心の底から湧いてくる、『これで 終わってしまうのか?』 という嫌な予感。
後で聞けば、家内は、『ノリ が三振してゲームセットになる』 そう観念したそうです。
いや。 選手達は必死に戦っている。 せめて、応援席も気持ちだけは負けないようにしよう。 「ノリ。 お前の12年間を ここで 爆発させてくれ!」
そう願った。
幼稚園の頃から。
遠征や大会に連れて行き、小学1年生になると、いつの間にかチームの一員になっていた。 同級生は4人。 いずれも兄貴がチームに居るという同じような境遇で 入部していた。
4年生以下のBチームに属していて、どこがショートかも分からないくせに、試合だけは出たがって、用も無いのに監督の周りをウロウロしていた。
ある試合、あまりの大差で負けているので、途中から 監督が ノリ をライトに起用した。 守備に入って直ぐ、ライトに打球が。 「あちゃぁ。 取れんわ。 ホームランや」 そう思った瞬間、ゴロを補給したかと思うと 1塁へ。 アウト!
驚いたね。 毎日毎日 練習していると、こんな小学1年生でも野球が出来るんや。
そのまま小学校6年生のときは全国大会まで。 硬式チームに入っての3年間は不本意な成績だった。
そして高校。 1年生のときから試合に出してもらい、2年生の夏大会が終わり、新チームになってからは ずっと 四番か五番を任されてきた。 最後の夏。 最後の試合、最後の打席になるのか?
そして。
6球目。 直球。
やった!
きれいに打ち返した。
左中間を破る 3塁打! 同点!
応援に来てくれた祖母も立ち上がる。 歓声に湧く応援席。
二度追いつきました。 最後は、僅かに 運が相手チームへと傾いてしまいました。 勝ちたかったですね。 本当に残念です。
それでも、粘り続けた経験は、これからの人生に大きな自信と勇気を もたらしてくれることでしょう。
三男坊は、自宅に戻って、家内に 言いました。 「12年間、ありがとうございました」
私が帰宅した時は 既に眠っていました。 で、私へは 何も 言葉は ありません。
だけど、私から言うべき言葉なのでしょう。 「12年間、本当に有難う」
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