東の夜明けが遅いのは、毎年この時期ここに来ると実感します。
朝7時になってようやく山の端少し明るく。
うだうだして、7時45分になってようやく起き出し、ジョギングに彼女と二人で
出かけます。
ホテルでもらったジョギングマップにある、平安神宮に向かい、琵琶湖疎水を渡り返して
永観堂から南禅寺前を通り、蹴上に登って戻ってくる5キロコースを走りました。
調子のいい彼女に私もほぼ全力。固まった足首がほぐれるのにかなり時間を
要したというものの、5キロ26分は、私の不調より彼女の好調といわなければ、
私の力が悲しくなります。
というほどへこんだわけでもなく、きりっと冷えた京都盆地でもこれくらい走れば
少々は汗ばんで、暖かい程度のまま、すぐに朝のバイキングへいきました。
ウェスティン都のバイキングは、パンがバゲットからコッペ、トーストにデニッシュまで
種類が豊富。サラダも色とりどりに並びますし、オーダーすれば好きな卵料理も
作り立てを供してくれます。また、土井の柴漬けほか、たんと並んだ和食も
楽しいラインナップなので、毎年楽しみなのです。
そんなゆっくりした朝を、テルモスに入ったコーヒーおかわりつきでいただきました。
相変わらず、スタートまでが時間がかかります。
10時40分に地下鉄・蹴上駅を出て、近鉄線に入り西ノ京駅へ。
第一の目的地は薬師寺です。
この奈良市にある法相宗の大本山は、
「天武天皇により680年に発願、持統天皇によって697年に本尊開眼、
710年の平城遷都に伴い現在地に移された」そうです。
大伽藍の向こうに金堂が大きく待ちます。
座したるは、白鳳時代作になる国宝・薬師三尊像。
薬師如来を中心に、日光・月光の両菩薩が並びます。
私たちの心と身の病気を救ってくださる仏様。
作品としても、腰の動きをつけた流動的な形が美しさを表現して
世界でも最高の仏像と仰がれていると記されています。
そして、伽藍の内側には見た目に楽しい東西の塔もあります。
改修中の東塔は白鳳時代のもの。
西塔は昭和56年に再建復興されました。
このほかにも、三蔵法師を祭った玄奘三蔵院伽藍などもみているうちに
昼も回り、京都ほどには多くない食べ物やさんから、彼女が調べていてくれた
評判の高いお蕎麦屋さんに入りました。
「よしむら」さんは10割そばが売りです。
角がたった、背が伸びるおそばでした。
ちょっと甘めのそばつゆも、冬にはいい具合であります。
お店をあとにして数分。
今日のもう一つのお参りが、唐招提寺です。
もう、教科書のころからの心のふるさと。東大寺の大仏殿とともに
視界に入るだけで心が定まるような建造物です。
屋根の上の動物や鬼をデザインした飾りにも目が行きました。
こちらも国宝の数々。
金堂と講堂はともに奈良時代8世紀後半の国宝建造物です。
金堂の中には、盧遮那仏坐像・薬師如来立像・千手観音像。
平成の大修理の過程展示に、手入れされ分解された姿にも驚きつつ、
仏を身近に求めたくなった2011年を深く思うのでありました。
さてと、取って返すは京都の五条。
雑誌を見て行きたかったパティスリーSは、既に年末休み。
残念とつぶやきつつ、
姉三六角蛸薬師、の六角へ。
奈良とはうって変わった、夕闇の中にも浮かび上がる街中の地蔵信仰を
集めるお寺です。
体も冷えたので、三条まで歩いて、落ち着きの喫茶イノダコーヒーへ。
ほっとするのは彼女とアップルパイがいるから。
コーヒーはアラビアの真珠という名前です。
なんやかやと、今日のお寺めぐりを思い出し話し合い、
店を出るともうすっかり町は帳の中。
PAGONさんや、衣やささん。俵やさんのデザインショップ遊形で
財布を緩める年末ならではの買い物をして、
南へ下り、京都二番目の夕食に行きました。
京の四条の橋の上。西詰めに建つ、レトロモダンな5階建て。
東華菜館は、量良し味良し、スピード良し。
そして決定印を押してしまうのが、飴炊きといわれるこちら。
そうなんですね、大学芋です。
揚げたて、からめたてでホクホクパキパキと香りと甘みと音が響きあう、
実に芋好きの心を射抜くすばらしいお菓子が待ってくれています。
食べても食べてもあきません。
お腹が割れそうにはなりますが、僕は負けません!!!
16切れのうち12切れをきっと私が食べたはずです。
彼女も良く食べたとほめてくれました。
明日の運動は必須になりましたが、今日も満腹の夜を迎え、
祇園から知恩院の坂を上がり、蹴上に回り込んで
ホテルへ帰り着きました。
おやすみなさい。
ここまで、無事たどり着いた根気のいいかたには、深くお礼申し上げます。