昨日、朝の通勤電車の中で読んだ本。
リンクしている鈴木秀明さんが書かれている本である。6月19日にも、「ラクして受かる勉強法」を拝読させていただいたが、こちらの本も、確かに面白い本である。
「資格マエストロがこっそり実践する」と書かれているが、「資格マエストロ」っていう資格はあったっけ?というつっこみから読み始める。いや、それ以前に「帯」であるが、「弱冠31歳にして難関資格を含め約300個を取得した、資格試験のプロが実践する」を読んだとき、若手と思っていた鈴木さんが31歳になっていたことに驚愕する。いや、1981年生まれだから、もう、32歳か・・・時の経つのは早いものである。
そういう感慨に耽りながら・・・「はじめに」を読んで気がついたのだが、鈴木さんは「すべて独学で取得」(p.003)されているとのこと。正直、鈴木さんが取得された資格が「独学の上限」ということでいいんじゃないだろうか。それ以上の難関資格は、やはり、予備校や専門学校等スクールにいかないと取得困難と思っていい。そういう、意味から鈴木さんを見ることもできる。
私も、取得に講習があるもの以外、基本、独学で資格を取得してきた。やはり、超難関資格には「独学では超えれない見えない天井」があると思っている。無論、「不動産鑑定士一本」ということで、何年も特化して学習できれば別だが、資格マニアの複線的学習法には、この方法は難しい。
次に、本来、第1章の最初が、著者の一番言いたいこととなるのだが、それは「思い立ったらすぐ受ける、合格するまで何度も受ける」(p.014)だった。
まあ、その通りであろう。「すぐに受けない」=「その分人生を先送り」ってことだから、やはり、すぐに受けるべきだろう。「合格するまで何度も受けない」=「その分人生を諦め」ってことだから、合格するまで受けるべきでだろう。まさしく、資格マニアの鉄則ともいえる考え方である。
で、次のテーマが「勉強なんて単なる作業だ!」(p.017)となっている。先の著書にも書かれている「勉強作業論」である。この割り切りだけは、ちょっと、私と距離を置く。そもそも、「資格取得」を「生涯学習」と位置付ける我が流派(誰がメンバーなんや?)には、「勉強」として学ぶものはいない。人生を豊かにするための学びなので、「勉強」という言葉は使わず「学習」なので、「作業」というものにはなりえない。でも、そこまで非情になれれないところが、我が流派が没落した理由なのかもしれない。
p.050の「速読は資格勉強には不向き」というのも、いい着眼点だと思う。まさにその通りだろう。鈴木さんの言うとおり、私も速読セミナーの受講生以外で「速読で資格に合格しました!」って人を見たことがない(笑)
あと、p.188からの「レコーディングスタディ」は、私はやめてしまったものの、初心者にはモチベーション維持に繋がるかもしれない。学習記録をつけることができるSNSサービスを紹介したのは、私としては、「さすが、鈴木秀明!」と拍手を送ってしまう。なんせ、情報音痴の私には、こんな提案できませんから。
p.214の「横長のマークは縦にして塗りつぶそう」というのも、資格マニアなら当然なのだが、確かに、知らない人は、マークシートの塗りつぶしも難儀しているのかもしれない。そう、90度回転させて縦にして塗るのが鉄則。それが、長年の経験から編み出される技のひとつなのです。わずか1,400円で、技の数々を、惜しげもなく公開してしまうとは・・・太っ腹である!
第8章で資格別勉強法というのがあるのだが、ページ稼ぎの資格紹介ではなく、鈴木さんの取得した人気資格8つに限定なので、特段異議はありません。でも8つ中、中小企業診断士以外は私も取得しており、やはり、ベクトルは同じ方向を向いているんだな~と感じます。
面白い読み物なので、資格を目指す人は「学習法を盗むため」に、資格を200以上取得されている方は「他の流派の掟を知るため」に、一読されるのがよいでしょう。
これからも、鈴木さんのご活躍、期待しております。