犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

韓国便り~二日目

2016-05-29 23:23:42 | 韓国便り(帰任以後)

 二日目の夜は、以前も行ったカンジャンケジャン無限リピル(食べ放題)の店。前回は客が少なかったですが、最近は人気が出てきて、入れないこともあるそうな。

 幸い、その日は金曜日だったにもかかわらず、それほど混んでおらず、待たずに入れました。

 基本のセット(カンジャンケジャン、ヤンニョムケジャンの食べ放題とワタリガニのメウンタン)、1万5千ウォン弱を注文。
ケジャンの旬は5~6月だと聞いていたので、期待していたのですが、カニそのものは前回と変わりませんでした。

「今日は、二次会はどうしますか? 昨日と同じところというのも芸がないし。犬鍋さん、どこか知りませんか」

「じゃ、ちょっと知り合いの韓国人を誘ってみましょうか」

 いつも韓国で飲む韓国在住20年の日本人の知り合いは、残念ながら今回に日本に行っていて行き違い。日本人の観光ガイドをしている韓国人女性に電話してみました。

「ごめんなさい。明日、試験なので、今日はちょっと難しいです」

「なんの試験?」

「観光中国語」

 どうも、最近は日本人観光客が少ないので、日本語のガイドだけでは仕事にならない。そこで、中国語も勉強して、中国人観光客のガイド資格をとろうということのようです。

「テーダナダ! ヒムネセヨ!(すごいね! 頑張って!)」

「カムサハムニダ!」

 駐在員はまだ韓国語があまり上手ではないので、日本語のできる店がいいのですが、私の知っている店はほとんどつぶれています。

「ちょっと遠くでよければ、ありますが」

「どこですか」

 食事を一緒にしていた韓国人社員が聞きます。

「9号線のヨムチャン駅」

「そんなに遠くないですよ」

「じゃそこにしよう」

 地下鉄に乗るのもかったるいので、目の前に止まっていた「模範」に乗り込みました。

 金曜日の夜の城山(ソンサン)大橋は大渋滞。

「失敗したかな」

「地下鉄のほうがよかったかもしれませんね」

 結局、目的地に着くまで1時間近くかかりました。料金は2万7千ウォン。韓国のタクシー料金としてはかなり高額です。

「オレガンマニエヨ(久しぶり)」

 このアガシ、以前は別のところにいて、私と韓国人スタッフがよく飲みに行っていました。

「まだ結婚してないの?」

「ええ。でも、妹はあさって結婚するわ」

「そうなんだ。おめでとう」

 アガシには二人の妹がいて、みな独身でしたが、このたびマンネ(末っ子)が結婚することになったのだとか。

「犬は元気?」

 もう一人の妹がブリーダーをやっていて、家に5匹だったか6匹だったかの犬を飼っていることを、以前聞いていました。

「犬は2匹だけ。でもネコがたくさんいるわ」

「何匹?」

「スムルトゥーマリ(22匹)」

「えっ? スムルトゥルって、イーシビー(22)ってこと?」

「そう」

「多すぎでしょ?」

「子どもをたくさん産んじゃって」

「ナビタンにしたら?」

「オモナ! 何言ってるの?」

 ナビタンというのは、少し前にこのブログのコメンテーターに教えてもらったもので、「猫鍋」のこと。関節にいいということで、漢方薬の一種として食すとのことです。なお、「ナビ」は韓国語のチョウチョ。韓国人は、猫を呼ぶときに決まって「ナビヤ、ナビヤ」と言いますが、そこに由来するようです。(→リンク

「だって、ポシンタン、好きでしょう」

「あれは別よ」

 「ナビタン」については、名前は聞いたことがあるけれども見たことはない。韓国でも一般的ではないようです。

「あと、エンムセもいるの」

「エンムセって、オウム?」

「そう。二羽いるわ」

「猫に襲われないの?」

「大丈夫。別の部屋だから」

「しゃべる?」

「ええ、上手よ。韓国語しかだめだけど」

 店はだんだん混んできて、2人しかいないアガシはテーブルを行ったり来たり始めます。「カフェ」だから仕方がありません。

「そろそろ行こうか」

 ビール5本と韓国ウイスキー(スコッチブルー。なつかしい!)1本、それに果物のセットで20万ウォン。それにアガシへのチップが5万ウォン。一人8千円チョットというのは、郊外の飲み屋にしては高い部類に入ると思います。


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