花屋さんの建物は国の重要建築物に指定されているそうです。
丘の地形をそのままいかし、二階建ての木造と、平屋の離れが点在しています。
土地の自然に溶け込むようなこの旅館は、だからどこにいても落ち着くのです。温泉も部屋もロビーも廊下でさえも。
起きて窓から見上げる空は、空気が澄んでいるので青が際立ちます。
そして、木枠とガラス一枚では防ぎきれない冷気は部屋のなかにも入り込み、なかなか布団や炬燵から抜け出せないというおまけもついています。
朝御飯。
直径が50センチ近くありそうな梁が縦横に行き交う天井を見上げたホールで、カラフルな割烹着を着た女性たちが給仕してくれます。
炊きたてご飯はしゃっきりと、地元聖高原の味噌はふくよかに香り立ち、湯豆腐が小鍋でコトコトいっています。
卵料理は、席についてからお好みを聞かれます。オムレツ、温泉卵、だし巻き玉子からのチョイスで悩みます。
充実した献立に、最初のリンゴジュース一杯と、最後に、宿を営む飯島商店が作った三宝柑の生ゼリーが出るサプライズアクセントが加わって、朝から楽しいスタートです。