犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

韓国便り~市内観光

2013-04-25 22:04:30 | 韓国便り(帰任以後)

 二日目も特に計画なし。

 ソウル駅から市庁方面にぶらぶら歩き始めます。

 途中、南大門を通ります。南大門が放火によって炎上したのは、2008年のこと。すでに私は日本に帰任していましたが、当日はソウルに業務出張で来ていて、そのときの記録がこちら(→リンク)。

 その後、長らく再建工事が行われていましたが、ほぼ工事も終わり、5月の完成に向けて最後の仕上げをしていました。

 その先にあるのが市庁広場。市庁舎も長らく工事をしていましたが、こちらは南大門より一足早く完成し、昨年9月に引っ越しも終わったようです(→リンク)。植民地時代の旧庁舎も残し、それを大津波が襲うようなデザイン。どういう寓意がこめられているのかはわかりません。

 私たちは市庁をすぎて、昔、私が勤務していた武橋洞(ムギョドン)近辺を散策。途中、古いプゴククの店が今も健在であることを知り、ちょっと遅い朝御飯を食べました。

 日曜日の午前中のビジネス街にある店なのに、行列ができていました。お客さんは中国人と日本人が韓国人よりも多いくらい。近くのロッテホテルやプラザホテルの宿泊客が食べに来ているのでしょう。

 ここのメニューはただ一つ、プゴクク(タラのスープ)のみ。店の名前も「プゴククチプ」(プゴククの店)と、たいへんわかりやすい。看板を信じれば、創業は1968年とのことです。平日のお昼ご飯は20分ぐらい行列することを覚悟しなければならないほどの人気。幸い、この日は5分ぐらいで入れました。

 プゴ(北魚)は、スケトウダラのこと。それを干物にしたものを、さらにスープにします。唐辛子はつかわずに、あっさりした塩味。プゴ以外には豆腐ともやし、生卵が流し入れてあります。テーブルには、数種類のキムチ類があって、食べ放題。

 味は絶品。前日の二村洞での失敗を取り返しました。

 私たちはそこから、前大統領の李明博のソウル市長時代の業績である、清渓川(チョンゲチョン)に沿って東大門方面に向かいます。途中、おしゃれなコーヒーショップで一休み。ありがたいのは、このあたりはソウル市が提供する無料のWifiが利用できること。

 夜は、このブログのコメンテイターでもあるKさんと約束をしていたので、電話をしてみました。すると、実は私が勘違いしていて、メールでは前日の夜に会うことにしていて、実際にスタンバっていてくれていたのでした。平謝りに謝りましたが、幸いその日の夜も空いているということだったので、あらためて夜に待ち合わせました。

「昼御飯、どうする?」

チキンとビールはどう?」

 私たちがソウルに駐在中、週末は駐在員仲間とテニスをすることにしていました。夏、休憩時間に近くのチキン屋さんにケータリングをお願いすることがよくあったのですね。チキンをまるごとカリカリに揚げたもの。味なしで塩をつける食べる奴と、韓国風の甘辛いヤンニョム味のものを一つずつとって、配達のためにペットボトルに入れた薄い生ビールで食べるのでした。

「繁華街のオシャレな店より、地元の店のほうがいいのよね」

「じゃ、バスに乗って、チキン屋さんを見つけたらそこで降りようか」

 われわれはまず東大門まで歩き、そこから適当に路線バスに乗りました。バスは進路を南にとり、漢江(ハンガン)を渡ってアプクジョン、江南(カンナム)をさらに南下していきます。着いた日は小雨のぱらつく肌寒い陽気だったのですが、この日はきれいに晴れ上がり、気持ちの良い春の日。漢江沿いにはまだ桜が咲いていました。

 良才(ヤンジェ)からさらに南に行きそうだったので、そこでバスを乗り換え、今度は西に向かいます。芸術の殿堂、サダン(舎堂)などを通って再び北上。途中、いくつかチキン屋さんがありましたが、日曜日で閉まっている店が多い。韓国はクリスチャンが多いので、日曜日の昼間は繁華街を除いて、あまりやっている店が多くないのです。

「いったん明洞(ミョンドン)まで戻ろうか」

 ミョンドンはいまや、中国人に占拠されているといっても過言ではありません。アベノミクスによる円安と、このところの韓国の反日姿勢や北のミサイル騒ぎに嫌気がさして、日本人観光客はずいぶん減りました。

 ミョンドンの中心街には探しているような平凡なチキン屋さんがないので、大通りを渡ってパシフィックホテルの脇道を入り、見つけた店に入りました。

 客はわれわれ以外に中国人と韓国人が二組ずつ。「マヌルチキン」(ニンニクチキン)を頼んだのが失敗でした。われわれが望んでいた、一羽丸揚げにしたものではなく、手羽先で、しかも揚げた後にマヌルのヤンニョムがついていてそのヤンニョムに砂糖がたっぷりと入っていた。

「まずいね」

「ホント、残念」

 酒が入ってしまうと、歩き回るのがだるくなる。ミョンドンをぶらついて、ロッテホテルの免税店をちょっと見たあと、夜に備えていったんホテルに戻ることにしました。

 今回、円からウォンへの両替は空港で少しだけ、梨泰院(イテウォン)で多めにしましたが、足りなくなりそうだったので、ミョンドンの、いつも私が出張時に利用している両替屋さんで更に両替。

 その結果わかったことは、梨泰院がもっとも有利で、次に明洞。空港の銀行がもっとも利率が悪いということでした。(日本での両替は論外)


コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

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両替 (キムチチゲ)
2013-04-29 08:46:19
両替はイテオンの率がよいというのは有益な情報です
イテオンといえばアメリカ人が多い街ですね
南大門(崇礼門)の再建工事、完成まじかですか
やっぱり南大門の姿を見ないとソウルに行った気がしません
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ファンニュル (犬鍋)
2013-04-30 00:21:10
イテウォンとミョンドンの換率の違いはわずかです。
一万円あたり数十円の差ですから、大金を換えないかぎり交通費で飛んじゃうかもしれません。

南大門は本体はできてましたが、その周囲が工事中でした。
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プゴクックチプについて (元中区住人)
2013-05-04 06:43:13
こちらのお店は息子さんに代替りしました。大学を出てまでして店を継いだので、新聞記事になったと聞きました。
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大卒の息子 (犬鍋)
2013-05-04 09:44:44
元中区住人さん、情報ありがとうございます。

飲食店が「賤業」とみなされている韓国で、大卒の息子が店を継ぐということは、ニュースバリューがあるのでしょう。
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