なんと、職務質問を受けました。
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もちろん警察官から
いま、私は、居住しているマンションで理事長を拝命しています。
オートロックのマンションですが、入口のインターホンが老朽化したので、交換することになりました。
工事の手順上、三日間はインターホンが使えません。 ということは、オートロックが解除できないことになるのです。 「居室の人に開けて もらえば良いでしょう?」 という意見もありました。 だけれど、何しろ うちのマンションは独居高齢者が多い! 加えて、商売の関係で遅い時刻に帰宅する人も多いのです。
色々と考えましたが、管理人さんが勤務を終えてからは、エントランスに 人が付いてオートロックを解除してあげるようにしました。 他に方法が無いもんね。 それで。 『人が付く』 って、誰がするのよ? 暫しの沈黙の後、「それじゃあ、私が」 って、理事長が 『付く人』 を担当することになりました
てな訳で、私がエントランス脇のソファーセットに持ち込んだのは、次の通りです。 ① 黒霧島(芋焼酎) ② ポット(お湯入り) ③ 池波正太郎を3冊(鬼平犯科帳) ④ 若干の根気
『やっぱり、人が付いてないと無理だったよねぇ』 何十分か毎に エントランスを解除すると感じます。
一方。 住民からの差し入れもあり、楽しく呑み続けていました。 いつしか時刻は午前零時を回っています。
と。 エントランスに不信な人影が! 見知らぬ男女が一名づつ。 ガラス越しで、私に何かを訴えるようなジェスチャーをしています。 『妙な奴らやなぁ』
座ったまま、ジェスチャーを見てると、どうも 『開けて』 ということを表現しているような感じです。 更に良く見ると、どうも警察官の制服です。 何か事件でもあったのでしょうか? 通報はあったけど、部屋の番号がわからないで、入れないのかも?
そう考えた私は、理事長として毅然とした態度でオートロックを解除したのです。 さぁ、住民を助けに行ってください!
そう。 既に六時間近く呑み続けていますから、完全に酔っています。
ところが。 警察官は現場に行こうともせず、こう言うのです。
「マンションの入り口で座り込んで酒を呑んでいる不審な人物が居るという住民からの通報がありました」
えっ? 不審者? そりゃ おおごとやないね。 そやけど、ず~っと この辺りに座っとったバッテン、不審者なんか見て無かバイ。
「あなた、名前は?」
えええっ!!! 不審者って、俺のこと!?!?
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