだのだが、先程来、吉田(忠智)党首と3党の代表からのごあいさつがあった。私からまた、重複してあいさつする必要はないと思う。
要は、お招きいただいた4党と社民党、この5党が本当に口先だけではなくて、お互いに信じ合い、協力して、選挙に臨んで、安倍政権を打倒し政権交代をはかる。
それがわれわれの使命であり、責任であると思う。
私は、大変微力ではあるが、皆さんの驥尾(きび)に付して、そのために本当に格差のない平和な社会をつくる政権、われわれから言わせれば「国民の生活が第一」を目指す政権を樹立するために皆さんと一緒に全力で頑張る。
どうぞ皆さんも今後ともさらに一層のご奮闘を心からお願いする次第だ。
[日本共産党]志位和夫委員長
【社会民主党第15回定期全国大会】 社会民主党の定期全国大会で挨拶する日本共産党・志位和夫委員長 右は吉田忠智党首=20日午後、東京都千代田区・星陵会館(納冨康撮影)
日本共産党が社民党の大会に招待いただき、ごあいさつをするのは、日本社会党時代も含めて今日が歴史上初めてだ。大変うれしく、光栄に思う。これからますます久しくお付き合いをさせていただきたい。共産党を代表し、社民党第15回全国大会に心からのお祝いと連帯の気持ちを申し上げる。
思い起こすと、これまでも社民党の皆さんとはさまざまな場面で肩を並べてともに戦ってきた歴史がある。私自身で言うと、2001(平成13)年5月3日の憲法記念日の集会で当時の土井たか子党首と一緒に訴えた。その後、15年間、5月3日の憲法集会をご一緒にさせていただいた。ほぼ毎年、福島瑞穂前党首、吉田忠智党首とともに憲法集会に出て、憲法9条を守り、憲法9条を生かした日本を作ろうと一緒に訴え、一緒にパレードに参加してきた。
昨年の5月3日には3万人の憲法集会に発展した。共産党や社民党だけでなく、民主党、生活の党の4党になり、そして戦争法案に反対する戦いが5党の共闘に発展してきた。
共産党は社民党の皆さん、さらに全ての野党の皆さんとの平和を求める共闘の戦いがさらに発展することを心から願い、一緒にスクラムを組んで平和の流れを大いに発展させようではないかと訴えたい。
昨日、5野党の党首会談が行われ、安保法制廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を共通の目標とすることを確認し、国政選挙での選挙協力を進めることを確認した。
これは野党共闘を求める国民の声に応えた画期的な合意だと考えている。誠実かつ真剣に協議に臨み、速やかな合意を得るために全力を挙げたい。特に参院の32の1人区の戦いは非常に重要だ。この1人区の候補者の調整にあたっては、戦争法を廃止するという大義の実現のために、わが党としては思い切った対応を行いたいと考えている。どうか皆さん、共に力を合わせて選挙に勝ち、安倍政権を倒し、憲法違反の戦争法をきれいさっぱり廃止しようではないか。
私はこちらに来て、社民党の大会の議案を丁寧に拝見させていただいた。読了した。で、政策的な一致がたくさんあるなと思って拝読した。皆さんの大会決議案に提案されている運動方針案を拝見すると、憲法改悪阻止と戦争法制の廃止、辺野古新基地建設の反対、消費税増税反対と不公平税制の是正、格差と貧困の是正、労働法制の改悪の問題、TPP参加反対、原発再稼働反対と脱原発、どの課題でも共同の戦いは可能だし、それを発展していきたいと願っている。
今日を新たな契機として、共産党と社民党の両党の連帯と共同がさらに前進することを心から願って、そして野党が力を合わせて、日本の政治に立憲主義、平和主義、民主主義を取り戻すために頑張り抜こうではないか。
[民主党]枝野幸男幹事長
今日は社民党の全国大会のご盛会を心よりお祝い申し上げる。社民党の又市(征治)幹事長から報告があって、5党が手をつないでアピールさせていただいた。(安全保障関連法の廃止法案を衆院へ共同提出した)昨日の大変歴史的な日を迎えて、そして今日ということで、大変時宜を得たときにこうして4党をお招きいただいての定期大会になったと思っている。
5党はそれぞれ政策には違いがある。違いはあるが、いまこの国が直面している3つの大きな危機を食い止めなければならない。この点については一致している。
一つは何と言っても立憲主義の危機。権力が憲法に拘束されなければ何に拘束されるんだ。勝手に憲法の解釈を変えて社会が成り立つはずがない。この危機はどんな理念、政策が違っていても政治を行う上での共通の土俵でなければならないはずだ。
二つ目に国民生活の危機だ。経済財政政策では違いがあるかもしれない。しかし、今の日本の現状は、中間層はどんどんどんどん崩れていって、貧困層がますます苦しくなって、国民生活の危機を迎えている。これを何とか食い止めなければならない。この点ではそれぞれ色々な違いがあっても共通しているのではないかと思う。
そして民主主義の危機だ。民主主義は単純な多数決ではない。お互いに違いを認め合って、お互いの違いを評価し合って、話し合って合意を形成していく。多数決というのは合意が形成できない時の最後の最後の手段だ。
にもかかわらず、敵と味方に分けて、自分の言うことを聞かないやつの意見は聞かない、残念ながらこの3年間はそんな政治がはびこってしまっている。
立憲主義、国民生活、民主主義。この3つの危機を食い止めるためには、違いを乗り越えて戦っていかなければならないと思っている。
政策の違いにとどまらず、わが党の仲間がそれぞれの地域で社民党の皆さんともいろいろとこれまでぶつかってきたり、色々な経緯があったり、そんなことがあったんじゃないかと思う。それぞれいろいろな歴史がある。感情もある。
しかしながら、この危機を乗り越えていくためにはあらゆるモノを置いて、結束して戦って、この危機を乗り越えていきたい。乗り越えていくことが政治に関わっている者の責任ではないかと思っている。
昨日の合意に向けても又市幹事長の退院をお祝いする場で、5党の幹事長・書記局長が集まってソバを食べたことが一つのきっかけになっている。まさに接着剤の役割、社民党の皆様方には大きな役割を果たしてきていただいている。
何としても今年の政治決戦をそれぞれの違いを認めつつ、違いを残しつつ、でもこの危機を乗り越えるという1点でともに戦っていこうではありませんか。
昨日はスタートだ。それぞれの地域ではこれから選挙に向けて、皆さんにもいろいろと、「民主党、勝手なことをやるなよ」とお叱りを受けるようなことがまだまだたくさんあるのではないかと思う。
でもこれだけは約束をしたい。この夏の参院選。もちろん民主党の幹事長として私は民主党の議席を一つでも多くしたいと思っているが、それ以上に大事なことは自公とその補完勢力をいかに最小化させるか、そちらの方こそが最優先だ。そんな立場で戦っていく。ぜひ、社民党の皆さんの力も各地で発揮していただき、共に戦い、安倍政治の暴走を止めていこう。
[維新の党]今井雅人幹事長
隣に志位(和夫)委員長と小沢(一郎)大先生がおられるので、先にあいさつするのがちょっと怖いのだが、指名なので先にあいさつをさせていただく。
民主党の枝野幸男幹事長も色々おっしゃっていたが、われわれも社民党の皆様とは政策的には随分違うところがある。
憲法も変えていく必要があるときは変えていくべきだという考えもあるし、他のところでも必ずしも同じではないが、先ほども枝野さんがおっしゃったように、私は今一番怖いのは安倍政治の本当に強引な政権運営のやり方だ。
皆さん思い出していただきたい。自民党のいわゆる右派の人たちは、NHKの放送が本当に左に寄っているんじゃないかということで、これはトップを変えようと、安倍さんのお友達をトップにした。いろんな問題が起きている。
それから報道が安倍政治をたたくと、すぐに社長に電話を入れたり、文書で抗議をしたりして、辞めさせろということをやっている。こんなことが許されるわけがない。
しかも、彼の政治のやり方は、とにかく今までずっと守ってきたものを変えたい時は、人を、頭をころっと変えて、自分の考えに合った人に変えて、そのまま押し通してしまう。
昨年の集団的自衛権の容認もよくよく考えてみれば、何十年間、内閣法制局がずっと守ってきたのを、内閣法制局の長官はそれをずっと堅持してきた。でもそれを変えるために頭をころっと変えて、自分の考えに合う人を入れて、「これが政府の考えなんだ」ということを堂々と言っている。今までの積み上げは一体何だったのかということだ。何でも許されるというのは政治ではない。積み上げというのがある。それをないがしろにしている。
他のことでもそうだ。安倍さんはいつも「これは有識者、第三者委員会にかけて外部の人に見ていただいているので、われわれが政治的にやっているわけではありません」とおっしゃる。
しかし、その有識者会議のメンバーを見ると、安倍さんのお友達ばっかりだ。そういう人を選んで、その人たちに意見を言ってくださいと言ったら、安倍さんの言っているような意見になるのは当たり前だ。
それをさも民主主義の通りにやっているようなことを言う。こういう人格を持っている人をこの国のリーダーにしておくことは本当に危険だ。
昨日の(衆院)予算委員会をごらんになった方はいるか。私は聞いていて驚いた。もう自分の自慢話ばっかり。「私は、私は、こんなことやりました、こんなことやりました。あなたたちに一体何ができるんですか」。こんな話ばっかりだ。
あの人のああいう自慢している場面、本当にその席を立ちたくなるが、みなさんもテレビを切りたくなると思うが、こんなことはやはり許していてはいけない。
私は小さい頃から父親に「物事は絶対に強引にやっちゃダメだぞ」と、「みんなとよく話をして、みんなとちゃんと合意をしてまとめないと、後でひずみがくる」と言われて育ってきた。少数意見が大事なんだ、少数意見が。
そういうところまでしっかりとみなさんと話し合って最後に合意をしていく。それが民主主義だ。今度の参院選、あるいは同時に行われるかもしれない衆院選、これは私たちの国に民主主義を取り戻す選挙だと思う。われわれは社民党の皆様と、そして今日いらっしゃる他の党の皆様と、とにかく民主主義を取り戻すこの1点で一緒に戦って参りたい。
【社会民主党第15回定期全国大会】(左から)生活の党と山本太郎となかまたち・小沢一郎代表 日本共産党・志位和夫委員長 吉田忠智党首 民主党・枝野幸男幹事長 維新の党・今井雅人幹事長 福島みずほ副党首 =20日午後、東京都千代田区・星陵会館(納冨康撮影)
各党代表の挨拶と写真はhttp://www.sankei.com/politics/news/より。