韓国出張から戻って二日後、今度はタイへ向かいました。
数年前からタイ便も羽田発があり、便利になりました。京浜急行でもうすぐ羽田空港に着くころ、正確なフライトの時間を確かめるために、チケットを出そうとしたところ…
パスポートがない!
頭から血の気が引きました。2秒で、すべてを理解しました。二日前の韓国には冬物のスーツを着ていきましたが、常夏のタイには夏物に着替えた。パスポートは冬物のスーツの胸ポケットに入れていたのです。
すぐさま頭をフル回転させ、家に取りに戻るために必要な時間を計算します。
(大丈夫かもしれない)
羽田空港国際線駅に降りるとすぐに逆方向の電車で後戻り。京浜蒲田駅で下車します。
「タクシー乗り場はどこですか?」
「タクシー乗り場はありません」
(そんな…)
「あっちの出口のほうが拾いやすいですよ」
トランクを引きずりながらダッシュします。
運良くすぐに流しのタクシーをつかまえることができました。
「運転手さん。めちゃくちゃ急いでるんです」
「そうですか。どうされましたか」
「パスポートを忘れたんです。家によってすぐ空港に行ってください」
「そりゃ大変だ。フライトは何時ですか」
「12時20分です」
「じゃ、余裕ですよ。10分前に着けばいいんでしょう?」
「ダメですよ。国際線は1時間前に着かないと」
「そうなんですか。じゃ、急ぎましょう」
道が空いていたことが幸いし、約15分で自宅に到着。すぐに引き返して30分ほどで空港に到着。50分前でしたが、窓口は空いていたので、なんとか間に合いました。
空港まだ行ってパスポートを忘れたことに気づき、家に引き返して間に合ったのはいくつもの幸運が重なった結果です。
幸運その1 私が埼玉の自宅ではなく、大田区の伯母の家からの出張だったこと。
幸運その2 フライトが成田ではなく羽田発だったこと。
幸運その3 同行する同僚が心配性で、通常1時間半前に空港で待ち合わせるのに、この日は2時間前に待ち合わせていたこと。
幸運その4 日曜日の午前中で道がガラ空きだったこと。
上のどの一つが違っていても、私は間に合わなかったでしょう。
もしそうなっていたら、この失態は会社内で長く語り伝えられ、私の暗い過去として死ぬまで記憶に残ったことでしょう。
実は、同行の出張者は心臓に持病があるため、忘れ物に気づいたとき、
「忘れ物をとりに帰ったので、少し遅れます。搭乗口で会いましょう」
とだけ伝えてありました。
正直に、「パスポートを忘れたので間に合わないかもしれません」、と書いていたら、そのメールは彼の心臓を直撃し、大惨事になっていたかもしれません。
何ごともなかったかのようにバンコクに飛び立つことができたのは、本当に幸いでした。
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