兎我野町のタイ・バー

　ダーツを終えて，ご主人と別れ，地下鉄梅田駅を降りたところで，もう一度タイバーに電話をしてみました。

　すると今度はつながった。

「今日はやってるんですか」

「ええ，さっき開けたところです」

　早速行ってみました。

　兎我野町

　変わった町名です。昔，兎が我がもの顔にはねまわっていた野があったのでしょうか。

　それが今はなぜかこの界隈にタイ人が集まっているらしい。

　件のお店の入っている雑居ビルは，タイ・レストラン，タイ・マッサージ，タイ・クラブなど，タイづくしです。

　ドアを開けると，ウナギの寝床のような細長い作りのスタンドバー。一見，かなり広そうに見えましたが，突き当たりがガラス張りで実際より二倍に見えただけ。スタンドには席が５つしかありません。

　そして右手奥にダーツ機が一つ。そちらにもスタンドがあるけれど，ここに座られるとゲームに支障がある。

　私が行ったときは，年配の日本人男性二人と，年の頃３５ぐらいのタイ人女性がダーツに興じていました。女性もお客さんのようです。

　ママは４０ぐらいでしょうか，アンニュイな雰囲気のタイ女性。

　話を聞くと，来日３年。この店は１年ほど前にオープンしたそうです。

「昨日は，朝の８時半までお客さんと飲んでて，頭が痛い…。ごめんなさいね，お化粧もしてなくて」

　気だるそうな理由がわかりました。もともと日曜日は客が少ないので，連絡がないときは店を開けないこともあるそうです。この日は友達のタイ人女性からお客さんを２人連れて行くという連絡があったため，それに合わせて開けたとのこと。１０時まで電話が通じなかったのはそのためでした。

　ダーツが空いたので，二日酔いのママを誘って３０１をしたり，今学習中のタイ語をちょっとためしてみたり…。

　ダーツは他の店だと，３０１は１００円，クリケットは２００円なのに，ここではすべて１００円なのがうれしい。

　また，テーブルチャージなしで，生ビールが５００円というのも高くない。

　お酒を飲んで，ダーツもできて，タイ語の勉強もできて，１０００円というのはたいへんリーズナブル。

　今後の大阪出張のタンゴルチプ（行きつけの店）になりそうです。