他にも書くべきこと、書きたいことはあるんですが…今日は子どものことを書きたくなりました。
今日、息子二人と映画を観に行きました。
金曜くらいに次男のSくんから「明日からやるんやけど、観に行ける?」と聞かれ、「お父さん、夜中仕事やし、朝から昼間では寝てると思う。その後はわからん」と生返事。
ところがSくんは「昼まで寝たら、その後は可能性がある」と受け取ったんでしょう。
昼過ぎに「お父さん、もう起きる?」と聞いてきます。
「風邪気味やし、もうちょっと寝とくわ」と私。
しばらくしたら、友達の家に遊びに行ったようです。
後で聞くと、母親にも「おかあさん、映画行ける?」と聞いていたようです。
その日の夜には「お父さん、明日は?」と聞いてきます。
「今晩も仕事やし、明日は昼まで寝たら昼から勉強会あるから無理」
さすがにちょっとかわいそうになったので、「映画はすぐにおわらへんし、来週もまだやってるはずやで」とごまかしにかかります。
そうして、夜中に仕事に出かけたのですが、どうもばつが悪い。
で、いろいろ考えてしまう(夜中の仕事は、単純作業しながらなのでいろいろ考えてしまいます)
ここからはさかのぼっての話。
息子Sくんは、今3年生。
発達障害の講習会を聞きにいくと、そこで教えてもらう様々な特性が当てはまります。
落ち着きがない。
話が聞けない。
妙なところをしっかり記憶していて、融通がきかない。
その他もろもろ。
そんなSくんが、今年の夏以降に「学校辞めたい」とよく言うようになってきました。
思ったことを口にしたり、融通がきかなかったり、いわゆるKYぶりを発揮しているのでしょう。
友達づきあいが苦手です。
ちょっとしたことを言われて、気にしてしまう性質でもあります。
本人曰く「いじめられている」「おもしろくない」と。
「学校がいや」と言う気持ちは聞いてやれますが、「転校したい」という要求までは聞けません。
そんなある日、いつもより強烈に「もう辞めたい」ということを訴えてきました。
よく話を聞き、一緒に学校へ行って先生も交えて話を聞きました。
仲の良い友達が一人居るのですが、その友達としゃべっていたらいつもいじめる子が来て「あいつといっしょに居るな」と連れて行ったようです。
自分がいじめられているだけのときは我慢できていたけど、大事な友達を取られたことは我慢ならなかったようです。
その少し前に、いざこざから相手の子に怪我をさせてしまいました。
「いくら相手が悪くても、怪我をさせたらダメだ。お父さんは暴力は嫌いだから、手を出さないように」と言っています。
そのことを必死に守ろうとしたんでしょう。
「手を出したらあかんから我慢した。でも、我慢し切れんようになったら怪我させるから、そうなりたくない」
彼なりに一生懸命内省しています。
Sくんはある絵本が好きです。
「おまえうまそうだな」宮西達也
まだ保育園の頃、この本に出会って感動していました。
その心優しさに、「Sくんはこういうお話がすきなんやね。そういう心はお父さんも好きや」というような褒め方をしていたと思います。
その後、このシリーズの新作が出るたびに買って読んでいます。
本当に好きだと言う面もあるでしょう。
一部には、そうやって褒められたと言う記憶が、彼にとっての私とのつながりであり、こだわりとなっているのかもしれません。
異形のものが、どんどん心を交わして深いつながりを持っていく。
別に心理分析したいわけじゃないんですが、Sくんは私が思っている以上に「つながり」に飢えていて、「つながり」を求めているのかもしれません。
これも先日参加した研修会で、絵本読み聞かせの先生にお話を聞いたときに、このシリーズも取り上げられていました。
話が前後してきましたが、こういうことを経てきたことが、昨晩の仕事中に気になりだしました。
今回、息子が観たいといってきた映画は「Friends もののけ島のナキ」
単純に予告編で観て面白そうと思ったのかもしれません。
しかし、「Friends」と言うタイトル、キャッチコピーの「どこまでも、きみのともだち」と言う言葉が、Sくんの思いとリンクします。
どんな思いで、この映画を観たいと言い出したのか。
生返事でどっちでいいようなあやふやな態度しか取れなかった私。
普段、PTA活動やカウンセリングの学びで、「子どもとしっかり向き合うため」と良いながら、実際には何も向き合っていなかった。
午後の学習会の予定ははずせませんし、多くの人に迷惑をかけるわけには行きません。
そこで、朝はしっかり休んでおいて、学習会を終えてから息子二人と映画館のあるイオンモールへ。
夜の回だったんで少ない観客(アベックがくっちゃべってちょっと×だったけど)ゆっくり観ました。
時々横から聞こえてくるSくんのすすり泣き。
映画でも泣けますが、こういう映画を観て涙するSくんに心を寄せて私も涙します。
終わってから、たこやきつつきながら感動した場面を分かち合い。
とても喜んでくれたし、何度も「ありがとう」といってくれた息子。
目の前に横たわる問題が解決したわけじゃないだろうけど、お父さんとつながってることだけは感じてくれただろうか。
口先での、大人のごまかしでのつながりじゃなくて、応えることで示すつながりを実感してくれていたらこんなにうれしいことはないんだろうけど。
いや、どう思われていようと、今日の「ありがとう」の一言だけで十分です。
と、打ち込んでて恥ずかしくなってきたけど、言葉にしておかずにおれなかったので、そのまま流しておくことにしましょう。