スペイン便り～俺はまだ本気出してないだけ

　約半年ぶりのスペインです。

　直行便がないので、ロンドンのヒースロー空港で乗り継ぎ。ブリティッシュ・エア便です。

　１０時間以上のフライトなので、本を読んだり映画を見たりして時間をつぶします。日本語の映画は少なかった中

「俺はまだ本気出してないだけ」

という邦画がありました。

　人気漫画の映画版。私は漫画を読んでいなかったので、筋が新鮮です。

　４０歳を過ぎたシングルファーザーが、突然漫画家を志す。

　何回描いてもボツにされ続けながら、「本気出してないだけだ」と負け惜しみを言う。

　家族や周囲の人々は、そんな主人公にあきれるやら、感心するやら。

　この映画を見て思い浮かんだ言葉があります。

反面教師

　主人公の自由な生き方に刺激された親友が、サラリーマンを辞めてパン屋になろうとする。

　それを知った小一の息子（離婚した妻に引き取られている）は、

「お父さんがあんなやつ（主人公）みたいになっちゃ嫌だ」

と、パン屋を手伝うと言いだす。そして夫婦はよりを戻す。

　エンディングで、主人公の未来はぜんぜん見えないけれど、親友をはじめ、娘や、バイト先のフリーターの青年などは、しっかりとした一歩を踏み出します。

　コメディーながら、しみじみとした味わいの佳作でした。