写真:JETプログラムHRより
ALTには三つの雇用形態がありますが、待遇にはけっこう格差があります。
個々に見ていくと…
まず、JETプログラム。
JETプログラムというのはThe Japan Exchange and Teaching Programmeの略で、「外国語青年招致事業」。
目的は「英語を母語とする大学卒業者を日本に招聘すること」。
応募条件は、英語が母語、外国国籍、外国在住、40歳未満、過去に3年以上の日本在住歴がないこと、など。日本語力や、英語教育の資格・経験などは問いません。
現地(外国)で募集が行われ、日本に居住している人は対象外です。
2020年の調査では、5117人のうち、約半数がアメリカ、その他多い順にカナダ、イギリス、オーストリア、ニュージーランド、南アフリカ、フィリピン、ジャマイカ、アイルランドなど世界数十か国から参加があるとのことです(2019年7月)。
勤務地は選択できず、指定された地域・学校(多くは地方の市区町村)で働くことになります。
ビザ(就労ビザ?)は政府が取ってくれるようです。
収入は全国一律で決められており、税込みで1年目336万円、2年目360万円、3年目390万円、4・5年目396万円。それ以外に、一往復分の渡航費用の支給、社会保障費補助、家賃補助などがあります。
1年契約で原則3年間、最長で5年間ということですが、実態調査によれば、約半数は2年以内に帰国しています。
JET プログラムで来たALTは、9 割以上が大学卒業直後から 30 歳までの若者。
応募動機は、「日本語の習得」、「日本(文化)への興味」、「海外経験がしたい」、「自分の資質を見極めるため」など。
大学を卒業した若者が、将来のために、日本で1~2年、働く経験をしてみる、という感じで応募してくると思われます。
「給料が良い」ことを挙げる者が35%おり、これは他の雇用形態より満足度が高い。
20 代で、海外経験を積みながら得られる報酬として、年収 336 万(初年度)は悪くないということなんでしょう。
次に、民間雇用のALT。
雇用主は派遣会社です。学校(教育委員会)と契約して、自社に登録している外国人を派遣します。日本在住の外国人を集めるだけでなく、海外に採用ネットワークを持って、毎年かなりの人数を日本に渡航させている規模の大きな企業もあるようです。
Dは、フィリピンにいるときにALTに応募したことがありますが、ある理由で不合格になりました(リンク)。これもALTの派遣会社の一つだったのだと思います。
待遇は、JETプログラムに比べて相当見劣りがします。
アンケートでも、応募動機として「給料が良い」を選択した者 は 8%で、多くの民間雇用のALTが待遇に不満を持っていることがわかります。
2021年に北海道新聞に報道された例では、札幌市内の中学校で「派遣ALT」として働く米国人(47歳)の年収は約230万円とのこと。
月20万円以下ですね。
ボーナスはなし。これだけでは家族を養えないので、英会話の個人レッスンの副業でなんとかやりくりしているという。
契約によりますが、派遣会社は公的保険に加入しない場合が多く、春休み、夏休みなど授業日数が少ない月は給料も少ない(ひどいときはゼロ)。
埼玉県でALTをしていたアメリカ人の話では、月給はいちばん多い場合でも23万円ということでした。その人は「これ以上収入が上がる見込みもないし、暮らしていけないので、アメリカに帰る」と言っていました。
地方によっては、労働組合に加入し、派遣会社や自治体と待遇改善交渉をしているところもあるようです。
最後は地方自治体による直接雇用。Dが今回採用された雇用形態です。
自治体の教育委員会が採用し、非正規雇用の公務員と同等の待遇です。自治体により差はあるようですが、給料は30万円ぐらい。
Dの場合、月給31万円。月給制ですから春休みや夏休みなど、授業がない期間も給料が減らされることはない(もちろん出勤もするわけですが)。金額は不明ながら賞与も出るようです。公的保険(医療保険、厚生年金、雇用保険)に加入。交通費全額支給。ただし、昇給はほとんどなさそう。JETのような住宅費補助はありません。
契約は1年更新ですが、実際には継続雇用されることが多く、同じ自治体のALTミーティングで会ったALTの中には10年以上続けているという人もいるそうです。
待遇面では民間雇用よりずっとよく、JET プログラムに匹敵します。
ただ、先のアンケートで「給料がよい」と答えたのは11%にすぎず、民間雇用(8%)とあまり変わらないのが意外。
JETに比べ年齢層が高く(30歳以上が64%)、家族持ちが多いことが影響しているかもしれません。
ALTには三つの雇用形態がありますが、待遇にはけっこう格差があります。
個々に見ていくと…
まず、JETプログラム。
JETプログラムというのはThe Japan Exchange and Teaching Programmeの略で、「外国語青年招致事業」。
目的は「英語を母語とする大学卒業者を日本に招聘すること」。
応募条件は、英語が母語、外国国籍、外国在住、40歳未満、過去に3年以上の日本在住歴がないこと、など。日本語力や、英語教育の資格・経験などは問いません。
現地(外国)で募集が行われ、日本に居住している人は対象外です。
2020年の調査では、5117人のうち、約半数がアメリカ、その他多い順にカナダ、イギリス、オーストリア、ニュージーランド、南アフリカ、フィリピン、ジャマイカ、アイルランドなど世界数十か国から参加があるとのことです(2019年7月)。
勤務地は選択できず、指定された地域・学校(多くは地方の市区町村)で働くことになります。
ビザ(就労ビザ?)は政府が取ってくれるようです。
収入は全国一律で決められており、税込みで1年目336万円、2年目360万円、3年目390万円、4・5年目396万円。それ以外に、一往復分の渡航費用の支給、社会保障費補助、家賃補助などがあります。
1年契約で原則3年間、最長で5年間ということですが、実態調査によれば、約半数は2年以内に帰国しています。
JET プログラムで来たALTは、9 割以上が大学卒業直後から 30 歳までの若者。
応募動機は、「日本語の習得」、「日本(文化)への興味」、「海外経験がしたい」、「自分の資質を見極めるため」など。
大学を卒業した若者が、将来のために、日本で1~2年、働く経験をしてみる、という感じで応募してくると思われます。
「給料が良い」ことを挙げる者が35%おり、これは他の雇用形態より満足度が高い。
20 代で、海外経験を積みながら得られる報酬として、年収 336 万(初年度)は悪くないということなんでしょう。
次に、民間雇用のALT。
雇用主は派遣会社です。学校(教育委員会)と契約して、自社に登録している外国人を派遣します。日本在住の外国人を集めるだけでなく、海外に採用ネットワークを持って、毎年かなりの人数を日本に渡航させている規模の大きな企業もあるようです。
Dは、フィリピンにいるときにALTに応募したことがありますが、ある理由で不合格になりました(リンク)。これもALTの派遣会社の一つだったのだと思います。
待遇は、JETプログラムに比べて相当見劣りがします。
アンケートでも、応募動機として「給料が良い」を選択した者 は 8%で、多くの民間雇用のALTが待遇に不満を持っていることがわかります。
2021年に北海道新聞に報道された例では、札幌市内の中学校で「派遣ALT」として働く米国人(47歳)の年収は約230万円とのこと。
月20万円以下ですね。
ボーナスはなし。これだけでは家族を養えないので、英会話の個人レッスンの副業でなんとかやりくりしているという。
契約によりますが、派遣会社は公的保険に加入しない場合が多く、春休み、夏休みなど授業日数が少ない月は給料も少ない(ひどいときはゼロ)。
埼玉県でALTをしていたアメリカ人の話では、月給はいちばん多い場合でも23万円ということでした。その人は「これ以上収入が上がる見込みもないし、暮らしていけないので、アメリカに帰る」と言っていました。
地方によっては、労働組合に加入し、派遣会社や自治体と待遇改善交渉をしているところもあるようです。
最後は地方自治体による直接雇用。Dが今回採用された雇用形態です。
自治体の教育委員会が採用し、非正規雇用の公務員と同等の待遇です。自治体により差はあるようですが、給料は30万円ぐらい。
Dの場合、月給31万円。月給制ですから春休みや夏休みなど、授業がない期間も給料が減らされることはない(もちろん出勤もするわけですが)。金額は不明ながら賞与も出るようです。公的保険(医療保険、厚生年金、雇用保険)に加入。交通費全額支給。ただし、昇給はほとんどなさそう。JETのような住宅費補助はありません。
契約は1年更新ですが、実際には継続雇用されることが多く、同じ自治体のALTミーティングで会ったALTの中には10年以上続けているという人もいるそうです。
待遇面では民間雇用よりずっとよく、JET プログラムに匹敵します。
ただ、先のアンケートで「給料がよい」と答えたのは11%にすぎず、民間雇用(8%)とあまり変わらないのが意外。
JETに比べ年齢層が高く(30歳以上が64%)、家族持ちが多いことが影響しているかもしれません。
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