犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ベントレーの思い出

2010-09-10 23:18:20 | 思い出
 私がカローラを買ったとき,ずいぶん車を研究したものでした。

 当時,徳大寺有恒著『間違いだらけのクルマ選び』がベストセラーになっており,車選びの指針になっていた。そして,雑誌は同じく徳大寺さんが監修する「ベストカーガイド」という月刊誌(当時)を毎号読みふけりました。

 あのころは車が若者の夢の一つだったですね。新しいスポーツタイプの車が出るたびに,そのスペックに心を踊らせていました。

 そして私は大学を卒業し,ある出版社で編集の仕事につきました。書籍編集に回ったとき,私は無謀にも,ベストセラー作家の徳大寺氏に執筆依頼をしたんですね。

 徳大寺は駆け出しの編集者である私を門前払いにすることなく,とにかく話を聞こうということで会ってくれました。徳大寺氏の仕事場は九段下のホテルグランドパレス。よく,1階のコーヒーショップで企画の打ち合わせをしたものです。

 あるとき,徳大寺さんが講談社に急に行かなくてはならない用事ができ,打ち合わせは車の中でしようということになりました。ホテルの地下駐車場に行ってみて驚いた。そこに鎮座していた車は,なんとイギリスの名車ベントレー

 当時のベントレーはロールスロイスの傘下にあり,ロールスロイスのスポーツタイプを作っていました。おそらく3000万円ぐらいしたのではないでしょうか。

 私は「自動車図鑑」でしか見たことのない革張りのベントレーの助手席に乗せてもらえたわけです。一説によると,ロールスロイス/ベントレーは,車のシートに最適な牛革を得るための専用の牧場をもっているということです。幸い(?),道が渋滞しており,ふつうなら10分ぐらいで行く距離を,30分ぐらい夢のような時間が続いてくれました。

 結局,徳大寺氏の著書の企画途中で私は書籍編集部を離れ,この話は霧散しました。しかし,そのときの10数回の企画会議はいい思い出となって記憶に残っています。

コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 懐かしい車 | トップ | エコカー補助金 »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (某延世大留学生)
2010-09-12 14:43:57
ウィキペディアの記述によりますと、徳大寺さんは、助手席には女性しか乗せないとのことですが、犬鍋さんは例外だったのですね^^

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%B3%E5%A4%A7%E5%AF%BA%E6%9C%89%E6%81%92
返信する
実は (AmIAHO)
2010-09-13 10:58:58
犬鍋同志はアガシだったのか・・・
返信する
そうだったんだ (犬鍋)
2010-09-20 01:33:22
プライベートでは,という条件つきだったんでしょう。

実際,ダンディーな人ですね。

一流のブランドで固めていて,かばんはルイヴィトン,万年筆はモンブラン…

私の企画のために書いた原稿を入れたルイヴィトンのバッグを空港で紛失したという話は,本当だったんだろうか…

>アガシだったのか・・・

奥さんが書いたように見せかけてブログを書いている旦那を知っています。

なりすまし…

掲示板では疑わしい人がけっこういたような。
返信する

コメントを投稿

思い出」カテゴリの最新記事