『スタンプを集めれば ステキな粗品を差し上げます』
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スタンプ台紙に書かれた文章。 どうにも違和感があります。
粗品 : 人に贈る品物の謙譲語(広辞苑)
謙譲している 『品物』 に 『ステキな』 という修飾語を付けている。
もっとも、「こんな日本語の乱れが」、なんて生意気を言うことはできませんけどね。 日頃から、乱れた日本語を使っている身であれば。
「千円から お預かりします」 という表現は、よく引き合いに出されます。 また、驚くほど多くの場面で使われています。
さて。
いまから二十年以上前に、私は韓国を一人旅しました。 その帰路に、フェリーの中で ソウルで小学校の教頭をされている韓国人と知己を得ました。 すでに定年に近い方でした。
数年後、ソウルを訪れた際には 再会して食事をしました。 その後、彼が九州旅行に来られたので自宅に泊まっていただき、長崎などを案内しました。
何度か話していて驚かさせられました。 それは、彼の日本語が とても美しかったから。
小学生のころまで、学校で日本語を使って授業を受けていたそうです。 その後、日本語を使う機会も無く、排斥運動も起きて、封印していた日本語だったのです。
まるで、昭和20年から封印されていたタイムカプセルから出てきたような日本語。 そうか、日本語って こんなに美しい言語だったんだ。 痛感しました。
それに較べて、自分の使っている日本語の何と乱れていることか。 いや、両親や同年代の人達の使う日本語さえも 同様に乱れているのでした。
その格調高い日本語を聴いて、また、彼からの書簡に記される達筆と画数の多い漢字に接して、私たちが失ってしまったものの大きさに愕然としました。
『ステキな粗品」 を見て思い出したことです。
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