椎名誠著『からいはうまい-アジア突撃極辛紀行』(小学館,2001年)という本があります。
半分以上のページが韓国に割かれています。あとは,チベットとワサビの遠野,辛味大根の信州。
この中に次のような記述があった。
「飲食店は韓国の伝統的な韓式料理を食べさせる店が多いようで,フランス料理だ,イタリア料理だ,地中海料理だ,アフリカだ,タイだ,ボルネオだ,と世界各国の料理屋が集まっている日本の風景とは全く違う。申さんの話によると,フランス料理やイタリア料理もあることはあるが,高級ホテルや大型ビルの中にひっそりと数軒あるだけだという。韓国人に合わない三大料理は第一にカレーライス,二番目にスパゲッティ,三番目にステーキである,と申さんは説明する。ここ韓国ではスパゲッティに替わる麺類はありあまるほど豊富だし,カレーの辛さはこの国ではトウガラシとモロに戦う辛さである。そしてまた,ステーキにかわる肉類はあの焼き肉を筆頭として,豊富にどっさりある。そんな訳で,この三つが流行らないというのは大いに頷けるのであった。」
まあ,韓国人の言ったことだから間違いはないのかもしれないけれど,カレーライスというのは家庭料理としては定着しているし,それなりに人気はあると思います。
外食産業としてのカレー屋さんが流行らない,ということなのかもしれません。実際,日本にあるような本格的インドカレー専門店というようなのは少ない(私の知るかぎりソウルに四軒)。
一般のカレー屋さんもあるにはありますが,まずい。そば屋のカレーといった感じです。黄色くて,あまり辛くなくて,ジャガイモやニンジンが露出していて,たくわんが付いてくる。そのうえ結構高い(会社の近くにあったカレーハウスは6000ウォンぐらい。その後つぶれました)。
肉や野菜が目に見える形で入っていないと,ケチって入れなかったのではないかと疑われるので,店のほうでもこれみよがしに大きく切り,形が崩れるほどには煮込まない。
本格的なインド香辛料は苦手のようです。
なぜか,日本のカレーはおいしいという噂がたっていて,日本に来る韓国人の中には,スーパーでしこたま日本のカレーのルー(ハウスとかSBとか)を買い込む人がいます。
何の本で読んだのか思い出せませんが,80年代,韓国を訪れた在日韓国人が,韓国のカレーのあまりのまずさに驚き,こんなカレーを食べている同胞を哀れみ,よし,おれが本物のカレーを教えてやろうと思い立って,韓国に本格カレーハウスをオープンした。雰囲気も考えて,食器もステンレスやプラスチックじゃなく,コップはガラス製,皿は陶器製にした。まず閉口したのが,雇ったアルバイトが洗い物の際に食器をバリバリ割ること。いくら注意してもだめ。韓国の割れない金属/プラスチック製食器に慣れているので,つい扱いが雑になるらしい。さらにはアルバイトが友達を呼んでは勝手にただ飯を食わせる。それを見咎めると,「情がない」と逆に非難される。決定的なのは肝心の本格カレーが,韓国人の口に合わなかったこと。結局,一年もせずに店をたたみ,「もう二度と来るか!」と捨てぜりふを吐いて,日本に帰ったそうです。
半分以上のページが韓国に割かれています。あとは,チベットとワサビの遠野,辛味大根の信州。
この中に次のような記述があった。
「飲食店は韓国の伝統的な韓式料理を食べさせる店が多いようで,フランス料理だ,イタリア料理だ,地中海料理だ,アフリカだ,タイだ,ボルネオだ,と世界各国の料理屋が集まっている日本の風景とは全く違う。申さんの話によると,フランス料理やイタリア料理もあることはあるが,高級ホテルや大型ビルの中にひっそりと数軒あるだけだという。韓国人に合わない三大料理は第一にカレーライス,二番目にスパゲッティ,三番目にステーキである,と申さんは説明する。ここ韓国ではスパゲッティに替わる麺類はありあまるほど豊富だし,カレーの辛さはこの国ではトウガラシとモロに戦う辛さである。そしてまた,ステーキにかわる肉類はあの焼き肉を筆頭として,豊富にどっさりある。そんな訳で,この三つが流行らないというのは大いに頷けるのであった。」
まあ,韓国人の言ったことだから間違いはないのかもしれないけれど,カレーライスというのは家庭料理としては定着しているし,それなりに人気はあると思います。
外食産業としてのカレー屋さんが流行らない,ということなのかもしれません。実際,日本にあるような本格的インドカレー専門店というようなのは少ない(私の知るかぎりソウルに四軒)。
一般のカレー屋さんもあるにはありますが,まずい。そば屋のカレーといった感じです。黄色くて,あまり辛くなくて,ジャガイモやニンジンが露出していて,たくわんが付いてくる。そのうえ結構高い(会社の近くにあったカレーハウスは6000ウォンぐらい。その後つぶれました)。
肉や野菜が目に見える形で入っていないと,ケチって入れなかったのではないかと疑われるので,店のほうでもこれみよがしに大きく切り,形が崩れるほどには煮込まない。
本格的なインド香辛料は苦手のようです。
なぜか,日本のカレーはおいしいという噂がたっていて,日本に来る韓国人の中には,スーパーでしこたま日本のカレーのルー(ハウスとかSBとか)を買い込む人がいます。
何の本で読んだのか思い出せませんが,80年代,韓国を訪れた在日韓国人が,韓国のカレーのあまりのまずさに驚き,こんなカレーを食べている同胞を哀れみ,よし,おれが本物のカレーを教えてやろうと思い立って,韓国に本格カレーハウスをオープンした。雰囲気も考えて,食器もステンレスやプラスチックじゃなく,コップはガラス製,皿は陶器製にした。まず閉口したのが,雇ったアルバイトが洗い物の際に食器をバリバリ割ること。いくら注意してもだめ。韓国の割れない金属/プラスチック製食器に慣れているので,つい扱いが雑になるらしい。さらにはアルバイトが友達を呼んでは勝手にただ飯を食わせる。それを見咎めると,「情がない」と逆に非難される。決定的なのは肝心の本格カレーが,韓国人の口に合わなかったこと。結局,一年もせずに店をたたみ,「もう二度と来るか!」と捨てぜりふを吐いて,日本に帰ったそうです。
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