北新地の穴場のカウンターバーについて、これまでも何回か取り上げたことがあります。
ある日、そこのママさんからラインが入りました。
「突然ですが、今週でお店を閉めます! お時間があればお越しくださいますように」
そこで、閉店の一日前に、会社の若いメンバーを連れて行ってきました。
「しばらく休むんですか」
「いえ、完全に閉めます。お店も人手に渡します」
この店のシステムは、ボトルキープをしない場合、ハウスボトル(といっても日本の高級ウイスキー)が飲み放題で、3500円。この界隈としては、格段に安いのですが、それにはわけがある。閉店が10時なのです。
ママさん、お母さんの介護などの関係で、深夜にはなれない。電車で、自宅のある京都まで帰れる時間でお店は終わり。
そのシステムで運営していたものの、「延長」を求める常連さんを断りきれず、深夜まで営業し、結局お店に寝泊まりするというケースが、週に2回、3回と重なるようになったんだとか。
「もう限界。最初は頑張ってたけど、家に帰ると寝るだけで、家が散らかり放題だし…。もう頑張らなくてもいいかなって」
「残念だなあ」
「祇園と新地って、どう違うんですか」
最近の若者には珍しく酒好きな後輩が、真面目な質問をします。
「そうね、祇園は遊びのお客さんが多くて、新地は社交の場かしら」
たしかに、ここのお店の常連さんのなかには、そうそうたる企業のお偉いさんとか、OBが多かった。飲み方も上品でした。
「今度は、京都でお食事でもしましょうよ。京都にはいらっしゃるんでしょう」
「ええ、週一回行きますけど」
「じゃ、連絡くださいね」
10時過ぎに店を出て、お決まりのコースで兎我町のタイバー、最後は自宅近くのバーへとはしごして、家のベッドに入るまでの記憶は完全に途切れていました。
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