昨夜、日本僑報社主催の「中国人の日本語作文コンクール」に応募作品31本を送りました。
現在この大学の日本語学部にいるのは、3年生11名、1年生10名だけです。
4年生は卒業寸前で全国に散らばっており、数名を除いてもう大学にはいません。
2年生がいないのは、大学が突然「隔年募集にする」とか言って募集しなかったからです。
来年度はどうなるか、ビミョウなところだそうです。
さて、募集テーマは下記の3つでした。
1「中国の若者が見つけた新しい日本の魅力」
2「日本の『中国の日』に自分ができること」
3「忘れられない先生の言葉」
1年生のほとんどと、3年の半数近くの学生が
3の「忘れられない先生の言葉」をテーマに選びました。
そして、そのまたほとんどが、高校時代の先生について書きました。
何人もの学生が、
「人生で最も辛かった高校時代」
「大学はパラダイス、でも高校は苦しかった」
「何度も進学を諦めかけた受験地獄」
「大学なんて行かなくたっていいさ、専門学校だっていいじゃないと思った」
などと、高校3年間が、今振り返っても、
忘れられない苦しみの日々だったことを切々と書いていました。
そんな時、不良になったり、反逆したり、ふてくされたりしていた生徒の多くが
今、菏澤学院の大学生です(笑)。
私の前任校は江西省で指折り数えるエリート校で、
学生達から高校時代、ふてくされていた思い出はついぞ聞いたことがありません。
(なるほどなあ)と思いました。
国家が1本(一流)と定めた大学にはそういう学生達が、
2本(二流)と決められた大学にも、
それ相当の学生達が入学してくるのです。
「中国の学生達はとてもよく勉強する」とよく日本人は言いますね。
確かに、1本の大学の学生達はたまげるほど勉強します。
また、能率もいいのです。学習効率が高いと言うか。
子どもには、
ポイントを掴む技に優れた子、
じっくり時間をかけて理解する子、
瞬発力(センス)がある子、
毎日、決まった工程を丁寧にできる子、
頑固で自分のやり方を曲げない子、
深く考える子/何でも鵜呑みにする子、
持続力のない子/ある子……、と
十人十色ですが、
高校の先生方はそんな子ども達を全部相手にして、
「諦めなければ、人生に負けはないんだぞ」
「努力すれば、必ず成果がある」
「慢心するな」
と、叱咤激励し続けて、
進学希望の子ども達を大学に何とか送り込んでいるということが、
作文を読んでよ~く分かりました。
学生も、日本など足元にも及ばないほど激烈な受験地獄の中で、
トラウマになるほど頑張りを強いられたのでしょうが、
先生方も、これまた、たいへんだろうなあと思います。
子どもたちをレールからはずさないように指導する重い責任が
高校の先生方にはあるのですね。
だから、朝6時半の自習から夜10時半の自習終了まで
生徒にずっと付き添っている先生がたくさんいるのだそうです。
(特に1本の大学の学生達はそういう先生方に恵まれたようです)。
今の3年生が2年の時、
日本や北欧の「ゆとり教育」を紹介した際、
「詰め込み教育」と「ゆとり教育」のどちらがいいか聞いたところ、
ほぼ全員が「ゆとり教育」がいいに決まっていると語気強く答えました。
一人、ちょっと幼い雰囲気の子が、
「いや、詰め込み教育をしたら学力が付く……。」
と言いかけて、周囲の空気を読んで止めました(笑)。