犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

バンコク便り~禁酒日

2016-02-25 23:13:46 | バンコク便り

 タイには、お酒を飲んではいけない日というのがあります。選挙の日とか、仏教がらみの祝日などです。

 私がタイに着いた日が、まさに禁酒日でした。

 マカブーチャ(万仏祭)。

 お釈迦様にまつわる祝日なんだそうです。

 ホテルには夕方チェックインし、その日は仕事がなかったのですが、酒を飲めないのではしかたがない。

「ちょっと散歩でもしようか」

「そうですね」


 出張の同行者は、二回目のバンコク。

 私たちがいつも泊まるホテルは、歓楽街として有名なラチャダー通り。風俗系の店も多いのですが、周辺には伝統的なマーケットもあります。

 仏教というよりヒンズー教っぽい寺院を見物し、ごみごみした服のマーケットを歩き回ります。だんだんお腹がすいてきました。

「レストランはあまりないですね」

「やっぱりスクンウィットに行こうか」


 ラチャダー通りの下は地下鉄が走っています。それに乗って、スクンウィットに出ました。お店の多そうなソイ(路地)に入り、小ぎれいなタイ料理屋に入りました。

 店はすいていて、西洋人らしき4人組がいるだけ。

「あれ? ビール飲んでるよ」

「ほんとだ」


 われわれも頼んでみると、ふつうにビールが出されました。

「禁酒日じゃなかったのか」

 翌日、現地事務所の駐在員に聞いてみました。

「どんな店ですか」

「どうって、あまり特徴のないタイ料理屋ですけど」


「勘定は手書きだったんじゃありませんか」


「さあ、覚えてないなあ」


「大きな店は、レジで記録が残って、あとで罰金をとられますからね」

 
そういうことだったのか。

 法律があってもあまり守られないのは韓国と似ています。


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