犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

行水と沐浴

2020-12-21 23:33:15 | 言葉
 妻の通院付き添いと、孫のお宮参りのために帰省しました。

 木曜日、まずMRIを撮りに大学病院へ。次女の新居は大学病院の近くなので、土曜日のお宮参りに先立って、孫の顔を見に行きました。

 まだ生まれて1か月半なので、首も座っておらず、寝たきり状態。目もあまり見えていないはずとのことですが、明るさは感じるらしく、あやすと目で追うようになりました。

「お風呂は毎日入れるの?」

「うん。でも湯舟じゃなくて、ベビーバスでね」


「行水か」


「ギョーズイ? 何それ? 沐浴のこと?」


「えっ? 沐浴っていうの?」


 行水は、夏の暑い盛りに子どもたちがたらいで水遊びをするイメージだから、我ながら不適切でしたが、沐浴はもっとおかしい。

 けれども、最近は、赤ちゃんの体をベビーバスで洗うことを沐浴と言うそうです。私の語感では、沐浴は、宗教的なニュアンスがあって、「身を清める」に近い。

 ネットで検索すると、ウィキペディアにこんな説明がありました。

 沐浴(もくよく、ablution)は、からだを水で洗い潔めること。宗教的な儀式を指すことが多い。乳児の体を洗うことも含まれる。

 私が愛用する三省堂国語辞典(第7版)は、

もくよく【沐浴】〔文〕かみの毛とからだを洗って、身を清めること。「川で沐浴する」

で、赤ちゃんの体を洗うという意味は載っていない。

 沐浴というと、韓国の銭湯が思い浮かびます。韓国で銭湯のことをモギョクタン(沐浴湯)というからです。

 15年近く前に、こんな記事を書いたことがあります。

沐浴(モギョク=お風呂)

 そのときは、沐浴という言葉が日本で普通に使われる時が来るとは想像できませんでした。

 おそらく三省堂国語辞典第8版には、「乳児の体を洗うこと」という意味が追加されることでしょう。
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