海の日を含む3連休に帰京しました。
関東地方に梅雨明けが宣言された日曜日、渋谷のビストロで飲みました。
妻とその妹(義妹)といっしょに飲むことになったのです。妹は、10年ぐらい前に連れ合いを亡くし、個人塾を経営しながら3人の娘を女手一つで育て上げました。大したものです。
その妹が、最近知り合ったという男性(Kさん)を連れてきました。妹もその男性もお酒好きだということです。
Kさんもまた、数年前に奥さんを亡くし、3人の子どもを育てているということで、境遇に共通点が多く、妹と気が合うようです。
「今、大阪で単身赴任なんですよ」
「大阪のどのあたりですか」
「新大阪駅の近くです」
「じゃ、西中島南方のほうですか」
「よく知ってますね。大阪に住んでいたんですか」
「あのね、Kさんは、日本のあらゆるところの地理にくわしいの。鉄ちゃんだから」
妹が解説してくれました。
「鉄ちゃんか。乗り鉄ですか、撮り鉄ですか」
「そうですね。どっちかっていうと乗り鉄ですが、時刻表で研究するタイプでした。今はやってませんが」
ひとしきり、いろいろな鉄ちゃんのタイプについて、話が盛り上がりました。2時間飲み放題で、妻も含め、全員が酒飲みなので、酒が進みます。
「私は数年前に転職して、今は鎌倉から木更津に通ってるんです」
「えっ? フェリーで?」
小学生のとき、川崎から木更津までフェリーに乗って潮干狩りに行ったことを思い出したのです。
「いえ、東京湾アクアラインのバスです」
フェリーはアクアラインができて廃止されたとのこと。
前職はアパレル関係の会社で、今は民営化された、かつての政府機関で勤務しているんだそうです。
「アパレルってどこですか」
「知らないんじゃないかなあ。○○ですけど」
「よく知ってますよ。大手じゃないですか」
「ほら、私たちが新婚旅行のときに一緒になった人も○○って言ってたわよね」
妻が突然30年近く前の話を持ち出します。
「新婚旅行はどこに行ったんですか」
「モルジブです」
「えっ? じゃあ私と同じだ。クラブメットですか」
「いえ、私たちは、ツアーじゃなくて単独で申し込みました。マクヌドゥという島です。いっしょの飛行機で行った新婚旅行の人たちは地中海クラブが多かったですね」
「私のときは、乗るはずだったエアランカ航空が欠航で、急遽マレーシア航空に変更になって…」
「えっ?! 」
私と妻は顔を見合せました。
「同じだっ!!」
詳しく話を聞いてみると、なんと、私たちとKさん夫妻は、同じ日に結婚し、翌日の同じ飛行機に乗って、同じ国に新婚旅行に旅だったということが判明したのでした。
「こんなことってあるんだ」
「私が空港で話した人、たぶん奥さんですよ。旦那さんの勤め先が○○って言ってたから」
「よく覚えてるね」
「仲良くなって、いろいろな話をしたの。確か写真も残ってる…」
私はまったく記憶にないのですが、おそらくはそのときKさんとも挨拶をし、Kさんや奥さんとも言葉をかわしたのだと思われます。
すでに飲み放題の2時間が過ぎていたので、私たちは店を出ましたが、こんな偶然の再会があろうとは…。特にKさんのほうは、亡くなった奥さんの思い出がいろいろ蘇るのでしょう。心なしか呆然とした表情でした。
「今日は楽しかったです。またぜひ会いましょう」
私たちは型通りの挨拶をして別れましたが、別れた後も信じられませんでした。
事実は小説より奇なり
まるで韓国のドラマのような話ですが、実際にあったことです。
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しかもその仲立ちを義妹さんが、というのも凄まじい。
もしやその男性には隠した意図があって、偶然を装い犬鍋さんに近付いて…などと考えたくなるほど。
自分では、高校生の頃にインターネット上で知り合い、数年やり取りした相手が、
祖父の最後の教え子だった、というのが最も劇的でしょうか。
>祖父の最後の教え子
それもなかなか劇的ですね。