「ご卒業おめでとうございます 旧友に別れを告げ、まだ見る地へと赴くのは勇気のいることでしょう。果てしない旅路をひとり往くのは根気のいることでしょう。桜の季節 旅立つ背中を、私達は静かに見守っています。その手に握られたきっぷが あなたを輝かしい未来へと導きますように JR東日本国分寺駅社員一同」
手で打鍵しても、結構な文章量。手書きで、しかもバランスよく書くために、どれだけのご苦労をされたことか・・・
経営学的に見てしまうと、もし、これが勤務時間に、本来業務そっちのけでつくられたものなら「そんなことをしている時間があるなら仕事しろ!」ってことになるでしょう。逆に、もし、時間外にボランティアで作られてとしたら、外部(あるいは内部)からの圧力があった場合、労働力の搾取として労働法違反のコンプライアンス懸念のゆゆしき事象となります。
でも、これが、もし、本当に国分寺駅一同の自発的なアクションだったとしたら、この駅を、日々利用する立場として嬉しいなぁ~!!労働時間内、時間外の区別はともかく、「変な利用者」がいたらクレームにもなりかねない、本社からやれと言われていない行動を、いや、でも、どうしても卒業される学芸大学や東京経済大学、武蔵野美術大学、東京農工大学その他諸々の大学、早稲田、明星をはじめとする各高校、各専門学校、各中学校等々、そういった学校の卒業生に対する学生たちへのエールを送りたいというアクションだったら、感動以外の何ものでもありません。
もし、自分が国分寺駅の駅員だったら、ささやかとはいえ、このようなイベントを企画するだけの行動力がありますか?
組織論ってわけじゃありませんが、旧来の業務と違った業務を提唱する際、概ね「やりたくない派」との軋轢が生じます。負担は増えるが、(明確な)利益は生まれない業務。組織が分裂し、混乱に陥るリスクすらあります。でも、この学生へのエールは「業務」ではなく、「祝辞」ってことで国分寺駅員一同のコンセンサスがとれたのかもしれません。私としては、快活な組織の自発的なアクションとして好意的に関心しております。