犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

大塚の小確幸

2022-01-08 23:15:08 | 食べる
 村上春樹の造語、小確幸(小さいけれども確かな幸せ)について検索していたら、東京に小確幸という中華料理屋があることを発見しました。

 通勤経路からそう遠くないので、行ってみました。

 JR山手線大塚駅から歩いて6、7分の所にありました。

 このあたりには以前、ミャンマー料理屋さんがあって、私がミャンマー語を勉強していたころに何回か来たことがありますが、その店はもう潰れてしまいました。

 韓国で小確幸という言葉が流行ったのは2018年。ネット情報では、台湾ではもっと早く、2012年ごろから流行語になっていて、台湾にはそういう名前のレストランやカフェがたくさん作られたとのこと。

 大塚の小確幸も台湾のお店なのでしょう。

 ランチタイムでしたが、客の姿はまばら。どのテーブルからも中国語らしき言葉が聞こえてきます。日本人客は私だけのようです。

 注文をとりにきたアルバイトらしき女性に聞いてみました。

「この店の名前は、どういう意味ですか」

「あの…、小さいな幸せ」


 この店員も中国系のようです。

 豚の角煮チャーハン(700円)を頼みました。

 隣のテーブルで中国語をしゃべっていた若い男の二人組に話しかけてみました。

「日本語できますか」

「はい」

「台湾の方ですか」

「いえ、上海です」

 二人がさきほどまでしゃべっていたのが北京語なのか上海語なのか、私には判別できません。

小確幸って、上海でも使うんですか?」

「使いますよ」


 角煮チャーハンは、かなり濃い味付けで、ボリュームもたっぷり。おいしくいただきました。

 レジでお金を払うとき、先ほどのアルバイトにもう一度聞きました。

「台湾の方ですか?」

「いえ、大連です。でも店は上海です」

「大連でも小確幸という言葉は使いますか?」

「いいえ、使いません」


 この女性が何年前に日本に来たかわかりませんが、日本語の下手さ具合から、コロナが始まる少し前だと想像します。そのころの大連では小確幸という言葉が使われていなかったことがわかりました。

 上海でいつごろから小確幸が定着したかは確認できませんでしたが、台湾より少し後、韓国で流行ったのと同じころではないかと思います。

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