4か月振りの韓国出張です。
この間、わが社の韓国事務所が引っ越しをしたので、ホテルはその近くの明洞イビスホテル。喫煙ルームのある、今では珍しいホテルです。
で、事務所の引っ越し先は、ポストタワー(ソウル中央郵便局の建物)。私がソウルにいるとき、工事中でしたが、帰国後まもなく竣工。韓国の郵便のトレードマークがツバメ。そのツバメの尻尾の形を象ったといわれます(リンク)。
今までの事務所の建物は築50年の年代物で、耐震性に問題があった。韓国は地震の少ない国ですが、昨年から今年にかけて立て続けに南部で地震が起きたので、坪単価の高いこのビルへの移転が認められたとのことです。
女子社員が多く、彼女たちにとってトイレが大きくてきれいなことが好評。そしてトイレの「個室」にはごみ箱がありませんでした。韓国トイレには従来大きなごみ箱が置かれていて、使用済みのティッシュを流さずにごみ箱に捨てることが慣例でしたが、今年1月の法律で、(男性用)トイレの個室にごみ箱を置くことが禁止されました(リンク)。
トイレの入り口には、
ごみ箱のないトイレ
という貼り紙があり、
使用済みのトイレットペーパーは便器に流してください
という文が、韓国語、英語、中国語、日本語で記されていました。
ところが…
駐在員の話では、引っ越してから4か月の間に何回もトイレが詰まったり、ウォシュレットが故障したりしていたということです。
私にとって重要なのは、トイレよりも喫煙所。
これまでは、非常階段だったり、建物の裏側の狭くて汚い通路だったり、まるで不良高校生が隠れて煙草を吸っているような気分でした。
ポストタワーの喫煙所は素晴らしい。
10階の、建物の正面側の広々としたベランダです。灰皿だけではなく、ベンチもたくさん置かれており、20人が同時に利用しても気持ちよく喫煙が可能と思われます。
そして眺望がすばらしい。
右には韓国銀行本店、左には新世界百貨店。
どちらも日本の植民地時代に日本が建てた大理石の建造物です。今でこそ、近代的な高層ビルが林立するソウルですが、京城時代は、今は取り壊された総督府と並んで、ソウルを代表するランドマークでした。
日本の芥川賞に当たる権威ある文学賞に李箱文学賞があります。その文学賞に名前が残る李箱の代表作、「ナルゲ(翼)」はその結末で、主人公が三越百貨店(現新世界百貨店)の屋上から飛翔を試みます。
ここで煙草を燻らせながら、しばし80年前の京城(ソウル)に思いを馳せました。
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