高校の同窓会が2年振りに開かれました。
母校の同窓会館という施設での、立食パーティー。40人ほどのクラスメートが集まりました。遠くから交通費を使っての参加者は無料。この4月から大阪単身赴任の私も、この特典の恩恵にあずかりました。
だいたい来る顔ぶれは決まっているのですが、今回は国会会期中にもかかわらず、同期の二人の国会議員も来ていました。片や自民党、片や共産党。日頃の対立はおいといて、和気藹々と会話していました。
同窓生の中で、ちょうど私が韓国駐在中に日本大使館に派遣されていた官僚がいました。とても忙しくしているらしく、韓国から帰国後、一度も会う機会がありません。その代わり、妻同士で交流が続いていて、この前も山中湖の別荘に遊びに行かせてもらったそうです。
その別荘の二階で、一大構造物ができつつあるらしい。彼(Sさん)は、実は鉄ちゃんで、現在の趣味は鉄道模型。別荘の二階を専有し、そこに大規模な鉄道模型を設計、製作中。
「たしか、高校時代、鉄研だったよね」
S氏は同窓会に欠席していたのですが、学生時代にS氏と仲のよかった友人に聞いてみました。
「S氏が別荘ですごいの作ってるらしいよ」
「ああ、それは有名な話だよ。ぼくも一度見に行った」
この友人は、自分よりも父親のほうが鉄道に夢中で、SLのプレート(?)のような鉄くずに、大枚700万円も投じ、テレビにも出たそうです。
鉄ちゃんの異常な情熱は、門外漢にはなかなか理解できません。
「やあ、久しぶり。ミャンマーに行ったんだって」
当日配布された「近況報告」にミャンマーのことを書いたのです。
「うん、8月もまた行くつもり」
「うちもヤンゴンに事務所を開いてね、最近まで駐在員のいろんな手続きをぼくのほうでやってたんだよ」
日本企業の進出ラッシュについては、テレビでもよく報道されていますが、彼の会社(富士通)もその例に漏れないようです。
「そういえば、ぼく、まだ親指シフト使ってるんだよ」
「えっ? それは珍しい。富士通の社員ももう使ってないのに」
「特注品のPCが高くて参ってるよ」
「なに、それ?」
「ほら、富士通の子会社だか関連会社だかが、親指マニア向けに細々と作ってるでしょう」
「知らないよ」
親指シフトというのは、ワードプロセッサーの名機、オアシス100で富士通が独自開発した日本語直接入力のためのキーボードです。私は最初の職場でオアシスを使っていたため、今も、そのキーボードを愛用しているのです。
しかし、親指シフトキーボードは日本の標準になることはなく、専用ワープロがなくなり、パソコンでの入力が主流になって以降、富士通自体もJISキーボードを標準採用するようになりました。しかし、一部のユーザーに親指シフトの熱狂的なファン(私もその一人)がいて、根強い需要があったため、富士通から分離独立したベンチャー企業がカスタムメイドの親指シフトPCを作り続けているのです。でも、その存在は、当の富士通社員からも忘れられつつあるようで…。
親指シフトに対する一部ユーザーの異常な情熱は、普通の人には理解しにくいのでしょう。
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